2003年07月23日(水) |
○阪神1−0ヤクルト 阪神甲子園球場 |
控え組が多く名を列ねるスタメンに、閑散としたレフト・3塁アルプス。 試合開始直後は、まるで消化試合を思わせる雰囲気が漂っていた。 そしてずらーっと0が並ぶ「たこ焼き」状態。 昨季までに何度も見た光景だ。 それでも今季の阪神は勝ってしまう。 飛車角・金銀落ちとまでは言わないが、相手がベストメンバーである事を考えれば、明らかにハンデを付けた状態で戦ったのに、やはり勝ってしまう。 こうなると、どういう形になっても勝つような気さえしてくる。
偶には、こんな試合もいいだろう。 これは、普段観慣れている人が思う事。 殆どの人が、年に数回しか甲子園に足を運ばない事を考えると、今日の試合だけを観た人には、少し物足らない感じがあったのではないか。
中心選手がベンチを温める中、7回裏に登場のチャンスがやってきたが、中村豊と野口に託し、好機を逸した。 この2人は、守備では仕事をしたと言えるが、やはり打撃に関しては、レギュラー組に一日の長ありという印象を与えた。
そして延長へ。 11回、サヨナラ劇のお膳立てをした浅井は、最高の仕事をした。 粘りに粘って、中前安打で出塁。 相手投手には堪らない出塁の仕方である。 やはり矢野の後継者は、この男か。。
サヨナラ打は、イレギュラーしたゴロが内野を抜けたものだったが、追い込まれてから強い打球を放った沖原の勝利である。 見事な打撃だったと言える。 今季の沖原は凄い。 控えに甘んじながら、出れば必ずと言っていい程、仕事をする。 良い状態を保つ事が難しい立場での活躍は、賞賛に値する。
今日のダメ男は、金本だな。 初回にお見合いで二塁打にしてしまうし、安打処理を誤って二進もさせてしまった。 汚名返上の機会が11回に訪れたが、自分の形を作る事なく三振と、正に最悪の日だった。
勝ちが付かないのにお立ち台に上がった久保田は、悪いイメージを払拭した。 球威も然る事ながら、粘投した事が今後に生きるだろう。 いつものライトからの観戦なので、細かい配球等は判らないが、野口のリードもよかったのだろう。 この日の野口起用は、矢野を休ませる意味とともに、久保田の活用法を見出す意図があったのではないか。 広島戦だけとはいえ、矢野とのコンビで手痛い一発(或いは集中打)を浴びた事に、違う観点でのリードを野口に託したのではないかと推測する。 もしこれが本当だとしたら、この日の野口起用は大正解だ。
色んな駒を持った阪神は、どのような展開になっても戦える。 それを証明した一夜であった。
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