| 2003年05月10日(土) |
ユリー・シュルヴィッツ作・画 瀬田貞二訳『よあけ』★★★☆☆ |
 『よあけ』 ユリー・シュルヴィッツ 瀬田 貞二 福音館書店 (1977/06)
寝る前の読み聞かせに(もちろんおとなが自分で読むのにも)いい本。 『よあけ』なんだけどね。
オススメされているのを見て、借りてみた。 静かな、静かな、よあけの風景。 最初のことばが、『おともなく、』だものね。 言葉も厳選されていて簡素で美しい。 湖畔の寒さ、静けさ、清らかさ。 湖面をわずかになでるそよかぜの存在感 そういったものがしいぃんと伝わってくる。
たとえば、湖畔。 月の光がぼうっと湖面に照らし出され、黒い山々の姿も鏡のように映っているページ。 『つきが いわにてり、ときに このはをきらめかす。』 『やまが くろぐろと しずもる。』
わかるんかいな、と思いつつ読んだら、3歳の息子はいたく気に入った様子で毎晩リクエスト。
音のない状態、という「音」を感じられる絵本。 休止符の存在を実感できる本。
疲れた時に、神経がささくれだっている時に眺めると、安らかな気持になれそうです。 湖面が穏やかになるように、そして気持良く朝が迎えられるように。
『よあけ』
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