| 2003年04月19日(土) |
東野圭吾『嘘をもうひつだけ』★★★☆☆ |
 『嘘をもうひとつだけ』 東野 圭吾 講談社 (2003/02)
帯より。 『嘘は必ず暴かれる 本格的謎解き小説』
殺人犯の『嘘』を、我らが(!)加賀刑事が暴くというより、解きほぐす、光を当てる。 ささいな矛盾に気づき、追及し、証拠を動かぬ物にする。アリバイを突き崩す。 アホな一読者の私は、全部読み終えてから「あ、そっか。なるほど」とわかったようなやっぱりわからぬような感想をいだく。 読みながら先を読むミステリファンにはとても楽しいであろう一冊。 単純に加賀ファンにも嬉しい一冊だ。
では、おもしろかった順に。 『冷たい灼熱』 これはおもしろかったというよりは、痛ましくてリアルで嫌だった。 先日もこれと同じ状況で隣の市で赤ちゃんが亡くなった。 なんとなく、『交通警察の夜』同様東野圭吾さんの問題意識がとてもうまく小説になっているように思う。 『狂った計算』 夫と呼ぶのも不愉快極まりない存在を、うまく消す方法を考えた、いわゆる不倫のふたり。 計算が狂い、彼女は菊とマーガレットを買う。 後悔先に立たず。しかしこんな不愉快な夫、今もいるのかな。いるんだよね。我慢してるんだよね。いくない、いくない! 『嘘をもうひとつだけ』 真の動機にせまっていく、でも冷静な加賀刑事がかっこいい。 『友の助言』 妻に睡眠薬を入れられたのではないか。高速道路で死にかけた友人に助言する加賀刑事。証拠はあるのか。動機はなにか。 ワーカホリックはいけないね。 『第二の希望』 犯人の意外さもさることながら、殺人の方法が驚き。 またその動機もせつない。せつなくても殺しちゃあいかんと思うが。
というわけで、まだまだ読むぞ!東野圭吾さんっ。
『嘘をもうひとつだけ』
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