恋文
DiaryINDEX|past|will
暗い廊下を渡る
怖い夢のあと
蛍光灯の ひかりの下 ブラシに からみ取られた 髪を取る
なにもなくても きしむ 気づかないうちに すこしづつ 動いている
日当たりのよい 場所にいる 金色のなかで 遊ぶ子供たち
血の色のような 夕焼けを見ていた
藍色に 隠れていった
厚いカーテンの向こう ごうごうと 風がなる
ガラス窓から 見える 街の灯 ゆらぐような
流れてゆく光を とらえる
目に 寒さ
ドアをあける ひんやりと まとわりつく 空気のながれ
ざらざらと たどる 指先
雲のあいだ 空がのぞいた 尾根が 光っている
まだ 眠ったままのような 街角 息がしろい
拒否されること
それを受け入れること
黄昏の 輪郭になっている 夕暮れ
脚を 引き上げる 下へと 留まろうとする からだと いっしょに
朝の しらじらしさ 夜の よそよそしさ
耳をすます 遠い音 近い音
灰色の帳が開き 白い山々
灰色の空に 渦を巻く 水しぶき
眺めているあいだに どこか 行ってしまいたい 気持ちになる
ぼんやり していたいと 思うのに
さめていたりする
木の影が いつのまにか 沈んでしまった
山裾に 残った夕日
晴れた夜中に 遠くの音が響く 闇を伝わる速度
変わらない 毎日は それでいいのだと 一日がすぎてゆく
夢をさまよっているあいだに いつか逃れられなくなる
そんなときを 待っているかもしれない
暖かい夢を みていたので
布団のなかに すっかり 沈みこんでしまった
なにかしら かすれたような 頼りないきもち 雲が 空のあちこちに 漂っている
燃えるような 夕日を見ていた
瞬く間に 暗くなる部屋のなか
海が光って ずっと続いていて
ニライカナイは きっと あっちのほうだ
風のなか 空を舞うとんび
気持ちよさそう
空が まぶしい
ざわめきが とまった 通りを歩き
川のきらめきを 見にいった
|