| 2003年04月27日(日) |
松岡圭佑『マジシャン』★★★★☆ |
 『マジシャン』 松岡 圭祐 小学館 (2003/05)
帯より。 「二転三転四転五転 騙す、誤魔化す、まやかす、眩ます、嵌める、惑わす、誑かす! 前人未踏の記述詐欺ノヴェル」
帯のオーバーな書き方には眉唾な私だが、これはホント、松岡圭佑さんの真骨頂、『二転三転四転五転』、どっちにいくかわからないスペースマウンテンに乗って、あっちゃこっちゃ振り回される楽しさ満載のおはなし。
目の前でカネが倍になる。 参考人が全員そう証言する詐欺事件に挑む枡城刑事。 彼の前に現れたマジシャンを志す少女。 彼女の背後には、すっかり足を洗ったように見える、かつて枡城が追いつめ逮捕した天才詐欺師がいた。 次々に起きるトリックを用いた犯罪、それを追う刑事と少女の知恵。 少女の羽ばたきは、成功するのか。 トリックは。 「犯人」の実像は。
マジックとか、トリックとか、詐欺とか。そういったものって一体なんだ?とあらためて考えさせられた。 騙すことっていけないこと?なんでマジックを見て楽しいの?詐欺ってどこまでがそうなるの?いとも簡単にだまされる人って?
枡城刑事と一緒に捜査に参加する若輩2人もいい味を出してていい。 お互いに「自分はこの人たちのお守かぁ」と思ってるところが。 そして、成長していく様が。
上下2段の363ぺージ。 重厚のようで、あっという間に読まされるおもしろさ。 これもマジック?なんてね。
さて、この方の『千里眼のマジシャン』も借りてきた。 わくわく。楽しみだなぁ。
ところで、読んだ方へ。
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