| 2004年03月31日(水) |
あやうく悪夢が現実に |
う〜む。この試合(サッカーアジア地区1次予選、シンガポールvs日本)を見ても、まだジーコ代表監督でいいと思っている人は、よほど変わったサッカー趣味をお持ちの方か、あるいは、ジーコブランド(神様)信者のどちらか。前者は、失礼ながら、マゾ気が強すぎて私とは趣味が合わない。後者は、宗教的な問題なのでなんともいえない、信仰の自由は憲法が保障するところなので。 試合経過については省略。昨日の私のコラム(予想)を読んでくれれば、シンガポール戦の展開がすべて書いてある。それくらい予想できたことが現実化したのに、ジーコ監督は対処しなかった。ところで、きのうのコラムで書いたシンガポール代表の帰化選手の情報が間違っていた。お詫びして訂正する。 さて、交代で入った藤田が決勝点を入れたから、ジーコ監督の選手起用が当たったなんて、日本のスポーツマスコミさん、間違っても書かないでほしい。それどころではない。TV解説のE氏が強い語調で非難していたけれど、苦戦を招いた原因は、ジーコ監督の選手起用法の誤りに起因している。コンディションの悪い海外組をひっぱって相手に走り負け競り負け、しかも、前半で決定機を外せば、どんなに実力の差があろうと、苦戦するのは当たり前。 さらに言えば、ジーコ監督が固執する4−4−2にも問題がある。SBがサイド攻撃をしないから、後に人が余りすぎで、前の攻撃に人がまわらない。引いているシンガポールに対して、4バック、2ボランチがいるのかどうか。3バックにしてスペースを広げ、速いサイドハーフを入れて勝負するとか、3トップ、1ボランチにするとか――ジーコ監督には、ベンチワークというものがない。予見というものがない。 危うく勝点3を拾ったけれど、こんな調子では、一次予選も突破できないかもしれない。改めて確認するが、日本はグループでシードされた立場なのだ。FIFAランキングでシンガポールは100位以下。次に対戦するインドは、140位程度なのだ。 この試合もどうにか勝った。前の試合もどうにかだった。1次予選で、内容の悪い辛勝、辛勝が2試合続けば、いくらなんでも、いまの代表監督の更迭を考えていいし、ここで手を打たなければ、その時期を失する。ジーコ監督が一日でも早く辞表を提出してくれることを祈る。 でないと、一次予選敗退の悪夢がだんだん現実になってくるような…
| 2004年03月30日(火) |
シンガポール戦を予想する |
あす31日、W杯アジア地区の一次予選・シンガポールvs日本(シンガポール・ホーム)が開催される。現地の気温は、日中30度超、日が暮れても25度前後と日本との差は大きい。おまけに湿度が高く雨との予報もある。日本代表には厳しい気候だ。日本は、ホームのオマーン戦で苦戦しただけに、FIFAランキングでは100位以下のシンガポールといえども油断は禁物だ。 シンガポールの作戦は、おそらく、自陣に引いて守りを固めるものと思われる。シンガポール代表の特徴は東南アジアのサッカー事情を知らないのでよくわからないのだが、報道によると、3人の帰化選手がいるらしい。1人は、クロアチア出身のミルコ(FW)、年齢は30歳を超えている。そして、同じくFWのナイジェリア出身のカスミル。カスミルは20歳だという。もう1人はブラジル出身のエグマル。この3人にシンガポール人のナズリが加わって、4人でチームの主力を構成するものと思われる。 要警戒は、なんといっても、シンガポールの「秘密兵器」と呼ばれる、カスミルだろう。若い選手なので、試合中、なんらかのきっかけで爆発する可能性があるし、もちろんその逆もあるわけで、日本守備陣が序盤に押さえきれば試合途中で自信喪失――なんて事態も起こり得る。 シンガポールの守りは、体力的に見て、先のオマーンよりは劣る。高さもないし当たりも弱い。日本が圧倒的に優位だが、日本が苦戦するとしたら、コンディションの上がらない海外組のMF(中田、小野、中村、稲本)が、シンガポールの選手に走り負けること。海外組MFがもたもたしているうち、先述した、カスミルあたりにボールを奪われ、ゴール前に迫られ、シュートを打たれる場面をつくると危ない。シュートが日本のDFに当ってコースが変わり、GKが反応できないといった「事故」もあり得る。 もう一つ警戒すべきは、やはり、過労気味の海外組のFW陣(高原、鈴木、柳沢)が決定的場面でゴールを外し、時間が迫ってきて日本選手に焦りが生じる場面だ。アウエーだから大事に行こう、点を取られなければいいや、とボールポゼッションにこだわって勝負を避けると、日本が悪夢の引き分けを体験する可能性もある。 勝利への近道は、コンディションのいい選手をスタメンで起用することだ。彼らが積極的に勝負して、相手を混乱させれば、シンガポールの守備は崩れるしチャンスが広がる。日本がキープにこだわりスローな展開になればなるほど、ホームのシンガポールが有利になる。 日本がパワープレーを選択するつもりなら、先発でポストプレーのうまい鈴木、スピードのある大久保の2人の起用が合理的だが、大久保は代表から外れているので、おそらく、もう1人のFWは柳沢か高原だが、この2人が鈴木のポストプレーに反応できるかどうかが勝負の分かれ目になる。 シンガポールは、日本が5−0くらいで勝てる相手だが、くりかえすが、アジアのレベルは上がっている。帰化選手に引っ張られてシンガポール人選手が日本代表に厳しく行くと、フィットネスに問題がある、海外組がミスをする場面も起こり得る。 さはさりながら、日本がミスをしない限り、日本の勝利はかたいところだ。
| 2004年03月28日(日) |
プロ野球順位予想〜「オレ流」が優勝だ |
●パリーグ順位予想は無意味 あれあれと思うほど盛り上がらない開幕だ、プロ野球のパリーグのこと。きのう、テレビのチャンネルを回していたら、やたら、オープン戦の中継が多いので変だなーとは思っていたのだが、公式戦の中継だったのだ。 今年のプロ野球、とりわけ、パリーグは、プレーオフ制度導入、日ハムの札幌移転、元大リーガー・新庄の日ハム復帰、韓国のホームランキング・李のロッテ入団、バレンタイン監督のロッテ復帰…という話題があったにもかかわらず、公式戦開幕に対する人々の関心は低い。 パリーグは、6球団中2球団が米国人の監督で、フランチャイズは北から、札幌―埼玉―千葉―大阪ー神戸ー福岡と分散した。さらに、先述したように、派手な新庄選手の加入もあるなど、読売一極主義のセリーグよりはまともだと思われるものの、近鉄ローズの読売移籍など人材流出に歯止めがかからず、マイナー化が進捗しているのが現実だ。 話題づくりで導入したプレーオフ制度も、リーグ戦の「中抜き」(プレーオフだけ見る)を加速する意味で、マイナスに働くだろう。そもそも3位まで残れば優勝の可能性があるのならば、無理して首位に立つ必要がないわけで、しかも、6球団中の3位が優勝をさらうような状況が続けば、リーグ戦の意味が失われる。 さらに、ダラダラ公式戦で生まれた記録が、過去努力して築き上げた偉大な選手の記録を上回るようなことがあれば、記録に傷をつけるようなことになる。パリーグがなぜ、このような制度を導入したのか理由がわからないが、ともかく、いまとなってはもう、救いようがない。 というわけで、パリーグの順位予想は、それを行う意味がないので、省略する。せいぜい、優勝チームはどこかということになるのだろうが、ダイエーで決まりだろう。
●セリーグは中日?? 混戦が予想される。選手の年俸でみれば、読売がダントツのトップだが、抑え不在が解消されず、中継ぎの補強もない。近鉄に出ていた三沢が戻ったが、負けゲームの中継ぎがせいぜいで、セットアッパーは岡島だけ。シコースキー、河原がストッパー候補というのだから、不安だらけ。しかも、先発陣のベテラン工藤、桑田は、昨シーズンをもって終わったことが明らかになったし、まともなのは、上原、林だけ。高橋・木佐貫を先発に挙げる人は多いが、私はまったくこの2人を買っていない。このチームを首位と予想することは難しい。そもそも、読売の弱点が投手力にあることは昨シーズン明らかだったはずなのに、まともな補強をしなかった。先発が足りないのに、日ハムに入来をトレードにするなど、支離滅裂だ。 攻撃陣は、清原(西武)、ローズ(近鉄)、江藤(広島)、小久保(ダイエー)、ペタジーニ(ヤクルト)に高橋由(読売)と、12球団中半数の4番打者を集めている。加えて、清水、仁志、阿部、元木らが脇を固める。読売の戦略は将棋。つまり、相手の主力を奪って手駒にして、相手に使わせないのだ。だから、手駒が活躍しようがしまいが、かまわない。主力の取り方がカネとくれば、カネまみれの頽廃だ。 読売だけには優勝してもらいたくない、というのが普通のプロ野球ファンの心情だろう。ならば、阪神、ヤクルトとなるのだが、どちらも決め手に欠く。広島、横浜は戦力面からAクラスがやっとだろう。 となれば、心情的にも、「オレ流」落合中日に優勝してほしい。「オレ流」こそ、「アンチ巨人」の象徴ではないか。 文句たらたらの末のセリーグ順位予想は、以下のとおり。 �|翔�、�▲筌�ルト、��阪神、�て蒜筺↓ス�島、�ΣI�
| 2004年03月27日(土) |
オーバーエイジ(OA) |
サッカー五輪代表チームは、基本的には23歳以下という年齢制限があるが、本番では3人のOA選手が認められる。このOA枠をいかに使うかは、ただ単に、チームに助っ人を加えるというほど簡単なことではない。OA枠の活用とは、五輪代表チームを土台にしてW杯出場チームをつくっていくのか、あるいは、あくまでも現状のフル代表が土台なのか――という代表のあり方の戦略的選択を意味していると言える。 なぜ五輪代表がフル代表の母体になり得るのか。このことは、ただただ、モチベーションの問題なのだ。五輪という目標を達成した選手は、次はW杯出場という、極めてリニアな目標をもっている。前にも書いたように、一度、W杯に出た選手と、それを目標にする選手とでは、モチベーションに大きな差がある。もちろん、それを目標にしている選手の方が戦闘意欲が高いに決まっている。この高いモチベーションを利用しない手はない。 さて、五輪チームの弱点を挙げれば、GK、トップ下、トゥーリオが離脱したリベロ(3バックの真ん中)ということになる。左サイドにスピードのあるウイングタイプの選手がいてもいいが、森崎もいい選手。3人という枠を考えれば、GKに楢崎、トップ下に小野あるいは中田、そして、センターバックに宮本を入れれば、安定したセンターラインが構築され、五輪代表はいいチームになる。しかし、この人選は常識的すぎて、まったく魅力がない。特に、予選東京ラウンド、セットプレーで活躍した阿部のポジションがなくなるので、阿部の将来を考えると選択しにくい。私は、阿部をCBで使い続けてみたい。 ところで、ここで反転させて、五輪チームを土台にしてフル代表をつくってみると仮定しよう。五輪代表選手がこの先、どこまで成長していくのか楽しみではあるが、現状のフル代表と比べると、差があることは明らかだ。しかし、ポジションによってそうでもない部分もある。たとえばFWだ。柳沢、高原、鈴木、久保のフル代表FWと、五輪チームの田中、平山、大久保、高松との比較になるが、W杯のFW枠を4人とするならば、五輪組の方が魅力的だ。とりわけ、柳沢、高原、鈴木の海外組は、賞味期限切れ。 「黄金の中盤」と呼ばれるMFはどうか。一般的には、フル代表と五輪代表との力の差は歴然と思われる。両者にシステムの違いがあり、単純比較は噛み合わないものの、フル代表を3−5−2に置き換えて考えてみよう。フル代表のトップ下=中田、小野と、五輪代表=松井、山瀬では、フル代表の方が力は上だ。サイドハーフの左の三都主と森崎では三都主、右は山田より石川…ボランチの今野は、稲本、遠藤、福西…よりは期待できる。もっとも小野が下がれば、小野は抜けない…などなど。いずれにしても、両者をミックスさせて、今後の代表チームを考える余地は十二分にあるわけで、少なくとも、某代表監督のように、現段階で「固定メンバー」などと寝言を言う暇はないはず。 あれやこれや考えると、いまのところ、五輪チームを基本にしてフル代表を考えることは難しいが、フル代表の海外組の何人かを削って、若い上昇期にある選手に入れ替える余地は十二分にある。 ただ、五輪〜フルを分断しているいまの山本〜ジーコ体制は、両者を統括してみていたトルシエ体制よりは、合理性に欠ける。このことが円滑な選手の交流を妨げている。五輪を境に、代表チームを変革しなければいけない。
サッカー日本代表の数人の選手が、キャパクラ騒動でシンガポール戦のメンバーから外された。合宿から抜け出してキャパクラに出向くとは、プロのサッカー選手としてはいただけないが、処分を下したジーコ監督が、規律違反というから笑わせる。ジーコ監督が代表チームにとって大事な時期に、リオのカーニバルを見に帰国したことは有名な話だ。しかも、今回処分された大久保は、五輪代表として大事なUAE戦にちゃっかり出場しているのだから、話にならない。こんな処分など、だれも信用していない。相手がシンガポールだから楽勝だろう、逆風のなか、ここらで監督としての存在感を世の中に示したかったのか。ジーコはサッカーの監督よりも、政治家のほうが向いているようだ。 サッカーに求められる規律とは、サッカーの戦術上のものであって、相手と戦うための約束事であることはいうまでもない。規律に違反すれば試合を失うか、その確率が高まる。合宿中、選手が夜中にどこかに行って、健康管理を怠ることも、規律違反。あってはならないことだろう。サッカーはチームプレイだから、選手間のコミュニケーションは重要だし、勝手な行動は許されない。ならば、それに違反した選手全員に等しい処分を言い渡さなければ意味がない。 ところが、大久保を外してUAE戦に負ければ、ジーコの処分は意味がないどころか、大きな非難を浴びただろう。それが恐くて、大久保はフル代表とU23という違いを利用してUAE戦に出場させ、彼は大活躍して、日本をアテネに連れて行った。皮肉なものだ。 スポーツにダブルスタンダードがあることは間違っている。よくよく考えてみれば、今回のいい加減な処分のほうがキャパクラ事件よりも重大な問題をはらんでいる。処分された選手、処分されずに五輪(U23)に出た大久保(彼はフル代表からは外されたが)の相反した処置をどう説明するのか。こういう処分を、日本ではパフォーマンスと呼ぶ。処分された側には同情が、処分した側には、不信が集中する。 私は、キャパクラ事件の処分をシンガポール戦出場停止という形で示したジーコ監督の決断は間違っている、と思う。大久保をU23で出場させてしまったところで、ほかの選手も同じように出場機会を与えるべきだった。大久保を含め、全選手に同じ処罰をくだすべきだった。処罰の内容についてはわからない。たとえば、罰金とかボランティア活動とかが思い浮かぶ。特に後者はスポーツ選手という立場からして、また、規律違反に対する反省を表する意味からして、適っているように思う。 シンガポール戦、日本はおそらく、勝つだろう。でも、私はこの勝利を素直に喜ばないだろう。ジーコ監督の打つ手は矛盾が多すぎる。相手がシンガポールでなく強豪の韓国やイランだったら、今回の処分が下せたのか、W杯出場がかかった試合だったらどうなのか――そこに疑問が残るからだ。
| 2004年03月18日(木) |
おめでとうございます。 |
日本(U23)代表、五輪アジア地区予選突破、おめでとうございます。これまでいろいろと批判を重ねてきましたが、この結果を貶めるようなことはきょうは、書きません。 とはいえ、反省点・課題は多かった。きょうはおめでたい日なので、Y監督批判や戦術には触れずに、日本サッカーの実力の認識について書く。このことは、日本サッカーを取り巻く最大の勘違いの1つであり、選手や監督というよりも、日本サッカージャーナリズムと一部サポーターが抱える、きわめて深刻な問題の1つだ。 「日本サッカーは世界レベル」という思い込みを訂正しなければいけない。何度も書くことだけれど、日本のFIFAランキングはバブル。ホームのフレンドリーマッチで積み上げたポイントが、日本のランキングを押し上げていく。フレンドリーマッチの「快勝」は、文字通りサポーターにとって快いものだが、相手のモチベーション、コンディションを考慮すると、あまり喜べない。日本の実力を計る指標は、真剣勝負だけだと考えてほしい。タイトルがかかった大会、五輪、W杯等の予選、もちろん、それらの本戦である。 本番でどれだけ勝てたのか――今回のアジア予選だが、日本が属したグループ(UAE、レバノン、バーレーン)に、韓国、イラン、サウジアラビアのどこかが入ったとしたら、結果は大きく変わった可能性がある。日本の実力は、アジアの10位以内と考えたほうが自然だろう。日本はアジアで勝ち続けられる実力をまず、つけるべきだ。日本サッカーの目標はアジアのトップくらいでちょうどいい。 こうした認識の訂正は、U23というよりも、フル代表に向けたい。いまのフル代表は、コンフェデ、東アジアの2つの公式戦で結果を出していない。とりわけホームの東アジアで勝てなかったことは大きな不安材料だ。2月、W杯予選オマーン戦(ホーム)の苦戦も記憶に新しい。2大会、1予選が日本代表のリアルな戦績であり、いずれも芳しくない。 U23の苦戦を踏まえるならば、日本(フル)代表はおそらく、この先U23代表以上の試練が待っていると考えられる。「海外組」という選手の実力指標は、ジャパンマネー・広告塔といった経済的価値を差し引いてみると、実力があるのは、中田・小野の2人だけ、という状況は変わっていない。 04年の目標の1つは五輪予選突破だったが、それは達成された。もう1つの目標は、W杯予選を勝ち進むこと。それには、対戦相手を分析し、優れた戦術を編み出せる頭脳を用意しなければいけない。バーレーンが日本を研究したように…
| 2004年03月17日(水) |
U23とは、魔物の棲む世界か |
五輪アジア予選・東京ラウンドにおいても、日本(U23)代表の厳しい戦いが続いている。年齢制限(U23)を設けたチーム同士の戦いでは、力の差が出てこないのだろうか。日本のU23はまるで、魔物にでも魅入られたかのように、自分たちのサッカーができていない。 バーレーン、UAE、レバノンは国の代表であることはいうまでもないが、いずれも小国で、人口を指標にするならば、日本の地方都市程度のスケールにすぎない。たとえば、新潟市、岡山市くらいの地域代表が日本代表と戦っているようなものだ。私は中東サッカー事情に全く暗いが、この3国には欧州・南米・日本のようなプロチーム〜下部組織をもったクラブがあるとは聞いていない。推測だが、この3国のサッカー協会の事業規模は、日本サッカー協会の何十分の1にも満たないのではないか。 昨日、日本を苦しめたレバノンの監督は、“自分達のチームは20日間の準備しかしてこなかったが、2年も準備をしてきた日本とほぼ、互角だった”というような発言をして、日本を皮肉った。 思えばU23日本代表は、2年以上の歳月をかけ、強化のための国際試合を行い、数回の代表合宿を行うなどの準備をしてきた。かなり周到な準備をしてきたとはいえても、準備不足とはとてもいえない。準備面では、日本は中東の小国を大きく上回っているにもかかわらず、試合は白熱した。試合内容を見る限り、どちらが人口1億人を擁する大国だかわからない。 日本選手の運動能力が先天的にサッカーに向いていない、と結論づける根拠はない。中東3国と比較するならば、身長において日本は他の3国より高く、おそらく、体力的差異はないだろう。 もっとも、サッカーは実力が上であるから常に勝つとは限らない。勝負事はすべて、やってみなければわからないのであって、サッカーはとりわけ、その傾向が強い。順当な勝ちもあれば、番狂わせもあり、アンラッキーな引き分けもある。“運も実力のうち”といえることもしばしばだ。 前に書いたことがあるが、私の知る限り最大の番狂わせは、アトランタ五輪において、日本がブラジルを破った一戦だろう。五輪であるから、U23代表に数人のオーバーエイジをプラスしたもので、フル代表ではなかった。 あの試合、ブラジルが終始ゲームを支配したがシュートが決まらず、日本が偶然のような1点を取り、逃げ切った。たまたま日本人の記憶に残る試合が「マイアミの奇跡」と呼ばれるブラジル戦なのであって、世界中には、それこそ数え切れないほどの「番狂わせ」があるに違いない。 だから、サッカーでは、どんなに強いチームでも、負けを覚悟しておく必要がある。運に見放された結果の負けを恥じることはない。でも、敗北の責任はだれかが負わなければいけない。通常、その役は監督ということになる。 代表監督とは、世界で最も過酷な労働の1つかもしれない。
| 2004年03月15日(月) |
FIFAランキングとは? |
日本(U23)代表の苦戦が続いている五輪アジア予選だが、これを機に、FIFAランキングについて――このことは再三再四私が指摘していることだが――よく考えてほしい。いま戦っている中東の国々のランキングはバーレーン64位、UAE77位、レバノン112位で、日本が28位と抜群だ。この数字が本当ならば、日本がこんなに苦しむはずがない。日本28位、しかも日韓W杯ではベスト16。U23とはいえ、28位の実力をもってするならば、64位のバーレーンに負けるはずがない。しかし、試合を見た人ならば、その差が28位〜64位も離れているとは見えなかっただろう。まずもって、日本のランキングはバブルである。 一方、予選開始前、日本は抽選に恵まれたと言われた。私もそれは間違っていないと思う。もちろん、日本のランキングはバブルだが、それでも、日本は他の3国よりは実力がある。 ところで、ジーコ氏が日本代表の監督に就任したとき、氏は日本選手は世界の上位レベルだといい、日本がさらに上を目指すには(FIFAランキング20位〜10位の間くらいか)、個人の創造性を尊重すべきだと言った。それを受けて、日本のスポーツマスコミは組織から個人だと唱和した。だが、世界上位にあるはずの日本サッカーは、64位に1敗1分、77位に苦しめられ辛勝した。この結果をどう総括したらいいのか。 バーレーンが日本に勝った理由は、戦術の勝利であって、個人の創造性とやらではない。バーレーンは守備を固めて日本の速攻を封じ、日本のロングボールを愚直に跳ね返した。ボール支配(ポゼッション)にこだわらず、カウンター攻撃があるぞあるぞ、と見せかけ、日本に脅威を与え続けた。これはバーレーンの仕掛けた巧妙な罠である。日本がリスクを回避し、幻のカウンター攻撃に怯えているあいだ、バーレーンは日本から試合のペースを奪ってしまったのだ。 引いてスペースを与えず、「カウンター」という巧妙な心理作戦を仕掛けて、日本を追い込んだ。日本はそれにはまり、攻撃を仕掛けることができなかった。先述したことだが、私はY監督は勝負師ではないと思っている。Jリーグの監督を経験したことがないから、勝負の経験がないのは当然のことなのだ。 つまり、日本の苦戦の第一の要因は、戦術・作戦面にある。相手の分析ができていないのだ。それは、戦前・戦中の両局面で見られる。第二は、戦う姿勢の問題だ。サッカーは勝負。だから、怯えずに勇気をもって仕掛ければ、日本に勝機が開けた可能性もあった。もちろん、それで得点されるかもしれない。だが、大事に大事にというY監督の弱気が、あんな惨めな敗戦につながったのだ。負けることは恥ではないし、負けを恐れてはいけない。たとえ負けたとしても、何も仕掛けず、偶然のような相手の得点に屈することのほうが恥じである。Y監督がバーレーンに怯えたとき、日本の負けは決まったようなものだ。速攻だろうがカウンターだろうが、受けてやる、日本だって守備陣がいるのだから防御は任せて、攻撃陣は正面からでもサイドからでも勝負してやるぞ、というガッツを見せれば、もっといい試合ができたと思う。勝負から逃げれば、勝利の女神は逃げていくものだ。
五輪アジア予選東京ラウンドがスタート。UAEがレバノンと引き分け、日本がバーレーンに敗れるという波乱の幕開けとなった。 ●UAE、またまた自滅 五輪アジア予選日本ラウンド初戦、日本のライバルと目されていたUAEがレバノンと引分けた(2−2)。実力からみて、UAEの勝ちは順当と思われていただけに、誠に意外な結果だといえる。日本にとって、きわめて、有利な展開となったが…。UAEが引分けに終わった主因は、ジョダールUAE監督が主力のマタルを前半温存したことだ。レバノンが前半とばしてUAEを圧倒、フリーキックからのチャンスを2度、得点に結びつけた。UAEの守備の甘さも目だったが、やはり、ジョダール監督がレバノンを舐めたことが引分けた最大の要因だろう。 この五輪予選、日本にツキがあった。繰り返しになるが、▽予選グループで対戦相手に恵まれたこと、▽UAEと日本での集中開催(予選6試合の半分をホームで戦えることは幸運以外の何ものでもない)、▽日本が調子の上がらないUAEラウンドにおいて、バーレーンに負けなかったこと、▽同じくUAE戦では、UAEが有利にゲームを進めたにもかかわらず、UAEのたびたびのシュートミスに救われたこと、そして、東京ラウンドでは、▽ジョダール監督が選手起用を誤って、初戦のレバノン戦、引分けに終わったこと――が挙げられる。UAEラウンドにおいて、田中(達)はじめ選手ががんばったことはもちろんだが、私には「神風」が吹き続けているとしか思えない。「神風」がこの先の日本ラウンド中、吹き続けるのだろうか。このあとの日本vsバーレーンで、その答えが出た。 ●「神風」吹かず 日本は負けた。バーレーンには負けるべくして負けたというべきだ。日本の試合内容は、UAEラウンドよりはよかったが、ゴールは遠かった。実力は日本のほうが上だとは思うが、バーレーンには日本にない厳しさがあった。試合は両者決定力に欠けるなか、日本のファウルでバーレーンがフリーキックを得た。そのフリーキックの跳ね返りがチャンスボールとなって、バーレーンの攻撃の選手の前にこぼれた。これまで日本の側に吹いていた風が、相手に渡った瞬間だ。日本にはすでに反撃の力が残っていない。 日本のダメージはこの試合の敗北だけにとどまらない。守りの中心選手の一人、トゥーリオが肉離れ(?)で故障して、残り2試合出場できない模様だ。 日本のバーレーン対策は不十分だった。UAEラウンドでの苦戦の経験がまったく、いかされていなかった。試合の大半、日本は、センターラインより後方に引いて守るバーレーンに対し、ロングボールを蹴りこんだ。しかし、効果は薄かった。この戦術が間違っていることは、すでに書いた。そして、そのとおりの結果が出た。日本は、効果の出ないロングボールを使い続け、ついに攻撃のバランスを崩した。というのも、再三指摘してきたように、(U23)日本代表の最大の欠点はトップ下にある。この試合の先発は前田だが、パワー不足は明らか。前田の弱点はトップ下にもかかわらず、キープ力がないこと。前田からボールがでてこないから、田中(達)が下がってボールをもらいにくるので、前線が手薄になって、シュートチャンスが生まれない。それだけではない。ロングボールというイージーな手段に頼ってきたため、相手と競り合ってチャンスをつくる攻撃の構築力を失った。中盤でバーレーンがプレスをかけてこないので、日本選手はボールキープすると、楽をして後方に回し、そこから、ロングボールを蹴りこんで相手に奪われる。このパターンを繰り返した。ロングボールが攻撃のバランスを崩したばかりか、戦う姿勢、無理をして局面を切り開くパワーを殺いでしまった。 いまさら言っても仕方がないが、山瀬、前田、松井の3人の併用といえば聞こえはいいが、Y監督はトップ下を育てられなかったわけで、名将でもなんでもない。これまで吹き続けた「神風」も止み、ついに、日本の「実力」が出てしまったわけだ。 日本ラウンド初戦の思わぬ展開で、日本、UAE、バーレーンが勝点7で並んだ。あさって戦うレバノンが、第一試合でUAEと引き分け、調子に乗った可能性もある。これで、日本は第二戦も息が抜けなくなった。日本は残された2試合、勝点1で終わる可能性も出てきた。UAEが調子を落としているなか、ひょっとすると、バーレーンがアテネ行きの切符を手にする可能性も低くなくなった。
| 2004年03月13日(土) |
和製ロナウド―Jリーグ開幕― |
Jリーグが開幕した。今シーズンは話題が多い。たとえば、清水の三都主が巨額の移籍金で浦和に移ったし、経営母体が変わった神戸は、トルコ代表のイルハンを入団させた。秋田(鹿島)、中西(市原)といったフランスW杯出場のベテラン中心選手がそれぞれ名古屋、横浜の新天地へ移籍した。新旧交代、新戦力補強、新外国人選手加入、そして、五輪代表予選、W杯予選による主力選手不在を控え組がどう補うかなど、新監督の手腕を含め、見所満載といえる。 さて、きょうの開幕の注目試合はなんといっても、横浜vs浦和だ。昨年の覇者横浜は久保・アンジョンファンの日韓2トップをそろえてきたし、一方の浦和はこれ以上できないというくらいの選手補強をして今シーズンに臨んできた。浦和の監督はドイツ代表で、代表引退後浦和でプレーしたブッフバルトだ。ブッフバルトは、移籍してきた三都主をFWで使ってきた。エメルソンがワントップ気味だが、右に永井、左に三都主の3トップ(FWのレギュラー・田中は五輪予選で不出場)。ジーコジャパンで左SBにコンバートされ精彩を欠く三都主だが、やはり彼の魅力はゴール近くでの躍動にある。ブッフバルトはジーコに三都主の使い方を警告したかったのか。でも、ブッフバルトに限らずとも、三都主がSBに不向きなのは明らかだ。三都主はロベルトカルロス(ブラジル代表の世界最強の左SB/レアルマドリード所属)ではない。私はSBは専門職だと思っている。Jリーグで最強の左SBといえば、横浜のドゥトラだが、彼はブラジル人でロベルトカルロスに体型が似ている。強い守備とスピードのある上がり、正確なクロスが蹴れて、しかも、スタミナがある。日本人で左右のSBができる選手は少ない。そのため、Jリーグのクラブの多くは3バックを採用している。4バックをやりたくてもできないのが現実なのだ。ちなみに、右SBだと、やはり、横浜の田中(隼)が成長株の一人。横浜は、Jリーグで数少ない4−4−2のシステムが組めるクラブだ。 肝心の試合結果は、アンジョンファン(横浜)、エメルソン(浦和)が高い個人技でそれぞれ得点を上げ、引分けた。 もう1つの見所は、磐田vs東京Vだ。この試合、東京Vの森本は15歳(中学生)で、Jリーグ史上最年少出場を果たした。彼は身長180�僉�体重71�舛汎押垢箸靴紳粒覆了�ち主。しかも、身のこなしが軽くパワーもある。風貌は和製ロナウドといった感じ。得点の雰囲気があり期待できる。アルディレス監督の指導の下、大きく育ってほしい。森本のほうが話題の平山よりも素材としては上だろう。 TV放映された数試合の開幕戦を見た限りでの印象だが、まだまだ、チームのコンディションは上がっていない。コンビネーションが悪いし、戦術の徹底も不十分。フィジカル面でも、たとえば、前半押し捲ったFC東京が後半息切れして、新潟に追いつめらるシーンもあったし、前半リードしたセレッソ大阪が後半、名古屋に逆転されている。攻撃サッカー、速攻、プレスといった戦術傾向を否定しないが、スタミナ配分、ペース配分も必要だ。試合開始から動き回るだけではサッカーにならない。動きの質を高めてほしい。
| 2004年03月11日(木) |
健康管理に問題はないのか |
不思議だ、こんな話は聞いたことがない。UAEで開催された五輪アジア地区予選を戦った五輪日本代表(U23)が、遠征中、下痢・発熱に悩まされ、帰国後も数人の選手が回復しないという。一般の人が海外旅行に行くとき、「水に気をつけろ」は常識だが、まさか、水道水を飲んだわけでもあるまい。 遠征先のUAEといえば、私は行ったことがないが、駐在した友人の話によると、中東のなかで一、二を争う近代国家で、アラブの富豪が豪遊するリゾート地の1つとのこと。戒律の厳しいイスラム圏にあって、UAEは彼らの息抜きの場でもあるという。日本(U23)代表は、衛生環境が劣悪な発展途上国に遠征したわけではない。にもかかわらず、下痢・発熱に冒されたのだ。選手達がセルフコントロールを誤ったか、選手団としてミスをしたか、あるいは、事故か…の3つのうちの1つが原因だろう。 プロスポーツ選手といえば、健康管理に普通人より気を使う。もちろん、ミネラルウオーター以外を口にすることはあるまい。日本代表ならば、超一流ホテルに宿泊する。世界のサッカー強豪国の多くは、代表選手の食事は専属料理人がつくるのが当たり前らしいが、日本代表が専属料理人を遠征に帯同したかどうかはしらない。そこまでしなくても、選手の健康管理には専門スタッフがそれなりの配慮をしたと思う。にもかかわらず、このような事態を招いた原因を徹底的に究明し再発防止に努めなければいけない。 UAEラウンドについては先述したとおり、カタールに引き分け、UAE戦は劣勢の日本が終盤に2点を上げて勝ったが、2試合とも、負けておかしくない内容だった。このチームは、初戦のカタール戦で力を出し切れず、大一番のUAE戦も体調が万全でなかった。ここまでは、2勝1分とトップだが、勝点7か勝点3かは、まさに紙一重だった。結果を出したものの、試合内容、チーム管理面とも、誉められた代表チームではない。 実を言うと、現在のY監督が率いる日本(U23)代表が五輪に行くことは正しくない、というのが私の見方。予選の組合せに恵まれたうえ、あまり強くない相手に内容の悪い試合で勝ち進み、結果、五輪に行くことになるのは、若い選手にとって、マイナスだ。もちろん、健闘した、田中、今野、森崎、那須、鈴木といった選手には気の毒だが、チームとしては、一度、挫折を味わったほうがいい。世界のサッカー界では、五輪に出たかどうかが評価の対象になることはない。挫折を糧にし、近い将来、Jリーグでいい指導者に出会い大きく育って、五輪よりももっと大きな夢に近づいてほしい。
恒例のJ1順位予想をやる。私の予想は、これまでまったく当たらないどころか、首位に上げたクラブが下から2番目だったりと、散々である。ほんとーにサッカーの予想は難しい。けど、懲りずに今年もチャレンジ。
今年の順位予想のポイントは選手層の厚さ。五輪、W杯予選などの代表試合が多いシーズンだから、いい選手を集めたクラブは、逆に主力を欠いて戦う試合が多くなる。代表〜準代表〜元代表〜代表に選ばれない外国人といった、分厚い選手層を誇るクラブが上位にくる。 戦力では、浦和がダントツだ。エメルソン〜田中の2トップに代表経験のある永井のFW陣はリーグナンバーワン。左に三都主、右に山田のサイドハーフは日本代表のレギュラーだし、トップ下の山瀬は五輪代表。攻撃的MFの3人が、はたして何試合同じピッチに立てるのかしらないけれど、かなりの試合、代表に持っていかれる。となると、だれがその穴を埋めるのか。さらに、DFのトゥーリオ、ボランチの鈴木は五輪代表、DFの坪井も日本代表だから、チーム状態としては、かなり不安定だ。さらに今年監督に就任したブッフバルトが監督1年生であることも気になる。1年生監督に不安定なチームの舵取りができるのか、采配面で期待することは難しい。つまり結論としては、浦和の優勝はない。 となると、安定した力をもった磐田と昨年の覇者横浜だろうか。磐田は中山の復活、藤田の復帰とベテラン選手が充実。反面、有望な若手の台頭が見られない。この2人に加えて、名波、服部、福西、鈴木、田中と、元代表クラスで固めた主力は強力だけれど、あくまでも下り坂のベテラン中心で、若手の爆発力に乏しいところから、首位争いにからむけれど優勝はない、とみた。 消去法でいくと、横浜か鹿島ということになる。まず、横浜だが、このクラブの選手層の厚さはいまさら言うまでもない。さらに、韓国代表アンジョンファン(清水)、ユーティリティープレイヤー中西(市原)を補強して、松田、波戸が復帰し、厚みが増した。課題は、アンと久保のコンビが不安定なことに加え、この2人が代表にとられたとき、穴を埋めるFWが思い浮かばないことだ。 鹿島は、今シーズン、若手への切り替え時期に当たるため、前期優勝は難しいとみるのが一般的だが、昨シーズンから使い始めた若手が実戦経験を積み、実力をつけてきた。若手が波に乗れば、逆に前期優勝の可能性がある、というのが私の見方。もっとも、小笠原の穴をだれが埋めるかが課題だが。 どこも決定力に乏しく混戦が予想されるが、あれこれ考えた末の順位予想は以下のとおり。
�ー�島、��横浜、�H愿帖↓け栽臓↓ヌ掌轍亜↓Γ藤壇豕�、�Щ垳供↓�東京ヴェルディ、��ガンバ大阪、��柏、��新潟、��神戸、��大分、��C大阪、��広島、�粟郷� 下位では、イルハン加入の神戸を何位にするか迷った。新潟の11位は、理論派・反町監督と地元の応援に期待したもの。ちょっと上位すぎるかもしれないけれど、熱いサポーターが順位を押し上げる?。
アジア五輪代表(U23)予選UAEラウンド、日本代表は2試合終了時点で1位のUAEを2−0で下し、逆転首位に躍り出た。五輪予選は次回、東京開催となるだけに、日本の五輪出場の確率は高まった。ホームのUAEは、この試合に勝てば日本ラウンド、日本に負けても五輪行きを決められたのだが、終盤、ミスを重ねて自滅、サッカーに勝って試合に負けた。 試合経過を説明するまでもない。UAEがゲームを支配した時間帯のほうがはるかに長かったし、決定的場面もUAEのほうが多かった。決定機のシュートがことごとく外れ、ペナルティーエレア付近からのフリーキックがバーをかすめるなど、UAEは勝利から見放された。 勝つには勝った日本だが、誉められた内容ではなかった。Y監督がこの試合に採用した戦術は、�ー�陣からロングボールを使って平山の高さを生かしたポストプレー、��中盤の守備からボールを奪っての速攻――だった。ところが、�,任蓮■藤廚縫棔璽襪�収まらず、攻撃の基点が築けない。競り合ったセカンドボールが取れない。�△任蓮�中盤でのパスミスが多く、UAEにとられて決定的ピンチを迎える場面が多かった。作戦が功を奏さなかった理由は、平山の動きが悪かったことと、平山とFWの田中・トップ下山瀬の距離が離れすぎていたことだと思う。 速攻については、UAEのプレスがきつく、追い込まれた日本選手がパスコントロールを乱した。意思統一にも問題があった。FW田中はゴール付近や、DFの裏をつくパスを欲しがっていたようにみえた。サイド攻撃もなく、開始から75分間、日本が得点する雰囲気は皆無だった。Y監督はボールキープを嫌ってダイレクトプレーにこだわっていたようだが、浅いDFラインのUAEには、裏を取るスルーパスのほうが有効だったのではないか。 後半30分過ぎ、UAEの足が動かなくなり、DFラインと中盤の間にスペースが生まれた。さらに、UAEのプレスが弱まり、山瀬に代わって出場した松井のキープ力が生きてきた。そして、得点シーン。UAE陣深く、動きが鈍ったUAE・DFの虚をついて、松井から今野を経て田中にパスが出る。田中がシュートを放つとUAEのGKがはじき、平山に代わって出場した高松が押し込んだ。2点目もUAE・DFのミスを田中が決めた。この試合のMVPはもちろん、田中達也。彼の執念と個人技で勝ったようなものだ。 がんばった田中には悪いけれど、日本の勝因とは、言ってみれば、UAEの自滅だろう。あれだけ決定機を外せば、勝利の女神は微笑まない。UAEが自分達が支配した時間帯に1本でもゴールを決めていたら、日本はおそらく0−3くらいで完敗した可能性もある。それくらい、危ない試合だった。でも、それがサッカー。UAEはいい経験をした。 この試合、そして、先に東京で行われた、フル代表のオマーン戦と、2回続けて神風が吹いた。強運日本、五輪出場の可能性は高まったけれど、この反動を覚悟しておかなければなるまい。勝利の女神は万人に平等というのが摂理だから。
| 2004年03月04日(木) |
快勝に浮かれてはいけない |
サッカー五輪代表(U23)がレバノンを4−0でくだした。喜ばしい点差での勝利だ。日本のスポーツマスコミは「快勝」と浮かれている。勝ったのだから、選手達は頑張った、と称えるべきなのだろうが、私が気になっていたのは実は、日本の試合結果ではなく、UAEvsバーレーンの方だった。日本がレバノンに負けるようなことがあったら、日本はサッカーをやめたほうがいい、と思うくらい、日本とレバノンの実力差は開いている。つまり、日本vsレバノンは、日本がどれだけ得点を積み上げられるかがポイントだった。 一方、UAEvsバーレーンは、この五輪予選の勝者を占う上で、最も重要な試合の1つだった。UAEは、このグループ中、日本に次ぐ実力を持っているというのが、日本のスポーツマスコミの分析だった。第一戦目、バーレーンは日本と引分けた。かりにUAEが日本と引分けたバーレーンをくだせば、UAEラウンドに限るならば、UAEの方が日本より強いことになる。ホームの利があるし、深いピッチにも慣れている。諸々の条件からして、UAEと日本の対戦は、UAE有利と見た方が自然だ。 さて、UAEはバーレーンに3−0で「快勝」した。試合内容はわからない。バーレーンが初戦より調子を落としたのかもしれないし、UAEのできが良すぎたのかも知れない。詳細はわからないけれど、UAEが勝った結果、2試合終了時点の勝点を計算すると、UAE=勝点6、得失点差5、総得点7、日本=同4、同4、同4、バーレーン1(以下略)、レバノン0(以下略)。つまり、あす、日本がUAEに負けると、UAEの勝点は9となり、日本4でその差を5と広げられる。次回日本ラウンド、日本が3試合に全勝しても勝点13(4+9)、UAEは日本に負けるから2勝で6を積み上げ15となり、UAEがアテネ行きの切符を手に入れることになる。あす、引分けると、UAEは7+6=13、日本は5+9=14となり、日本が優勝する。日本はあす勝たないと、日本ラウンド、かなり追い詰められることになる。 当たり前のことだけれど、日本の初戦引分けは負けに等しかった。日本がバーレーン戦引分けで良しとする論理は、どう計算しても出てこない。こんな計算は素人にだってできる。しかるに、日本のスポーツマスコミは、何を勘違いしているのかしらないけれど、バーレーン戦の引分けを予定の作戦、レバノン戦の勝利で引分はチャラにできると考えているようなのだ。初戦、「勝ちに行って勝ち切れなかった」のなら仕方がない。勝負なのだからいつも勝てるとは限らない。ところが最初から展開を読み違えて、「負けなければいい」というのでは、勝負師としての魂が欠落している。 私は、日本のU23代表監督Y氏を、「監督をとしては素人だ」と言い続けてきた。Y氏に何の恨みがあるわけではないのだが、この“名将”は、初戦の入り方を間違えてしまった。「安全策」が最も危険だったのだ。UAE戦に勝てばいいんだろ、日本ラウンドで全勝すればいいんだろ、と反論されれば、それまでだけど…そうなったら、何の言葉もないけれど…プロの監督ならば、高い確率を求めるのが普通だろう。おそらく、UAEラウンド、初戦悪くとも引分け、二戦目レバノン戦快勝、三戦目強敵UAEと引分けか勝利で勝点5〜7、ホームの日本ラウンドで3連勝して14〜16、というのがY監督の構想かもしれない。しかし、Y監督の常識的展開こそが最も危険だった。 ここから私は、まったくの想像で、何の根拠もないことを書く。日本ラウンドにおいて、日本とUAEが勝点で僅差でしのぎあったと仮定しよう。最終試合まで、日本か、UAEかともつれたとしよう。そのとき、UAEの相手となる中東勢2国に期待することはできない(ように思う)。八百長とは言わないけれど、中東2国の選手が、アテネ行きの切符は日本ではなく、UAEが手に入れた方がいい、と考えても何ら不思議はない(のではないか)。 もちろん、中東2国がUAE戦に手を抜くとか、意識的に負けるとかという意味ではない。中東各国、それぞれライバル意識を持っているだろうし、スポーツなのだから、勝つために全力を上げるだろう。けれど、中東2国が、何が何でも勝ってやろうとUAE戦に臨むとは思えない、というのが私の邪推だ。もちろん、これは私の勝手で根拠のない想像にすぎない… そんな心配をしながら、大雑把に整理すると―― ●UAEラウンド �‘�本vsUAEが引分けの場合、UAEの勝点は7、日本は5 �■妝腺鼎�日本に勝った場合、UAE9、日本4 ��UAEが日本に負けた場合、UAE6、日本7 ●日本ラウンド ・日本が3連勝の場合(UAEが日本戦以外の2試合に勝って) �,両豺隋■妝腺鼎虜能�勝点は13だが、日本は3連勝となるので14となり、日本が優勝する。�△覆蕕弌■妝腺釘隠機�日本13でUAE優勝、��は日本が優勝。 ・UAEと日本が引分けると、�,覆蕕弌■妝腺鼎�14、日本が12でUAEが優勝。�△両豺隋⊂‥精絞僂錣蕕困韮妝腺鼎�優勝する。��の場合は、日本が優勝する。 このシミュレーションはUAE、日本が他の2国に勝つ想定だが、日本はバーレーンに勝てなかった。もちろん、その他いろいろなパターンがあるけれど、いま時点であらゆる局面を計算してみても無駄なのでやらない。とにかくいま、日本U23代表のアテネ行きの可能性はかなり低いという見方に変わりはないと思う。だから、第二戦の日本の勝利を「快勝」と叫ぶ日本のスポーツマスコミのスポーツ観が私には理解できない。 初戦の消極策がアテネ行きの切符を逃した、という私の結論は、当たらずとも遠からずと思うのだが、いかがか。
| 2004年03月02日(火) |
転がらないボール/ジーコ更迭近し |
●五輪予選UAEラウンド バーレーン戦、日本五輪(U23)代表は辛うじて引き分けた。試合内容からして、勝てる可能性はなかった。FIFAランキングなど、なんの足しにもならない、日本のサッカーの実力はこの程度。 五輪予選UAEラウンド前の親善試合で、日本はイランU23代表、ロシアフル代表と引き分け、韓国U23代表に勝った。この結果を受けて、スポーツマスコミが一気に五輪代表を持ち上げ始めた。韓国に勝ったときには、五輪予選突破は問題なし、Y監督は名将との評価が蔓延した。 私はそうした見方に否定的だった。ホームの親善試合の結果など、なんの参考にもならない、FIFAランキングはバブル、Y氏は監督としては素人、と、このコラムで何度も繰り返してきた。さて、真剣試合の結果はご覧のとおり。Y監督の評価はこれで一気に下がる。 試合を支配したのはピッチコンディション。TVではわかろうはずもないのだが、推測ではおそらくかなり長い。そのため、ボールが転がらない。結果、田中のドリブル、松井のパスは封じられた。松井は才能がありうまいのだが、長い芝生に勝るパワーがない。今後の課題だ。 Y監督がとった作戦はパワープレー。管見の限りだが、スポーツマスコミはこの作戦を「安全策」と評価した。確かにそういう面もある。負けなかったのだから、適切な作戦だと。 私は違う。ボールが転がらないのなら、スルーパスをサイドのオープンスペースに出して、速いウイングプレイヤーがクロスを上げる作戦があった。ところがこの試合、日本には左サイドハーフがいない。右は途中から石川が入ったが、左サイドハーフを入れたくてもベンチにいない。松井が通用しないのなら、森崎をトップ下に入れて、スピードのある左サイドプレイヤーを入れたら…とくに、前半、左の森崎が右足で出したクロスを平山が合わせ、あわやゴールかというシーンがあった… 私の予感――Y監督が平山頼り(=ロングボール中心のパワープレー)を続けるならば、五輪代表はこの先、バランスを崩す。Y監督が「ボールを持ったら15秒」という観念的サッカーを追及する限り、強い相手の逆襲を食らって、失点する。ロングボールを多用するチームなど、相手に弱気をさらしたようなもの。相手は日本を舐めてくる。 話し代わるが、中東チームは引いてカウンターかロングボール、という定番報道はおかしい。中東のサッカースタイルは明らかに、変化している。中盤ではプレスをかけてくるし、サイド攻撃もある。中東勢の守りは伝統的に堅いのだから、日本が先取点を取られると(中東勢に限らず、サッカーではどこでもそうだが)苦しいどころか、勝てない。
●川渕提言、一蹴さる 川渕氏がジーコ監督に示した改善策、ジーコ監督に一蹴された。金満日本サッカーの蜜に群がるジーコファミリー、せっかく手にした利権、そう簡単には手放せない。この決裂、スポーツマスコミは深刻なものと報道していないが、このことでジーコ解任は早まった、と思う。これで川渕氏はジーコ支援を打ち切る。ジーコは背水の陣をしいた。アジア1次予選で負けか引き分ければ更迭だ。もちろん、そのとき日本は1次予選で敗退する可能性のほうが高い。 ジーコ監督には、日本代表を強くする気持ちがない。ジーコ監督は、日本代表の調子が上がらないのは海外組のコンディションが悪いからだと考えているようだが、根本的に間違っている。ジーコ監督は知名度を利用して海外クラブに圧力をかけ、代表召集を優先させて、クラブの拘束を解こうとしているようだが、そんなパワーゲームをしてみても無駄というもの。それは監督の仕事ではない。GMか事務局長の仕事だ。 日本サッカーの現段階は、組織、戦術の面で規律(ディシプリン)を必要としている。W杯ベスト16という実績をマスコミもサポーターも早く忘れてほしい。五輪代表をみても、バーレーンと日本の力の差はないし、フル代表がホームで苦戦したオマーンと比較すれば、オマーンのほうが上かもしれない。当てにならないFIFAランキングだが、顔ぶれから推測して、日本は40位でも上すぎる。まだまだ、監督が選手を鍛えなければいけない段階なのだ。
|