短いのはお好き?
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黄色いニュービートルに
乗り込む際
ブルガリのサングラスの女性が垣間見せた
はなからすべてを諦めているような投げやりな態度は
いぜん何度か本屋で見かけて手に取った
本の一葉のポートレート
少女の荒みきった眸を
なぜか思い出させた
底知れぬ哀しみを宿しているその眸は
誰かに似ている
そう
きみだ
ふとした視線の揺らめきのなかに
きみの心の奥深くに巣食う哀しみの鐘の音が
いままさにゆらりと立ち昇る
その瞬間を見てしまった
ぼくには
祈ることくらいしか
出来はしない
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