母のタイムスリップ日記
DiaryINDEX|past|will
先週、母の頭を撫でようとしたら、首を竦めた。 そういえば、Fさんも同じ日 頭を撫でようとしたら、首を竦めたなぁ。 Fさんは、妹さんと同室の時は、よく首を竦めていた。 妹さんが居なくなってから首を竦める事は、無くなっていたのに…。 どうしたのだろうか?
数年前、母がまだ、故郷と我が家を行ったり来たりしていた頃の事。 故郷から、我が家に来ると暫くは、頭を撫でようとするとよく首を竦めていた。暫く我が家で過ごしている内に、そんな事も無くなるのだった。 あの頃は、いろいろの話が出来たので、故郷での状況もよくわかって、首を竦める訳も判った。
でも、今は、経験を思い出して話す事は出来ない。 何かあったのだろうかと ちょっと気になっている。
今日の母は、首を竦める事は 無かった。
居室から外を眺めていた母は、窓の外に向かって「がんばれー」と声援を送っていた。「何だろう?」と思って外を見ると川沿いを中学生がトレーニングウェアで走っていた。もう、夏休みの筈だから部活でもしているのだろう。 「がんばっているねぇ」と言うと「暑いのにねぇ」と母は言った。
散歩に出た。 私は、利用者さんを訪問した足で、母の所に来たので昼食はまだで公園でお弁当を食べた。母も、少しお相伴をした。 昼食を済ませた母は「もう、何も入らない」と言っていた。 その言葉通り、あまりたくさんは食べなかった。
畑を眺めていると「不景気な葱だね」と言った。 見ると弱っている風の葱が在った。 「あれは何?」とトマトを指して聞いてみるが固有名詞が出てこなくて困った顔をしていた。ちょっとした拍子に忘れてしまうようである。 暫く歩いて居たら「プラタナスだ」と言った。 目の前には、ちゃんとプラタナスの木があった。
小一時間ほど散歩して施設に戻った。 面会ノートに記入して返しに行こうと思い「ちょっと入って来るね」と言うと 「すぐ来てね」と母は言う。「うん、すぐ戻るよ」というと安心していた。
ホールでは職員が花火の貼り絵をしようとみんなに声をかけていた。 でも、誰も手伝う人は居なかった。 母に「何か手伝ってほしいってよ」と伝えると「出来るかなぁ」とその場所に移動した。 最初は、紙をちぎり糊を付けて母に渡し張り場所を教えるとそこに上手に貼っていた。ちょっと、繰り返し職員さんにバトンタッチして、その場を離れて居室の整理をした。 その後、様子見に行ってみたら「ちゃんと形に合うようにちぎって貼っていますよ」と教えてくれた。 デイでも、貼り絵をやっていた。 「すごい集中力でやるんですよ」と言われた。 やっぱり、少し作業始めると勘を取り戻すんだなぁ。 「手先を動かすのが好きで良かったね。楽しめる窓口がいっぱいあって良かったね。」と思った。
作業に熱中しているので、そっと 施設を後にした。
|