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すずめの群れが
坂の上の歩道橋から
誰もいない
すっかり暗くなった道は
日溜りを選ぶのが
まん丸から
月を空に
川面は金色
いつのまにか
車が通り過ぎるときだけ
ずっと曇り空のような
藁を焼く匂いが漂っている
三日月に迎えられて帰る
田園に
雨といっしょに
細かな雨は
歩道に影を切り取る
花の香りが
夢に入ろうとするほど
晴れと思っていたのに
矢のようならば
日向が
夜が濃くなる
風で
急に寒くなる
眠って忘れたいのに
風にあおられる
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