恋文
DiaryINDEX|past|will
気持ちは せめぎあうものよ
なにかが とどめてくれるまで
風の音かと思ったら いつか窓が濡れていた
小川や丘を 歩いている夢を見る
張りつめたような 冬の冷気の
それでも あしたになる
メタモルフォーゼの 季節になる
強くなくて いいんです
強くて 傲慢な そんなのは いやなんです
弱くて はかなくて いいんです
わたしで ありさえすれば
いつものように 初めて 終わること
ふと 花のかおりが すればいい
なんだか 力が抜けた
茫々とか 渺渺とか
途方にくれる
現れては 消える 泡のような 心細さ
日が暮れる 前から すとん と 冷たくなる
自分でも わからない 行き先を 見ないまま 進んでいる
わたしの終末は 世界のそれよりも ずっと早い
動いていなければ 倒れてしまうのだろう
起こってみなければ なにもないと同じこと
明け方 聞こえてくる音が 固い
真っ直ぐに 山が見えた
動くものがあるのが 不思議なくらい 氷の色の 空の下
思ったことも 思わなかったことも まざりあって いっしょに やってくる
不安と肩を並べて いつも いつでも
いつからとか おぼろげになり 目のまえに 毎日があるので いまの日々を すごしている
不整合を 続ける
どこまでも
山裾まで 白くなっていた
町も 凍ったような色
あいかわらず 雲の中
冷気に わしづかみにされたようになる
満たされないことを 知りつつ
わずかな 変容を求める
いつもの 毎日に戻る
名前も知らないけれど 毎朝見かける顔に また出会う
食器を洗って スペースが たくさんある
雲がかかって 風は寒くて
それでも 穏やかな 一日となる
どこにも 行き着かないまま 終わるかも知れない
|