母のタイムスリップ日記
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2003年02月17日(月) 何故思いつかなかったか?


 今日は、第三月曜で家族の会の日。
ここでは、介護から離れられない人の為に、会の間 介護される人をボランティアの方が看てくださる。
母が在宅の時は、デイ利用日だったので連れて行く事はなかった。
施設に託してからは、会に参加してから面会に行ったり、面会しない日にしたりしていた。
でも、「2日続けて訪ねてないな」と何処かでちくりと心が痛む事もあった。

今朝、天気予報で「明日は寒いです」と聞いて今日行かないと明日は外に連れ出せないかも知れないと思った。
「そういえば、この会のボランティア利用はこの所無いなあ」とふと思った。
「迎えに行って、それから会に向かうのも面倒だな」とも思った。
母の機嫌、健康状態次第では無駄足になる事だってある。
そんなこんなを考えていた。

でも「駄目もと」精神で行こうと決め、出かけた。
お天気が良く比較的温かな事も幸いした。
施設に行くと母は元気で落ち着いていた。
「でかけよう」と誘うと「うん」と言う返事が戻った。

長いコートでは暑いだろうと思い自宅からショートコートと裏つきの冬ズボン
を持参した。母に其れを着替えて貰った。
最悪にはタクシーと思っていたのだが、幸いにも足の痛みも無くバスで移動できた。
バスの乗換えで、同じ会に参加されるTさんとお会いして同行して頂いた。

母には「これから、話し合いがあるので待っていてね」と言うと「大変だね
こんな広い所話し合うのだね」と反応。
ボランティアの方はいつもなら階下の部屋で待っているのだが、今日は隣室で
待機してくださる事になった。ドアも少し開いていてくださった。
母には、一応折り紙と歌集とおやつを準備していたので其れを渡した。また、万が一の為に、私のコートも預けて「見ていてね」とお願いした。
(覚えているかは判らないけど見慣れた抜け殻が役に立つかもと思った)

会が始っても壁の向こうからは、母の安定した声が小さく響いてきた。
途中から、以前デイでお世話になった施設の職員さんがみえて、ボランティアの方と変わった。その時も、「あら、お久しぶり」と言う母の声が聴こえた。
やはり、お顔だけは忘れていないようだった。
会が終わり母の所に行くと、そこには母が折った折り紙で箱庭が作られていた。話に依ると、折り方を忘れたと職員さんが言うと母は自分の記憶を辿るように集中して折り方を思い出したそうだ。
そうなんだな。
在宅の時も、忘れたフリをして聞いて見ると、母が必死で思い出そうとしていたな。
今、足りないのは、そういうそっと寄り添い待ってあげる時間なのだなと思った。
お買い物も散歩も良いけれど寄り添い待つ時間も作らなければいけないと教えられた。

こういう質の高い介護をしてくださる施設への入居を見送ったのだ。
でも、大勢の人の中での介護だとこううまくは行かないだろうな。

やはり、私が関わることが暫くは必要だろう。

けれど、何故これまで、ここに連れてくる事を思いつかなかったのだろう。
施設への甘えと面倒と言う思いで見えなくなっていたのだろうな。
お天気を見ながら、また連れて来てみよう。


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