恒例のJリーグ順位予想を発表する。当コラム開設以来、これで3回目になるが、まるで当たったことがない。それでも、懲りずにやる。�\虱奸↓�浦和、��鹿島、�ぢ腟棔↓ィ誕膾紂↓ΣI諭↓В禿豕�、�┌蚤膾紂↓�磐田、��名古屋、��大分、��川崎、��広島、��清水、��甲府、�或軍磧↓欝�都、�科_� というのが筆者の予想順位。 首位は戦力的に見て浦和というのが一般的だ。「日本のチェルシー」とまで言われるくらい、充実している。Jリーグ発足以来、空前の大補強をやってしまった。でも、筆者は敢えて浦和2位、首位千葉とする。その根拠は・・・実はない、筆者がオシム監督のファンだから?? 無理にこじつければ、オシム監督が千葉に就任して4年目だから、となる。代表監督の任期は最大で4年が一般的だ。W杯が4年ごとに開催されるわけだから、代表監督は4年目にチームを最高の状態に仕上げる。それ以上長くかけたからといって、代表チームが強くなる確率は低い。監督、選手、クラブ・・・組織がマンネリに陥れば、進歩は止まる。つまり、オシム監督が率いる千葉は今年がピークであり、今季でオシム監督はまちがいなく、退任する、と筆者は確信している。オシム監督勝負の年に、千葉が優勝しないはずがない?? さて、千葉を別格として、戦力の充実度からみれば、浦和、磐田、横浜、鹿島の5チームがレベルAのカテゴリーだ。次いで、F東京、G大阪、C大阪、名古屋、大宮、川崎の6チームがレベルB。広島、清水、大分、新潟の4チームがレベルC。昇格組の京都、福岡、甲府の3チームがレベルD、のカテゴリーに振り分けられる。 昨年優勝したG大阪は、アラウージョ、大黒の穴が埋まらないこと、ACLに出場するため、日程的に苦しいことなどを併せ考えると、大きく順位を下げるはずだ(つまりレベルBのカテゴリーに)。 ここまでは常識的だけれど、レベルAのうち、監督の力量からみて、磐田がレベルCに落ち、昨年優勝を逃したC大阪と大型補強をした大宮をレベルBに引き上げる。レベルCからはシャムスカ監督の手腕を信じて、大分をレベルBに引き上げる。また、レベルDからは、入れ替え戦で昇格した甲府をレベルCに引き上げる。甲府の魅力は、なんといっても運動量とスピードにある。がむしゃらに90分間ファイトする甲府のようなチームがJ1に定着することを筆者は望んでいる。 以上を整理すると――�\虱� ��浦和 ��鹿島 �ぢ腟� �ィ誕膾� �ΣI諭淵譽戰襭繊法↓В禿豕� �┌蚤膾� ��磐田 ��名古屋 ��大分(レベルB) ��川崎 ��広島 ��清水 ��甲府(レベルC)、�或軍� �欝�都 �科_�(レベルD)――となる。 今年はW杯開催による長期中断があり、リーグの展開については読みづらい。序盤に浦和が飛び出して独走態勢を築けばリーグへの興味を失いかねないが、千葉が浦和を止めれば、両者の一騎打ちも起こり得る。オシム、ブッフバルトに割ってはいるのが、鹿島を率いる世界一監督・アウトゥオリか。
| 2006年02月23日(木) |
代表の顔が見えてきた |
日本代表の欧州遠征メンバーが発表された。 ▽GK=川口能活(磐田)・下田崇(広島)・都築龍太(浦和)、▽DF=田中誠(磐田)・宮本恒靖・加地亮(以上G大阪)・三都主アレサンドロ・坪井慶介(以上浦和)・中沢佑二(横浜M)・中田浩二(バーゼル)・駒野友一(広島)・茂庭照幸(FC東京)、▽MF=福西崇史(磐田)・中田英寿(ボルトン)・中村俊輔(セルティック)・小笠原満男(鹿島)・稲本潤一(ウェストブロミッジ)・小野伸二(浦和)・遠藤保仁(G大阪)・松井大輔(ルマン)、▽FW=久保竜彦(横浜M)・柳沢敦(メッシーナ)・高原直泰(ハンブルガーSV)・大黒将志(グルノーブル) 内訳は、GK3人、DF9人、MF8人、FW4人の合計24人で本番より1人多い。何度も当コラムで書いてきたように、W杯のメンバーは23人。GK3人(楢崎、土肥が復帰する可能性大)以外、各ポジション2人が基本だから、4−4−2のシステムで考えると、今回のDFメンバーから1人外れる。坪井か茂庭になる可能性が高い。 W杯第1戦の豪州戦の先発メンバーは、当日、4−4−2で臨むと思われるので、GK=川口、DF=三都主、宮本、中沢、加地、MF=稲本、中田、中村、小野、FW=高原、柳沢 となる。ドイツ大会でピッチに立つ代表選手の顔が見えてきた。 これでいいのかということについては、何度も書いたので繰り返さないが、まったく期待も魅力も感じない、興奮も冒険もない。サッカー好きの日本人は、ドイツ大会がトルシエの冒険の延長であったことを確認する。日本代表に限れば、ドイツ大会は4年前に終わっていたと。
アジア杯予選のインド戦は日本が6−0で圧勝。相手のレベルが低いので、公式国際試合ではあるけれど、ドイツ大会の参考にはならない。この試合で得点を上げた選手だからといって、ドイツで活躍できる保証などない。では、この試合で注目すべき点は何か。 筆者のチェック・ポイントは、�.潺垢鬚靴覆い海函↓▲灰鵐咼諭璽轡腑鵑隆粟�度、�5�律の維持度、�け親偉漫宗修砲覆襦� �,砲弔い討蓮⊆紊ぅぅ鵐描蠎蠅坊觜宗▲潺垢�多かった。SB加地にミスが多かった。MF小笠原はチャンスメークと同じくらいミスが多かった。 �△眩蠎蠅亮体呂粒笋砲蓮∩澗里鳳潦蠅箸呂い┐覆ぁ� ��は、TV中継からの情報によると、この試合のテーマの1つは「ポジションチェンジ」だったらしい。ポジションチェンジが機能して得点を上げたシーンはあったかどうか。 �い蓮�個人差がはっきりしていた。FW巻は得点を上げたけれど、この試合は、本調子ではなかった。MF小野、FW久保は体力、走力に不安を残す。この二人は本番の相手となる豪州、クロアチア、ブラジルの激しいプレスに耐えられるのだろうか。途中交代のFW佐藤にスピードを感じた。相手に脅威を与える選手という意味で、佐藤が最も印象に残った。 なお、SB三都主は攻撃で力が出るタイプなので、このような試合では活躍できるが、相手の攻撃力が勝っているとき、守備に不安が残る。相手次第で4−4−2と3−5−2を使い分けるのがジーコ流らしいが、世界の強豪を相手にして、いまの代表でSBができる選手はいない。4−4−2は、弱い「アジア向け」システムだろう。 また、巻と久保の2トップは得策ではない。ポストの役割と、相手の裏に走る役割を分担できていない。
| 2006年02月20日(月) |
カネモチのスポーツは嫌い? |
スポーツで身を立てるのにお金がかかる。サッカースクール、スイミングクラブ、乗馬クラブ、ゴルフ場・・・は無料で利用できない。お金がかからないスポーツというのは、公立の学校の運動部だけになってしまった。貧しい若者が中学時代に才能を発揮すれば、スポーツ高校に見出され進学できるかもしれない。南米ではスラム街出身者がストリートサッカーで頭角を現し、地元クラブの下部組織に入り、そこで競争に勝ってプロ契約を結ぶらしい。貧しい時代の日本のスポーツ界は、クラブの代わりに高校の運動部が選手育成を担ってきた。野球がいい例だし、サッカーにもその名残がある。 日本が豊かになるに従って、スポーツ界も変わってきた。スポーツ育成機関が高校から、クラブ、個人レッスンへとシフトしてきた。競泳、フィギュアスケート、シンクロナイズドスイミングでは、高校をスルーして、クラブ、個人レッスンで鍛えられた選手達が第一線で活躍している。 最近の野球界、サッカー界では、中学時代に名門クラブに属し、そこから有名高校に進学するという路線が形成されているらしい。少年野球名門クラブ(サッカースクール) ⇒ 野球(サッカー)有名高校 ⇒ プロ野球(Jリーグ) に身を投じるという道だ。 サッカーでは、この路線と平行して、Jリーグクラブのユースへと進む道もあるのだが、現時点の日本代表選手の経歴を調べると、サッカー有名高校からJリーグに進んだ選手で占められているという。サッカー選手の育成機関としては、高校の方が優れているのかもしれないが、日本ではサッカーの歴史が短いので、簡単には、結論付けられない。 さて、トリノ冬季五輪開催中のいま、日本人が最も関心をもっているフィギュアスケートは、お金がかかるスポーツの代名詞だ。個人コーチのレッスン料、衣装代、遠征費等々を庶民が負担することはできない。 冬季五輪は地球の一部の豊かな地域(=北)が独占するスポーツであり、その中でも、フィギュアスケートはお金がかかる代表格だ。筆者は、そんなフィギュアを好まない。お金のない庶民として、ひがみも手伝って、フィギュアスケートが大嫌いだ。 スラム街のストリートサッカーから巨額の富を稼ぎ出す有名選手に成り上がる――そんな、サッカー神話を痛快に思う。アルゼンチンサッカーを代表するクラブの1つ、ブエノスアイレスのボカは、成り上がり志向者の受け皿の代表だ。たとえば、引退しても問題児であり続けるマラドーナは、ボカの天才中の天才だ。ブラジルでも、大都市サンパウロのスラム街から大選手、有名選手が数多く輩出されている。MLB(野球)では、中南米の発展途上国の出身者が、主力となって頑張っている。アメリカのプロバスケットチームの第一号は、ニューヨークのハーレム地区で結成された。ハングリースポーツの代表はなんといっても、プロボクシングだろう。 サッカー、野球、バスケット、総合格闘技・・・には、野心とカネが渦巻いている。胡散臭さがエネルギーとなって、スポーツの周りに漂っている。ハングリー精神こそが、プロスポーツの源泉であり魅力だ。貧しい筆者は、カネモチしかできないスポーツは、大嫌いだ。
フィンランド戦はムダだった。相手が消極的すぎる。ハーフラインの後に引きこもり、アタックをしてこない。日本の攻撃パターンとしては、1つは後方の選手がフリーの状態なので、狙い済ましたロングパスで巻を狙い、突破口を探った。もう1つは、サイドから切り崩しを狙った。相手のプレッシャーがかからないので、日本が試合をコントロールできたが、決め手を欠いたまま前半が終了した。 後半開始すぐ、速いパスを久保が合わせてシュートを決めた。2点目は珍プレーだった。相手のGKが前に出る傾向があることを見抜いた小笠原がロングボールを蹴ると、そのボールがGKの頭を越えてゴールに入った。珍しいシーンだ、こんなことがあるものなのか・・・ 見所の少ない練習試合だったけれど、収穫もあった。前線で頑張った巻とサイドで粘りを見せた村井の二人の運動量だ。二人とも、オシム学校(市原千葉)で鍛えられた成果が、代表戦で出た。日本代表が強豪と戦う場合、運動量、スピードで相手を上回る以外、勝ち目がないと、筆者は常々書いてきた。この試合フィンランドが前線でプレスをかけないのだから、日本はもっと動けたはずだ。 来日したフィンランドは、2008〜2010年のユーロ、ワールドカップに向けてチームを立ち上げたばかり。戦術に関する意思統一がうかがえない。このチームには勝利に対する執念もなければ、冒険もない。W杯を控えた日本が戦う相手としては不足だ。90分間、スペースを相手に与えず、失点をしない作戦をとった。日本の攻撃に応対するだけの戦術なので、仮想オーストラリア、仮想クロアチアにはならない。 そもそも、W杯を控えたこの時期、ホームで戦ってもムダだ。アウエーに出て、厳しい条件の下でW杯のシミュレーションをしなければ、準備にならないし、選手選考の参考情報を得られない。 ジーコ監督はすでに、W杯出場選手を決めているというが、本当ならばとんでもないことだ。そんなことがあってはならない。 代表選考のための準備試合は、開催まで残り数試合しかないらしい。となると、06年、日本代表は、米国戦はともかく、フィンランド戦はマッチメークという意味で、本番前の貴重な一試合を無駄に費やしたことになる。W杯までの準備試合としては、いい選択とは言い難い。大事な時期にフィンランドを対戦相手として選んだことは、致命傷になるかもしれない。
冬季五輪では、長野・13個、ソルトレークシティ・2個、トリノ・0個(2月17日現在)――日本人選手のメダル獲得数の推移だ。サッカーW杯はというと、フランス大会予選敗退(勝点0)、日韓大会ベスト16、そして今年6月に開催されるドイツ大会では予選で敗退する?――というのが筆者の予想だ。日本代表は予選で引分もあるだろうから、フランス大会のように勝点0で終わるとはいえない。それでも、ドイツ大会で日本代表が苦戦することは間違いなかろう。 日本が予選で敗退する根拠はいくつかあるが、一番の根拠はアウエーでの戦いということだ。日韓大会で日本が予選突破できたのは、まずホームだったこと、そして、ベルギー、ロシア、チュニジアという対戦相手に恵まれたことが挙げられる。しかも、4年前の日韓大会は、欧州リーグで活躍した選手がみなリーグ戦の疲労を抱えたまま日本、韓国にやってきた。ホームとアウエーの違いをどう見るか。 ドイツがトリノになる2つ目の理由として、日本の代表選手の選考が似ている点を挙げておこう。トリノに選ばれた選手の中には、長野、ソルトレークシティーのメダリストがかなり含まれている。彼らメダリストは経験豊富だが、ピークは過ぎている。2つの五輪で燃え尽きた可能性を否定できない。 サッカーW杯ドイツ大会においても、ヒデ、稲本、小野、三都主、柳沢らの日韓経験者が選考されそうだ。彼らが燃え尽きたかどうかはわからないが、日韓以上に燃えることは難しい。
トリノ五輪の日本人選手の惨状が報道されている。出番直前、ラッパーのようなオーバーアクションで格好をつけたものの、まともな滑りができずに予選落ちしたスノボー男子代表。自分のミスを嘆くアクションばかりが目立つスノボー女子代表。自分の体重とスキーの長さに係る規制を忘却したベテラン・ジャンパー。こんな人たちが「日本代表」であることが、恥ずかしい。スポーツマンとしてよりも、その人格を疑う。 トリノに行くことができた代表選手たちは、自分が選ばれたことで日本に残ったライバルがいることを忘れないでいただきたい。選考されなかった選手たちのため、尊敬されるパフォーマンスを行ってほしい。特にスノボーの選手に言いたい。五輪は演技ではなく、スポーツなのだ。ストリートファッションやラップのビデオクリップの撮影ではないのだ。目立ちたかったら、芸能人になってほしい。技術の未熟さをオーバーアクションで補完しても仕方がないではないか。 今回の五輪で日本選手はメダルが取れていない。五輪はメダルが目的ではないのだから、ゼロでいいという考え方もある。でも、筆者はそういう考え方をしない。メダルが取れなかった選手には、ブーイングこそがふさわしい。五輪で自己最高記録を下回った選手には、大ブーイングを浴びせなければいけない。そうしなければ、選手が成長しない。とりわけ、自分が参加する競技の規制(ルール)を忘れるようなボケ選手を、暖かく迎えてはいけない。
久しぶりにサッカー日本代表の試合があった。対戦相手は米国。結果については既に報道の通り。米国が日本を前半圧倒し、後半は日本が反撃に転じたが届かなかった。この時期、このメンバーで勝敗云々はないものの、ホーム米国のほうが、前半は体調・気力ともに、日本を上回っていた。Jリーグ開幕前の親善テストマッチ(練習試合)ということもあるのだろうか、日本のコンディションは上がっていなかった。 重要なのは前半だ。日本が3−6−1の不慣れなシステムで入ったこともあり、米国の早い動きについていけなかった。それもそうなのだが、いまの日本と米国との間には、サッカーに対する考え方に大きな隔たりがあることに気づく。米国はスピードとパワーで日本のディフェンスに穴をあけ、シュート体制をつくる。おそらく、世界のサッカーの潮流は、前半、米国が見せたようなものなのだと思う。交替選手枠が多いこの試合(練習試合)、後半、日本は早い選手交代でペースをつかんだ。交代で入ってきたフレッシュな選手が、疲れがでた米国選手よりいい動きを見せた。だが、本番でこの手は使えない。 日本が力のある相手と戦うとき、必要なのは運動量とスピードが武器になる。運動量とスピードをもった日本代表の選考条件といえば、�ー磴い海函↓⇔�習量が豊富なこと、��ステップアップしようとする意識が高いこと――が挙げられるが、なによりも重要なのは、精神力だと思う。 何が言いたいのかといえば、W杯日韓大会経験者で海外移籍を果たした選手は、ドイツ大会では期待できないということだ。もはや手遅れだけれど、今野、巻、長谷部、阿部らの若手中心のチームにしておけば・・・と悔やまれる。
| 2006年02月10日(金) |
冬季五輪は、趣味にあらず |
トリノ冬季五輪が開催だ。日本のマスコミはだいぶ盛り上がっている。大会の「華」は、フィギュア・スケートか。「世界」の関心も高いようだ、と言いたいところだが、ここでいう「世界」とは、その一部にすぎないと筆者は理解する。そもそも、冬に雪が降り、氷がはる地域は地球上のどれくらいの面積を占めるのか。地球人全員が参加しない五輪に筆者は興味を示せない。 冬季、ウインタースポーツが可能な地域は、世界の「北」の一部だ。冬季五輪参加の構図は、世界が抱える南北問題の縮図、象徴ではないか。北は南に比べ豊かで、ウインタースポーツ市場規模は北において、それなりに形成されている。 筆者は南北格差問題の解決に取り組む活動家ではないが、格差を是としたくない。「北」の五輪があるのなら、「南」の五輪があっていい。「南」の五輪種目といえば、ラクダのレース、象のレース、椰子の木上り・・・などが思い浮かぶが、北の住民の関心をひくことはあるまい。いわんや、スポーツ関連企業がその開催に協力することもない。 派手なロゴ入りのウエアを身に包んだ冬季のアスリートの姿を美しいと感じるか、南北格差と見るかは、個人の世界観の違いに属するが、筆者は後者に属する。 さて、筆者がフィギュアスケートについて、“スポーツ”としてよりも、身体論的見地から、好んでいないことは以前に当コラムに書いた。フィギュアスケートの美は、「北」の美的価値観に起因する。北が南に優越する表象ではないか。 筆者は、「美」を競う競技=種目を五輪から追放してほしいと思っている。その思いには、冬季も夏季も関係がない。換言すれば、「美」を競う客観性に筆者は、疑問をもっている。“スポーツは強く美しい”というスローガンは、公理のように聞こえるが、実はそれが矯正、監獄、隔離、差別の観念を大衆に強いている。スポーツが幻想の権力装置となって、人間が人間を選別する意識を醸成しているように思う。そんなわけで、筆者は、冬季五輪を見たくない。早く終わらないものか。
プロ野球がキャンプ・インした。今年は話題が少ないなか、オリックス入りした清原に注目が集まっている。スポーツマスコミの報道によると、「今年の清原」は一味違うという。「今年の清原」は体が切れていて、手術した下半身も順調に回復していて、“絶好調”らしい。相変わらずだ。この時期、「今年の清原」は、どこからも注目され期待される存在であることに変わりない。話題がないときは、清原か。 筆者の見方は、スポーツマスコミの「清原復活」=期待報道とまったく異なる。筆者はテレビ映像でちらっと清原を見たに過ぎないが、清原のオフシーズンの過ごし方、体力づくりは、昨年とまったく変わっていないかのようにみえた。 清原のトレーニングの誤りはについては、昨年、何度も当コラムで書いた。繰り返せば、まず、減量だ。筋トレで上半身についた、過剰な筋肉を落とさなければダメだ。トレーニング及び体重管理の方法は、サッカーのカズを見習うことだ。いまの体型のまま清原がシーズンインすれば、開幕50試合以内で彼の下半身は爆発する。パリーグの指名代打制に助けられて、もう少し出場試合数は伸びるかもしれないが、スピードに乗ったベースランニングはまず無理だ。 清原が上半身の筋肉に執着する限り、野球選手としてシーズンを通して活躍することはありえない。彼の野球認識とトレーニング方法が、打って投げて走って・・・という野球の基本から逸脱している限り、彼は大選手・名選手ではない。清原がパワー信仰を払拭して、ベースボールの基本に帰らない限り、復活はない。もちろん、シーズンを通した活躍は望めない。
●宮崎キャンプ終了 宮崎キャンプを終えた日本代表が米国遠征に旅立つ。ワールドカップ・イヤー、日本代表が本格的に始動する。 今回の代表メンバーを見てみよう。 GK=川口能活(磐田)、下田崇(広島)、 都築龍太(浦和) DF=田中誠(磐田)、宮本恒靖(ガ大阪)、三都主(浦和)、中澤佑二(横浜)、坪井慶介(浦和)、村井慎二(磐田)、加地亮(ガ大阪)、駒野友一(広島)、茂庭照幸(F東京) MF=福西崇史(磐田)、小笠原満男(鹿島)、本山雅志(鹿島)、遠藤保仁(ガ大阪)、阿部勇樹(千葉)、長谷部誠(浦和)、小野伸二(浦和) FW= 久保竜彦(横浜F)、巻誠一郎(千葉)、佐藤寿人(広島) (※ 鈴木隆行(レッドスター)は移籍のため、土肥洋一(FC東京)、曽ヶ端準(鹿島)はけがのため不参加) 海外組が召集できないこの時期、今回の代表メンバーがそっくり、ドイツに行く可能性はない。では、だれが残り、だれが入れ替わるのか。
●4年前のトルシエの呪縛 2002年、日韓ワールド杯決勝トーナメントで日本代表がベスト8を賭けたトルコ戦に負けた後、ときの日本代表監督フィリップ・トルシエは、記者会見で次のように語った。 「私にとっては、これで4年間の冒険が終わる。しかし、日本サッカーはまだ終わりではない。日本には海外でのビッグゲームの経験が不足している。日本は、もっと海外遠征をするべきだ」 さらに、「2006年(ドイツW杯へ向けての日本)についてどう思うか」という問に対して、 「選手はみんなまだ若い。いま24歳の選手は(2006年に)28歳だ。しかし、前園や城は自信を持ち過ぎて地獄に落ちた。マスコミには気をつけなければいけない。前園や城のようにならず、自分を磨いていけば、素晴らしいチームになるだろう」 トルシエは、ベスト16という勲章を得た日本代表選手の将来を祝福すると同時に、意味深長な警告を忘れなかった。彼は日韓大会の代表選手が順調に成長すれば、ドイツ大会でも十分戦えるという確信をつかんでいるかのように、日本国民に向けて語った。 しかし、筆者はトルシエの言葉を信じなかった。トルシエはドイツ大会で日本代表が日韓大会以上の成績を上げたならば、それは自分の育てた選手達が順調に成長した結果だ、といいたかったのだ。トルシエは、自分が日韓、ドイツの2大会の功労者であると主張したかったのだ。トルシエは、ドイツ大会で日本が予選敗退すれば、選手が城や前園のように自分を失ったからだ、という保険をかけることを忘れていない。保険がなくとも、後任監督の責任にすることも可能だ。ドイツ大会の結果がどちらに転んでも、トルシエの功績が損なわれることはない。 したたかなトルシエの予言を頭から信じた人物が一人いた。いうまでもなく、現日本代表監督のジーコだ。彼は日韓大会終了後、代表戦といえば、トルシエが育てた日韓大会の代表選手を中心にしたメンバーを組んできた。ヒデを筆頭に、海外移籍をした柳沢、鈴木、稲本、小野(浦和に復帰)、中田浩、そして、日韓大会を病気欠場した高原に対する期待は並外れて大きかった。世論が海外組偏重に異議を唱え始めてやっと、Jリーグで実績のある、久保、大黒、玉田、遠藤、巻、阿部、村井らを招集した。アジア予選では、久保、大黒が日本を救ったことは記憶に新しい。 筆者は、トルシエの確信的予言の呪縛に嵌ったジーコの選手選考に疑問をもっている。トルシエは選手が順調に成長できなかった事例として、城、前園を挙げたが、彼らが成長しなかった理由は、自信過剰や怠慢だけではない。若き日に輝きをみせたすべての選手が年齢とともに力をつけ、偉大な選手になるとは限らない。一般的には、スポーツ選手は20代後半で成熟期を迎える。体力の充実、技術の向上、そして、経験が加わるからだ。しかし、選手それぞれ、ピークを迎える年齢には個人差がある。20代中盤でピークを迎える者もいれば、20代後半に迎える者もいる。 また一方、加齢には、モチベーションの低下というマイナス面もある。目指す山に一度登ってしまった者が、4年後に同じ山に登りたいと思うだろうか。 それだけではない。ジーコは個人の成長が代表チームの成長に直結すると考えたようだが、この発想はきわめて単眼的だ。日韓大会の日本代表選手が4年間切磋琢磨し経験を積めば、より強力な代表チームができあがる、と考えたとすれば、それはいかにも観念的だ。
●神のみぞ知る あっという間の4年間。02年の日韓の狂騒から、今度はドイツ全土をワールドカップの喧騒が包みこむ。トルシエは予選突破の勲章を胸に輝かせながら、ドイツ大会までもが自分の冒険であるかのような呪いをかけた。トルシエの後を受けたナイーブなジーコは、トルシエの子供達の成長を信じ、もっと大きな勲章がもらえると錯覚した。おそらく、ジーコは、ヒデ、小野、稲本、鈴木、柳沢、小笠原、宮本、三都主、福西を代表に選び、トルシエが選ばなかった俊輔と病気で代表落ちした高原を加えて、「最強メンバー」を組んだつもりになるだろう。ドイツ大会の初戦、対豪州戦のピッチには、FW=柳沢・高原、MF=俊輔・小野・ヒデ・稲本、DF=三都主・加地、中澤、宮本が立つことになる。高原、中澤、俊輔の3人は日韓大会で代表落ちしたけれど、当時、代表とほぼ同程度の実力の持ち主だった。先述したとおり高原は病気で代表から落ち、中澤はベテラン秋田にその座を譲り、(当時の)俊輔はトルシエが求めたフィジカル面で、レベルに達していなかった。驚いたことに、ドイツ大会の新戦力といえば、唯一加地一人ということになる可能性も高い。 ドイツ大会をテレビ中継で見るとき、筆者は、日本代表メンバーが4歳年をとった日韓大会の代表メンバーであることに驚き戸惑う。ジーコには、冒険も挑戦もないことを知って、改めて落胆する。トルシエの呪縛の恐ろしさよ。 気の早い話だが、ドイツ大会で日本代表の挑戦が終わったとき、ジーコならば、「私の冒険はまだ終わらない」とコメントするに違いない。ジーコには、日本を舞台にした、新しい事業(カネもうけ)が待っている。ジーコは代表監督を辞めても日本に留まるに違いない。筆者には、極めて鬱陶しい存在なのだが。 いずれにしても、代表メンバーはわずか23人。だれがその座を射止めるか、そして、日本はドイツ大会で予選突破できるのだろうか――そのこたえは、前者(ジーコ)も後者(本当の神様)も「神」のみが知っている、というわけだ。
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