活字中毒のワタシの日記

2003年05月05日(月) 横山秀夫『動機』★★★☆☆

動機
動機
横山 秀夫
文藝春秋 (2002/11)

今朝みた夢は、とてもシビアだった。

二人の殺人を犯した私、逃げ切れそうにないけれど、発覚しないことを願い、しらばっくれ、焦る。アリバイを作るため特急あずさ名古屋行き(ない)に乗ろうとしたり、刑事の追及で観念したり。
逮捕後の夫と子どもの生活を想像して、申し訳なさと離れて見守ることができない寂しさに、後悔の念でいっぱいになる。でももう取り返しがつかない。なんて切り出そうか悩み、明日離婚届を用意して話をし、自首しようと思う。(婚姻届を出してないから無意味…というのは今日の夕方気がついた)

目が覚めて、安堵したのなんのって。
あまりのつらさに、ミステリー読むのをやめようかと思った。


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そ、それは『青の炎』だね…。私のシチュエーションもそういえばそうだ。
でもそれはぜーんぜん考えてなくて、獄中から手紙書くことも想定してた。

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バンドやってる相方だけに、シャレになってなくて、イヤだーーーっ。

犯人(わたし)のお気楽ぶりからして、殺人を犯す所まで『青の炎』、その後は『手紙』になりきってたみたい。疲れた…。

ところでこの『動機』、評価は高いのだけど、私にはいまひとつ。
なんかグズグズいじいじとした話だなあ、という感想しかもてなかった。
『ネタ元』は職場での女性の扱いを軽んじ認めず拒否する男社会で奮闘する女性事件記者の話なのだけど、作者自身、本音はそのまんまなんじゃなかろうか。なんかこう『男の矜持』『男の美学』『男の意地』がじわじわと感じられて、読んでてしんどい。
『密室の人』ではそういう男の悲劇が書かれているようだけど、人間を『男』と『女』にびしっと線を引いて分けちゃってるのが、読んでてつらい。
『女』がステレオタイプ、描写が浅い。
それが胸の奥でひっかかってたような気がする。

が、4編入っている中の『逆転の夏』は今朝の夢の重い気持を思い起こさせてくれて面白かった。とうか、重かった。
悲劇だけれど、すこーし救いがあるような。あのラストでよかった。

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