恋文
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わたしを 過ぎていって
忘れて しまって
誰だか わからない
そんなので いいかな
きれいな 花が 咲いてたな
みどりが いっぱいで
わたしは いなくても いいな
ひかりが まぶしくて
みんな みどりのした
こえも ひかりみたいに かがやいて
かわも みどりのした
みずが きらきら ひかっている
もう それは風の音ではなく 窓から見える景色は いちめんに けむっていた
さっき 窓からはいってきた 花の芯も 花びらといっしょに ひたひた おちてゆくだろう
丘のうえに ひかりは いっしょに かすんでいる
そんな夜も あったのだと
風や 湿っぽさ
肌に よみがえる
それは そのときのまま とどまって いるだろう
かわって ゆくのは 今ばかり
トラムの音も ゆっくり 遠くから 響いてくる
みどりと ちいさな花に 埋もれた ような線路
風に ひらひら うす緑色の葉っぱが 揺れている
誰も通らない道に ひかりが もうすぐ 消えてゆく
綿毛を ふわふわ たんぽぽ いちめん
みどりの 野原に ひかりも いっぱい
風と 鳥の 声だけ 聞いている
あなたと 話をしている あいだ
わたしたちの あいだの
空も 海も 明るかったり 暗かったり
している
眠りを迎えに ゆく
なにを 思っているのか いないのか
夢と 交じりあうまで
じぶんの 音を 聞いている
夢のなかも
思い出も
目の前の ことと
なにも かわらない
2007年04月18日(水) |
ライラックの花の下で |
そのときも 日差しは やわらかだった
ライラックの花は 透きとおるように 輝いていた
もう こんなに 遠くまで 来てしまった
2007年04月17日(火) |
それが始まりの場所だったなら |
なにも変らなかった
あのとき 雨に散る 桜の花の下から また 始めよう
夏へと 急かされているみたい
毎日毎日 緑が濃くなってゆく
まだ 行かないでね 春
若葉は 風に ひらひら ひかる
小鳥が やってきて 去ってゆくから
また きらきら ひかる
ひかりが いっぱい
いつか 思うことが わからなくなってゆく
あまのじゃく
鳥が 飛び去って 花は 雪のように降る
青い空が もう 広がっている 朝は
思いがけなく 出会う花に
思い出を たずさえて 歩く
朝の ひんやりした 風
ひかりは どこまでも とどまっていて
そのまま ほどけて きえて
しまいたい わたし
線路のあいだは 緑の小道 一面にばらまいたような 小さな花の上を トラムが通り過ぎる
まだ暮れない 光のなか
光がまぶしいと 目をふせて
辿るみちも 白く明るい
鳥のさえずり 風のおと
どこまでも 歩いていたい
こんなに 穏かな日には
そのまま ひかりに とけてしまおう
夢のなかに 棲んだり
定かでは ないが
どこかの 棲みかに
わたしは いるだろうか
街は オレンジの花の かおり
少しだけ わたしを 変えてみる
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