恋文
DiaryINDEX|past|will
にじむ ひかりの あいだを 渡ってゆく
もう 思いだけは ずっと さきのほうに 行ってしまった
---------------------------------------------------------
明日から来年1月3日まで、日本帰国中の日記をお休みします。 よいクリスマスと新年をお過ごしください。
いま この わずかな あいだに
満足もすれば 溜め息もつく
ばかみたいね と 鏡に 顔をしかめてみせる
風に まぎれて ただよっている
はぐれたような しろい ひらひら
雲は ずっしりと 広がっている
草むらには 霜がおりて
月のひかりも しろい
まっすぐに とどいてくる
街路の灯りを たどって歩く
なんて まばらな 木々のあいだ
森は こんなに 透きとおっていた
まだ つもった 落ち葉は やわらかで
吐く息が 目のまえに しろかった
どこかで 音がする
たちどまって 聴いている
くじらの ように 潜っている
窓は 閉じている
灯りが 見えたとして
ふと ぽつんといる
どこに 浮き上がろうか
しぶしぶと こんな 広い世界に 生きている
箱庭が ちょうどいいのに
どこを歩こうか その情景を 思い浮かべている
いまも あなたがいる
ここに いたくないとき
遠いところを かんがえる
そこに わたしは まだ いない
そうして ずっと いない
どこも 異国なら
夢に とどまって いよう
そこも 異国
まいにち 影が 歩いてゆく
わたしは 海の中に いなかった
わたしは 空に いなかった
どこにも いなかった
あなたを 思い浮かべたら
一緒にいたいと 思った
なんて 遠いのだろう
かたちを 知らないだろう
ぼんやりと 薄れてしまおう
ほら これは なんでもない
ただ わたし
|