恋文
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違った生活に 憧れてみる
曇り空のような 不確かな
夢を見てみる
まるで ばらばらな カケラみたいな わたし
つながれば ただ ひとつの わたし
公園のベンチ 誰もいない
軒下の猫 雨宿り
声をかけても そしらぬ顔
朝 花咲く その時のため 眠る球根
日向を歩く 道端には いろいろな草花
風は 甘い匂いがした
明るい陽射しのした バラも光っている
風が香りを 運んできた
いま ここでは 息を するように
毎日が 淡々と 過ぎる
夢と夢のあいだに 落ち込んでしまうと どうやって 目覚めようかとおもう
まだ終わらない 一日は 何度も 繰り返す
階段を 上ったり 降りたり
それだけのこと
しぶきのなかを 歩いている
どこもかしこも 灰色
からだが 重くなる
風が 冷たくなった
街灯のひかりも 澄んでいる
えびの皮を剥く
残酷なひとに なっている
みずが流れて ひかりが踊って
鳥たちの さえずりを 聞いている
みどりの においのなか
夕焼けの空だけれど 誰かしら傘をさしている
ひらひら雨粒が 舞っている
雲の縁はきらきら ひかっている
家路をいそぐ足も はやくなる
風が荒れている
どこかに 行ってしまいそうな 気持ちになる
山と雲が ひとつのかたち 夕日が 縁取って
ゆっくり ながれてゆく
みどりは さらに みどりになる
音もなく 降る雨のした
霞がかった 山並みを眺める
風が 木々を揺らしている 昼下がり
群青色の 空の下を歩く
風は すこし 冷たい
はやく 家に帰ろう
この空は 暗いけれど
向こうの山裾に ぽっかりと 明るいひかり 降りてきている
夕暮れの歩道を 急ぎ足で 歩いてゆく
知らないひとの 知らない生活
少し 重ね合わせてみる
日の傾きと 雲の翳りと
向こうの山も 見えなくなった
町の灯が ゆらゆら 揺れているような
夜の湿った空気
あすは 雨になるだろう
野の花を 揺らす 風も 暖かい
一日は いつも 同じ長さなのだろうか
いぶかりつつ 迎える 夜
一人は 嫌い 二人も 嫌い みんなも 嫌い
そんなときもあるのよ
誰か でも
好きになって
きもちのなかの 小さな とげとげが おさまらないので なにも 話したくない
山も雲もいっしょ 青い色になって
雨の帳の 向こう
夢は 心地いいのだけれど
現も ときには、心地いい
真ん中で ふわりと それが 心地いい
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