母のタイムスリップ日記
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此の頃、面会に行く度に、荷物の位置が変わっている。 それを見る度に、「あー、帰ろうとして荷物を整理したのだろうな」 と想像できる。 在宅時にも、荷物まとめはあった。 荷物まとめは、たいていの場合、手仕事のない時や、調子の悪い時、 眠りの足りない時、等に起きた。 全て、私が疲れてしまい、母に充分な配慮が出来なくなって居る時 でもあった。 だから、荷物まとめが始まると、自分が責められているように感じた。 「休ませてよ」と心の中で叫びながら、母を外に連れ出したりした。 一緒に歩いている内に私の昂ぶった心も落ち着くのだった。 母もその時は、落ち着くのであるが戻った途端また帰るモードに入る事 もたびたびだった。其の度に、大きな溜息をついた。 母も私の困っているのを察知して、ますます窮地に陥ってしまった。 だから、、面会に行って、荷物の移動を見るたびに、母の思いを想像し、 あの繰り返しから開放されている事を感じて、複雑な気持ちになる。 施設に入ったから、母が変わる訳でもなく、ただ、私の目に入らなく なっただけの事なのだなと思い知らせるのである。 今日は、らっきょうを漬けた。 これは、在宅時には、母から手伝って貰っていた作業だ。 母を呼んで一緒に作業しようかな。とも考えたが、時間的なことから 出来なかった。 こんな事、ホームのみんなで出来ればいいなと思った。
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