恋文
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雲の 後ろにいる
太陽は まぶしい
空が 広がっている
雨に煙っている
くすんでいるのが 好き
冷たい風
晴れたり 曇ったり
いつもの 空だね
町のざわめきも かすれたように 聞こえる 雨を待つ空
ここではないところを いつも思う
遮るものが ない 遠くの山が はっきり 見える
カーテン越しに 明るくなってくる 暖かい匂いのなかに まだとどまっている
雲と 雲じゃないとこと
空のすき間を 見上げている
風もなく 音もなく
冷たくなる
曇り空が 晴れてゆく
その 光のなかに あたっているのが
心地いい
雨が 身体を 濡らす
灰色の空
曇り空を 眺めている
なんにも 聞いていない
それでいい
金色の 稜線をみる
同じ夢をみたくても どこかに 行ってしまった
街は すっかり 濡れそぼって 黙って 歩く人のなか
薔薇に なりたい
わたしの中の
ちいさな 花びら
どこにも ないところ
夢のあいだに わたしは
きっと 知らない世界に いる
カーテンを開けると 突然の 青空 目を細めている
ひんやりと 穏やかな光 午後の空の下
さて どこに行こうか
いる場所が なくなってきた
地面が 固くなったような 朝の足音
葉のすっかり落ちた 街路樹の 雀たちは どこにいるだろう
曇り空を 透かして
太陽が 銀色になる
車窓を 通り過ぎる 見知らぬ街
日だまりで 立ち止まる
眩しい ひかり
湿った地面が 鏡のように光る 朝の陽射し
よそよそしい 佇まいの街に 歩いたり 座ったりしている 影
水に近づいている 目覚め とろとろ 流れる
吐く息の 白さのなかを 通りすぎる
いずれと 思っているうちに 雨になった
色づいた葉っぱも どんどん 落ちてゆく
まぶしいうちに 光をあびている
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