短いのはお好き? DiaryINDEX|past|will
きょうは、JRではない目黒駅の方からAce Studioという音楽スタジオの前を通って五反田方面に向って坂を下りてゆくつもりだった。 実際は、代官山が本番なのだけれど、はじめから見ず知らずの人に向かってカメラを構えるのは、いくらなんでもちょっと無理な話だから、軽くウォーミング・アップするというわけだ。 でも、逆にいきなり見ず知らずの訳のわからない人物にレンズを向けられた人たちは、どんな感じがするのだろう。 まぁ、ぼくの場合は何でも撮ると豪語しているのだけれど、恣意的ではなく「や」のつく職業(八百屋さんではなく)の人は避けている。 エース・スタジオの前には小さなベンチがあり、自販機も並んでいるので早くも一休みすることにする。 とにかく暑い。 ベンチに座って100%のオレンジ・ジュースをがぶ飲みしながら前を見ると、ビルの工事現場がそっくり見えていた。 時折、アーク溶接だろうか、青白い炎がそこかしこから光を放っている。その際に火花が散り落ちる様は、『零れ落ちるマグマ』というイメージではなくレトリックを想い起こさせた。 で、とりあえずそいつを一発シュートした。 ほどなく、ギターのソフトケースとか、スネアを抱えた連中がやって来たので早々に退散することにする。 何かいやな不協和音でも聴いたかのような、あからさまにトゲトゲしい視線を送ってくる奴がいて、考えてみるとここは、ミュージシャンの聖域であって、にわかエセカメラマンの来るような場所ではないということなのだろう。 EOS−1Nを肩に掛け直して、ぼくはまた坂を下りはじめる。
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