映画のような恋愛をしよう 「映画みたいな恋愛がしたい。」 「その自慢のエロ面で、そこらの女でも引っ掛けて来い」 「…つめたいなあ…てかエロ面って…ひっど…」 「事実だろ…、ほら行けよ」 いつものように屋上で、二人して座り込んで煙草を吸って空を煽いでいると、これまたいつものように千石は色々と他愛のない話をしていた。 そしてまたいつものように亜久津はうんざりしながらも、適当に相槌を打っていた。 (…なんでこいつの話は女の話やら恋愛話やらそんなもんばっかりなんだ…) 「つーかさー…俺はあっくんひとすじなの!…でさ、やっぱり夢ぐらい見たいと思うんだよねー…俺ロマンチストだしー…折角『恋愛』してるんだからさぁ?」 「そういって女とっかえひっかえ騙してんのか。」 「……………恋人って関係に夢ぐらい見させてよ」 亜久津の冷めた態度に、千石は少し眉を潜めたが、すぐにニヤリと笑って彼の顎を手前に引く。 「雨の中で告白とか、キスとか、あー…屋上でセックスも悪く無いねぇ?」 「…………離せ。てめーのはどこまで本気だかわかんねー」 「嫌だよ。…亜久津関連は皆本気だよ。一番好きなのも本当。今キスしたいのも本当」 「………どうだか。」 「亜久津の為なら死ねるよ」 「……………………………じゃあ死んでみろよ」 「じゃあ死にまっす☆」 冗談半分で亜久津が言った瞬間、千石は手を離し、彼から離れた。 そしてそばのフェンスをよじ登り、屋上の縁に立った。 「!?」 「ばいばい。ね、俺が死んだら、俺が好きって言って泣いてよね。」 「おま…」 「じゃーねー☆」 ふっ、と千石の姿が消えた。 亜久津は慌ててフェンスに駆け寄り、千石の居た場所を見る。 その勢いでガシャッ、と嫌な金属音を立ててフェンスが揺れた。 そして 「……………なーんてね☆」 明るい千石の声が下からした。 ふちの下にもう一段、テラスというかベランダのような場所が広がっており、そこに千石は立っていた。 亜久津はそれをみて一瞬固まり、そして溜め息を吐いてそのままフェンスによりかかった。 「………殺人者になるかと思った…」 「あっははーーあっくんてば以外と小心者ーvかっわいーいv」 「…クソッ…てめぇ……」 「……ね、怖かった?俺が、死ぬと思って。どうだった?」 「………………知らねぇよ、そんな事。」 正直怖いと思ったのは事実だ。 だがそれは死ぬ、ということにでは無く、千石自身が。 あっけらかんと、笑いながら自分で死ぬ事なんていつ本当にやらかすかわからないような、そんなおかしい所をもつ彼だから、亜久津は怖かった。 「………ね、ちょっとまって、そこにいてよ」 「?」 しばらくして、千石はフェンスの向い側に登り、亜久津の指に自分の指をフェンス越しに絡ませた。そしてすこし下から見上げるように亜久津をみた。 「…………大丈夫、俺、死ぬ時は亜久津と一緒だから」 「…何言ってんだよ、ば」 言葉を遮るように、こんどは唇を重ねて、舌を少しだけ絡ませられた。 いつもの煙草の少し苦い味に、フェンスの鉄っぽい味が混ざった。 「………………阿呆か……ッ!」 顔を赤くして、右下に視線を落とす亜久津を見て、千石はいつものように楽しそうに笑った。 「なんだよ、映画見たいな恋愛、できるじゃん?」 +++ 何が映画みたいな恋愛なのかわからんのが痛い。 てか…初めて、ここで終ってしまった気が…(笑) いいや、これに加筆してUPしよう。 駄目だー日本語ってむずかしい…日本人の癖に…ぬぅ…。
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