短いのはお好き? 
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2004年01月02日(金) 読書ニッキ ☆エレンディラ ガルシア・マルケス



というわけで、ひさしぶりにマジック・リアリズムを読んだわけですけれども、
個人的にいわゆる奇想につぐ奇想という手法? が創作上の悩みを解く
鍵になることを発見し快哉を叫んだのですた。



実に嘘八百をまことしやかに綴ってゆく手練手管は、凄いです。まさにマジック・リアリズムですが、マルケスのお話は全体的にエグいです。結構グロいともいえるでしょうか。ブラックなところもあるし、シニカルな部分もあります。



羽の生えた年寄りの天使であるとか、無呼吸のまま海底に潜ってゆくとか、
物凄くたくましく見たこともないほど美しい水死体とか、実際は生き返らせる
ことが出来るのに墓に埋葬してから、蘇らせ復讐をするとか、奇想が数珠繋ぎ
となっていますが、おしなべて『死』というものが常にテーマとしてあるような、
そんな気がしました。



表題作の『エレンディラ』は、れいのくそばばぁに腹が立ちまくりますが、
あのendingは、後味の悪さが残ってしまい今ひとつ好きになれませんでした。
ま、読んでいるときの体調や精神状態も読後感に大きな影響を及ぼすのかも
知れませんが、もう一度読みたいとは思わない作品でした。



エレンディラが、不幸な運命を受け入れて男たちと次から次へとまぐわってゆくのは、悲しいけれども致し方のないことでした。それで、とにかく彼女が自由を得るためには、鬼ばばぁを殺すしかなかったのですね。ミドリ色の血液を流す不死身とも思える鬼ばばぁは、その昔絶世の美女だったとのことでした。エレンディラもとても美形なようですが、やはりヒトのこころは弱いから、酷い仕打ちに捻じ曲がっていってしまうものなのではないでしょうか。



私もあれだけのことを強制されたならむろん、自由を求めてばーさんを殺したでしょうが、自ら手をくだしませんでしたが、鬼ババァを殺させたエレンディラもまた、鬼と化していたわけですね。やっぱ、鬼にならなければヒトを殺せはしないわけで…。で、心配なのは、その後の彼女のことなんです。ばーさんとおんなじようになってなければいいけれどと思うわけなんです。れいのオランダ人だかのジャニーズ系な美形の息子をまんまとそそのかし殺人を犯させてしまった、という顛末となってしまったのですから、彼女もまた人の心を踏みにじってしまうわけで、人権を蹂躙し自分の都合のいいように人を利用していたばーさんとなんら変わるところのない存在となっていまうというendingは、あんまりすがすがしくないです。晴れて自由になってふたり手に手をとって新天地をめざして出発する…とかじゃないのですから。







明けまして、おめでとうございます!
今年もよろしくお願いいたしやす!

私信:Poeさん。おかあさま、ご退院おめでとうございます!


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