| 2003年05月03日(土) |
森絵都『DIVE!!1前宙返り3回半抱え型』★★☆☆☆ |

『DIVE!!〈1〉前宙返り3回半抱え型』 森 絵都 講談社 (2001/07)
ジュニア小説とか青春小説とかいうんでしょうか。 青くて酸っぱくて甘くて平和な、中高生向けの小説。
評判を聞いて借りてみたら、三十路の私に今さらって感じ?とかなり乾いた感性で読みました。 が、おもしろいです。 めちゃめちゃおもしろい、という程ではないけれど、続きが気になる程度にはおもしろい。
4巻あるうちの1巻。 紹介より。 「一瞬にすべてをかける競技、高飛び込み。謎のコーチの出現で少年たちはオリンピックをめざしはじめる。」
ダイブに青春(はずかし…)をかける3人(他にもいるけど)。 闘志のかけらもない、のほほんとした、でも「ダイヤモンドの瞳」もった知季。 悲運の天才ダイバーの孫、天性の才能を持った飛沫(しずくと読みます)。 恵まれた血筋と才能、努力で高い実力を持った要一。 祖父の悲願成就とクラブの存続をかけ、彼等をオリンピックへと導こうとする麻木コーチ。
知季を応援する「彼女」の美羽。 ダイブに時間も気持も割くのが必死の知季からいつしか美羽の心は離れ、最悪の結果をもたらす。そのショックから立ち直れない知季は重要な選考会への参加に間に合うのか。
と、盛り上がったところで2巻へ。
中高生の頃に読みたかったなあ、と思った。 「読書」が当たり前じゃなかったあの頃、誰か「ここにくれば、好きなだけ好きな本が読めるよ」って図書館に連れて行ってくれていたら。 そしたらお小遣いからやっとの思いで買った「赤川次郎吸血鬼シリーズ」や新井素子のSF、堀田あけみのハードカバーでいっぱいいっぱい、なんてことにはならなかっただろうに。
今頃読書少女もとい、読書おばさんになっても、ねえ。 今、楽しいからいいんだけど。ちと寂しさも。
『DIVE!!〈1〉前宙返り3回半抱え型』
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