母のタイムスリップ日記
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この所、母の夢をよく見る。 どんな夢だったかは覚えていないのだけれど、間違いなく夢の中に母がいる。 小さな事だが気になっている事が重なっているので夢を見るのだろう。 頭から離れないのである。 だから、体調もイマイチなのである。どんよりと重たい。身も心も。
母は、ホールで編み物をしていたので、安心してそのまま居室に入り整理をした。 再びホールに戻ってゆっくりと母の仕事振りを見たら…。 編んでいるとばかり思っていたのによーく見ると編み棒の先に糸をグルグル巻きにしていた。 それも半端な量ではない。ボンボンが作れる程である。 一体、どの位の時間こうやっていたのだろうか…。 「編めるの?」と聞くと「編めるよ」とグルグルまきの糸の間に編み棒を刺した。「…ダメダコリャ」
急ぎ、トイレ誘導して、家に向かった。 家では、歌集を母に渡した。 でも、母の選ぶ歌は 日本音階ばかりなのである。 母にしてみれば、あいうえお順にすぎないのだろうけれど…。 「仰げば尊し」「赤い靴」等である。 調子よく歌っているなあと思っていると寂のところで声を詰まらせて涙するのである。それも、よりによって歌い終えて次の歌でまた泣く。 「ちり紙頂戴」と幾度言われただろう。 しまいには「また泣くぞ」と合いの手を入れてしまった私。 母は「泣かない」と言いながらまた涙である。
向かい合わせに座って、母の歌を聞きながら編み物解いた。段違いで編み込んだりしているものだから簡単には行かず「トホホ」と言う感じだった。 それでも、一玉分を解き終えていつもより目を少なめにして、数段編んだ。 母が興味を示したので、バトンタッチ。 気持ちよさそうに また、編み始めた。 グルグル巻きにしてしまったのは、収集がつかなくなってやってしまったのかな?
一仕事して、入浴させようとトイレに誘導。「出ないよ」と言うのを「間」に受けて脱衣所で服を脱がせ始めると「モジモジ」「おしっこ?」「うん」 と言う訳で再びトイレへ。残念ながら間に合わず…。でも少しは用を足せた。どうも、タイミングが悪い。 入浴を済ませ、髪も乾かして水分補給をした。
帰路はバスターミナルまで歩く事にした。この所、足の付け根が痛むようで「痛い」「がんばる」の繰り返し。 気をそらしてあげようと歌ってみた。 ♪京の五条の橋の上、大の男の弁慶が 長い長刀振り上げて牛和歌めがけて切りかかる♪ 大きな交差点で信号待ちとなった。すると母は また 「モジモジ」 「しまった」歩く早さを読み間違えた。 バスターミナルまでは持つと思ったのに…。 トレーニングパンツを使用しているから漏れの心配はないけれど…気持ち悪いだろうなぁ。母が 一瞬 情けない表情をした。 全く、何やっているのだろう…。
施設に着いて トイレでパンツを替えている所に職員が見えた。 今の母は、夜間一人で起きてトイレに行くことがなくてオムツがびっしょりで全部着替える事になるので尿漏れぱっとを使用してよいかと言うことだった。 情けない事に「はい」と言ってしまった。 夜間の職員が少ないので申し訳ないと思うからである。 託している身である。もちろん、今 自力の排泄は とても難しい局面を迎えている事も承知しているからもある。 「排泄の感覚が鈍ってきて来ているのがわかるので、私と一緒のときはオムツ外して見ようと思っています」と伝えた。 職員は「こちらでも日中しましょうか?」と言ってくれたけど「面倒をおかけするので取り合えず私の時だけやって見ます」と伝えた。 「その事も含めて職員と話し合ってみます」と言っていた。
「もう、駄目なのかな?」とも思うけれど「勘」を取り戻せるのではないかとも思ってしまうのである。「子の欲目」なのかも知れないが…。
今、目の前に こんがらかった儘の糸がある。 私の心の中と同じである。
この所、小さな事だけれど捉え方の違いが重なってきている。 例えば先日の「室内履き」 先日訪ねた時、母は、スリッパを履いていた。「やっぱり、きつかったでしょうかね」と聞くと「いや、後ろのバンドがはめられなくて…」と言われた。 でも、やってみるとちゃんと出来た。 今日は、二人の職員さんが「靴擦れを起こしているようで…」と一緒に見えた。「でも、これは内履きを替える前から出ていますよ」と言うと「「きついと言われました」という。 別に異議を申し立てるつもり等なく合わないならやめようと思っているのだけれど…。職員にも悪気はないのだけれど…。 履きなれるまでは、少し時間もかかるだろうにと思う訳で、まだ一週間経ってないのですよ。
仕方ないので新しい室内履きを買い求めて履かせた。
私の許容量が小さいのだろう。 そんなこんなで、身も心もほんの少し重たい。
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