またゴクアク。(ネタを放置するのはいいかげんにやめろ) 「亜久津、ダブルス組もう。」 「…は?」 部活も終り、着替え終えた亜久津が帰ろうと部室の扉をあけると、そこには千石が。 そして千石は目があった瞬間、いつものように訳の判らない事を言い出した。 「だから、今度の試合、俺らでダブルス組んで出よう!」 「………南とかいんだろーが」 「えー健ちゃん達はシングルスでも強いんだから今回はシングルスで出てもらおうよ」 「…つーか嫌だ」 すっかり嬉しそうに話す千石から、亜久津は視線を床に落として溜め息をつく。 溜め息をつかれた千石は不思議そうに亜久津を見て言う。 「何で」 「てめェこそ何でダブルスがいいんだよ」 「えー俺と、亜久津の愛なら負け無しかな?とか思ったから」 「愛なんてねーだろーが」 「まったまたぁ☆照れちゃって!」 「照れてねぇ!…つーかどけ、帰るんだからよぉ」 「亜久津がうんって言うまで退かないよ」 「は!?ふざけんなよテメェ…つーか俺に選択肢ねーじゃねぇか」 「えーだってこれは命令だもーん。ちなみに命令を無視するんだったら、ここで組み敷いちゃうよー?」 わざとらしく、亜久津の顔を覗き込みながら、千石はニヤリと笑みを浮かべた。 亜久津はこの千石の笑みが嫌いだ。 何故ならこんな笑いをする時の千石はやたらと悪知恵が働き、なんだかんだいって、亜久津は丸め込まれてしまうからだ。 「じゃあ俺は帰らず部室で寝る。」 頭痛が始まるのを感じ、顳かみを押さえながら亜久津は部室の扉を閉めた。 鍵もきちんとかけ、側のソファーに寝転ぶ。 向こう側で千石が騒いでいるのが五月蝿いが、気にしなければどうにかなる。それにすぐに飽きて帰るだろう。 「ちょっとあっくん!何してんのさ!ちょっとー!?あっくつー?」 扉を叩きながら、ドアノブをガチャガチャと回すが、亜久津が中から鍵を描けているので入れず、亜久津も反応を返さないので、そのうち千石は諦めてそこに座り込んだ。 扉に背を預け、本格的に暗くなってきた空を見上げる。 「……………………亜久津ー?」 そして間を置いて呼び掛けるも、返事は無い。 (あー…寝ちゃったのかなー彼奴、寝つき良いからなぁー…) 「……ねー亜久津、もしかして負けんのが怖い訳?」 その言葉が、寝転んでいた亜久津の耳に入った。 そしてすぐに扉が内側に開け放たれ、扉にもたれていた千石がバランスを崩して倒れ込むと、亜久津が思いきりその頭を踏み付けた。 「いった!ちょ…なにすんのさ!」 「うっせぇよ…つかてめェざけんじゃねーよ!誰が負けんだよ!誰が!」 「あああああー!ちょっ…タンマ!足、あげてよ!マジ痛いって!」 騒ぐ千石の頭から、ようやく足を上げた亜久津は、千石をまたいで外へ出て、帰ろうとした。 すると予想よりも早く起き上がった千石に腕を掴まれ、後ろに引っ張られる。 「ッ!」 急に変わる視界に、とっさに目をつぶった。 そしてそのまま亜久津は千石にかかえられるような形で倒れ込んでしまった。 「…あーもーなんでそう帰ろうとするかなぁー…せめて返事してからにしなよね」 「返事も何もあるかボケ!つか離せ、離れろ!」 「いやだよー折角こんなに可愛い亜久津が腕の中にいるのにー」 「ふざけんな!」 「ダブルスやるって言ったら解放してあげなくも無いよ」 「…絶対いわねーからな」 「じゃあ俺、好きにするよ。」 言ってすぐに、亜久津の耳たぶをぺろりと舐めそれから首筋へと唇を滑らせる。そしてその行為にびくりと反応すると、千石は楽しそうに首筋に息を吹き掛けた。 「…ッ千石…!」 「なーにー?ていうか早く帰らないと優希ちゃん心配するだろうねぇ…?」 「!…てめぇ…」 亜久津は、青筋を浮かべて千石を睨むも、まったくおびえる様子もなく絶えず笑いを浮かべられ、逆に君が悪くなって前を向いた。 このままだと、母親に文句は言われるわ、千石にはいいように遊ばれるわでデメリットしかないと思った亜久津は、半ばやけになって叫ぶように「ダブルスでもなんでもやってやろーじゃねーの!」と言った。 その答に千石は心底嬉しそうに笑って最悪な事を言った。 + 中途半端に終る。(うわぁ) いや、某知人に借りた庭球ゲームのフリーモード(でしたっけ?/死)で 二人のダブルスが見れる、と聞いた時に考え付いたネタ。 最近、千石だけでも極悪を連想できるあたり、頭おかしい気がする。今更きづいても手遅れだ。
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