母のタイムスリップ日記
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2002年09月09日(月) テレビの中の事が・・・。


耳が遠い母。
どれくらい聞き取れないかと言うと、せみ時雨の中を散歩しても
全く判らない。蝉が、鳴いている所から1メートルの距離でも
聴こえない。
 でも、会話はできる。聞こえているのだ。
ヘリコプターの飛ぶ音も聞き取れない。
 でも、サイレンは、聞き取れる。
全体に向けた話は、聞き取れない。
 こんな風に聞き取れる音と聞き取れない音が母にはある。
「聞きたい」と言う気持ちがあり、聞こうと努力はしているのだが・・。
補聴器を薦めてみたが、断られた。
なにか、プライドが在るみたいだった。

 そんな風な母なので、字幕付きのビデオを借りた事があったが、
長すぎて、飽きてしまって駄目だった。
母には、今時の、うるさいと思われるほどの、バラエティ番組の
テロップが入るのが、どうやら丁度良いのだった。
 でも、品性も母の基準にあり どれでも良い訳ではない。

 テレビといえば、母は、テレビの1場面のみが記憶に残ってしまい、
あたかも、現実の事と思い込んでしまう事も多かった。
それは、ドラマでも、ニュースでも、天気予報でも・・・。
 あまりに激しいドラマは、見せないが、ちょっとした脅し等の場面
でも、「これから 悪い人が来る」と騒いだ。
私たちから見ると、何でもないので忘れていて、でも 余りに不安が、
酷いので、「なにかあったかな・・・?」と記憶をたどるとドラマに
行き着くのだった。
 台風が来てると判ると、「大水になる」と言って騒ぎ出した。
暫くは、母だけの症状かと思っていたが、近所の人も同じような事を
言うと聞いた。

 施設で見ていると、殆ど聞き流し状態でテレビがついているが、
じっと、見入っている人は無い。
きっと、集中の度合いでそうなるのかもしれない。

 そんな訳で、母と過ごす時は 見る番組をかなり選んでいたし、
危ないと思った時は、テレビを切った。
唯一安心できたのは、懐メロ特集。
歌詞も出て、母は、一緒に歌ってた。テンポが、ずれるのは愛嬌だった。
 
 


 


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