| 2003年05月13日(火) | 
斎藤洋『海にかがやく』★★☆☆☆ | 
  
『海にかがやく』 斉藤 洋 講談社 (1994/07)
  小学校高学年から中学生以上向け? もちろんそれ以上のおとな、おばさん、おばーさんでも楽しめるでしょう。 ジュニア小説ってジャンルになるのでしょうか。
  主人公はひなびた漁村の少年二郎。 夏休み、お世話になっている漁師のじいちゃんから頼まれ、遊びにくる孫を迎えに行ったが、そこにいたのはちょっと生意気そうな、利発そうな女の子夏生(なつお)だった。 二人の交流、竜神の存在、夏祭り、危険な勝負「伝馬くらべ」。 訳ありの夏生の背景、伝馬くらべの陰謀(というとちとおおげさだが)、真相、そしてつぐない。 クライマックスは沖へ出て行く子ども達、時化。 「竜神を見せて」といった夏生は、果たして見ることができるのか。 無事に帰ってこられるのか。 淡い恋の行方は。
  といったおはなし。わかるでしょうか? 読み終えると、プロローグとエピローグがじわわん、と胸にしみる。ほっとする。 そこそこのドキドキと、そこそこのワクワクと。 幼いゆえの純粋さ、青さが好感を持てる本でした。 青は青でも、独特の、澄んだ青。 それこそ、二郎の住む海の青。
  そんな「青」に時折ひたるのは、オバサンにもいいのかも。
  『海にかがやく』
 
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