母のタイムスリップ日記
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雪が降ると窓はほんのりと明るい。 障子戸を開けると窓には花が咲いたように凍りついた模様がびっしり。 手で擦ってみても、解けない。 吐く息は室内でも真っ白になった。
日が昇ると外に出る。 誰も出ていないちょっと湿った新雪に身を投げる。 ゆっくり起き上がると、そこには自分の姿の後が凸凹になっている。 着ていたセーターは、雪で真っ白になる。首からは雪が入ってくる。
晴れた日は、降り積もった雪の表面が解ける。 でも、朝の冷え込みで、その表面は凍っている。 特に人の歩かない空き地や畑の上に積もった雪面。 その上をそーっと歩いてみる。 ぬからない。 まるで、魔法をかけたみたいに雪の上を歩けるのだ。 たまに、積もった雪の下の方が解けて空洞があってずぶっと抜かる。 長靴の中に雪が入ってくる。足の温かさで雪が解けて靴下がぐしょぐしょ。 子供なりの勘を働かせながら、抜からない様に歩く。 我を忘れて歩く。 そのうちに足が凍りつくくらいに冷たくなってくる。
長靴を放り出すようにして家の中に入りコタツで足を温める。 でも、感覚がなくなって火の傍まで足を近付けてもちっとも温かくならない。 そして 「あーあんな事するんじゃなかった」と反省する。
毎年、同じ事を繰り返していたような気がする。
大人になっても、同じ経験をした。 其れは、スキー場。 子供の頃の思い出を辿るようにやっていた。 その頃には、もう 濡れるほどは無茶はしないが…。
最近は、スキー場も様代わりをしていると言う。 スキー場というより、スノボ場みたいだと言う。 ロープなんていうものは姿を消し始めていると言う。
でも、人の入らない所はきっとあるだろう。 いつか、また 子供の時と同じ事をしてみようと思う。
今日は、母と「はーるよ来い。はやーく来い」と歌った。 昨日、雪が降った事など記憶にない母。 でも、ちょっと残った雪を見せた。 「んー。寒かったんだね」と言う。
室内で過ごしてばかりなので久々に家に連れて来た。 人ごみはインフルエンザの心配がある。 入浴させようと思ったが、風が冷たいので服を着たまま洗髪。 それでも「気持ちいい」と言った。 ゼリーを食べ、みかんを食べ、お茶とクッキーを食べ施設に戻った。
あと少しで冬も終る。 あと少しだ。 節分用の豆を娘が貰ってきた。「おばあちゃんに」と言った。
「はーるよ来い。はーやく来い」
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