母のタイムスリップ日記
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2002年07月05日(金) |
間違いでも、間違いじゃない事。 |
玄関を入ると、Tさんが迎えてくれた。 「何処行ってきたの?」 「ちょっとそこまでね。」「ふーん」 Tさんは、比較的陽気である。仕事場にいると思い込む毎日なのだ。
母は、違うフロアに行っていて居なかった。 皆とゲームをしているというので、それはそれでよいと思い、居室 の整理、掃除をした。 母は母なりに、片付けようとして物を動かすので、在るべき所に 物がなかったりするから。 例えば、コップや歯ブラシが押入れに入ってたりする。 在宅時は、殆ど傍に居たのでこういう事は皆無だった。 目を離せば、こうなるだろう事は目に見えていた。 居室の掃除のついでに、フロアにも、掃除機をかけた。 昼食後で、すこし汚れていたので・・・。 Tさんも、手伝うつもりでテーブルのカバーを直したりしていた。 ところが、本人は直しているつもりでも、実際はカバーをずらして るだけだった。 それを見ていたI氏が、イライラとして「きみのは、 片付けてるのではないでしょ・・・訳分からないよ。」と注意した。 I氏は、まだいろいろの事が理解できるのだ。 Tさんは、涙ぐみ、「すみませんでした。わたし、お勤めやめます。 ご迷惑かけました。」と言っていた。双方の気持ちが痛いほど分かり、 辛い場面だった。 Tさんを居室に送り、「お掃除ご苦労様」と労う。ホールに戻り、I氏 に、「Tさんも年をとったから、少しわからいこともあるね。仕方ない ことだね。」と声をかけてみた。I氏も「そうだね、仕方ないね」と 応えてくれた。ちょっと、安心した。
そうこうする内に、母とIさんが帰ってきた。しばらく話をして さよならをした。
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