『みんないってしまう』 山本文緒 角川文庫 - 2003年03月31日(月) またまた山文さん、これで11冊目となりました。とにかく読みやすい。 今回のテーマは「対象喪失」。自信のない孤独な主人公が12人登場します(笑) どれもが爽やかな終わり方をしてません(断言できる)のであんまり落ち込んでる時に読む本ではないかもしれません。 逆に読者にとっては自分を見つめなおす恰好の1冊となっている。 どちらかといえば“情けないというか悲観的な人間”にスポットライトを当てていて、いつもの毒気のある文章が陰を潜めているような気がします。読者によっては物足りないと思われる方もいると思います。私も少しそんな気がしました。 同じ短編集の『ブラックティー』の方が切れ味鋭くインパクトが強かったかなあ・・・ 『ブラックティー』の登場人物の方が“人生徹して生きている”ような気がしました。 逆にこの作品の方が心温まる面はあるようです。ちょっと表現が曖昧かもしれませんが読後感を読者個人個人にゆだねてるようにも受け取れました。 でもどうしても虚無感が拭えないんですよね。山文さんにそういう部分を期待して読まれる方は少ないような気がするので、少し評価の分かれる作品かもしれませんね。 でも、生々しい女性を描くのは本当に上手い!と再認識した作品でもありました。お気軽にどうぞ。 一番好きな短編は「ハムスター」です。 『恋愛と結婚は違う。その延長線上にありながらも、それらは子供の浮輪と救命ボートぐらい違うのだということを、私は結構若い頃から知っていた。』 評価8点 ... 柴田さんの人気投票復活します。 - 2003年03月30日(日) レンタル先の都合で消えていた柴田さんの作品人気投票を復活します。 今までの得票数を記しておきます。 2003年4月1日現在66票 ☆『ふたたびの虹』9票 ☆『RIKO −女神たちの永遠ー』6票 ☆『フォー・ユア・プレジャー』『聖なる黒夜』5票 ☆『月神の浅き夢』4票 ☆『PINK』『フォー・ディアー・ライフ』『桜さがし』3票 ☆『Close to You』『Miss You』『ゆきの山荘の惨劇』『ラスト・レース』『炎都』『貴船菊の白』『残響』『淑女の休日』『少女達がいた街』『猫と魚、あたしと恋』『風精の棲む場所』2票 ☆『RED RAIN』『ゆび』『観覧車』『紫のアリス』『聖母の深き淵』『猫探偵正太郎の冒険1』1票 ... 『葡萄物語』 林真理子 集英社文庫 - 2003年03月29日(土) 山文さんみたいにグサッと来ないが、しっとりと読ませてくれる小説です。 はっきり言って、既婚者向けかなあと思います。 不倫の話だが、結構読後感が爽やかです。内容は切ないですが・・・ ラストのまとめ方がとってもいいと思う。不倫相手の渡辺さん、爽やかで本当にワインが似合うって感じかなあ・・・ なんといってもいいのは主人公がどこにでもいそうなありきたりの平凡な主婦である点。林さんのイメージからして高飛車な女性が登場かなあと思いましたが、主人公を含めた3人の女性、みなさん憎めませんねえ(笑) なかなか主婦の哀切をうまく描写してると思いますヨ。読者が納得の行く作品展開内容だと思います。 ひとりひとりの登場人物のキャラ設定もなかなかのもの。例えば、子供が出来ないのを嫁のせいにしている姑とか、あるいは他の男と出来てるのに若い頃からの憧れを通している男(夫)など・・・ 思わず頷いちゃいますよね。 夫や妻に不信感を持ってる方が読まれたらきっと何かを感じ取れる作品かなあと思います。男の私が言うのもなんですが女心を上手に描いてますよ。ドロドロしてないところがとっても良い。性描写もほとんどありません。爽やかなり! 評価8点 ... 『桜さがし』 柴田よしき 集英社文庫 - 2003年03月25日(火) 柴田さんの文庫新刊です。 京都を舞台とした中学時代からの友人同志である4人の男女と彼らの恩師である浅間寺先生を中心とした、ミステリー色を含んだ青春物語です。 なんといっても教え子4人の恋愛模様が上手く描かれています。8つの物語を通して4人の関係が変化していく模様がとっても楽しめます。 舞台が京都であるので、四季折々の風物や題材を巧みに織り交ぜており、より一層切なさがます感がしますよ。 若者であるがゆえに人生を模索している所がなんともほろ苦くてあっという間に引き込まれます。 でもみんな前向きなのがとっても清々しく感じられます。 ミステリーというより恋愛小説かなあと思います。 『ふたたびの虹』みたいにしっとりとは読ませてくれませんが、各編主人公が入れ替わっていき、若者の微妙な心の動きを堪能出来ラストへと繋がって行きます。 さてさて、ラストはどうなるか、読んでのお楽しみということで・・・ タイトルからして今の時期に読めばより一層楽しめるかなあと思いますよ。 関西弁のノリのよさもこの作品の特徴であることも付け加えておきます。 評価8点 ... 名古屋オフ会実施レポ - 2003年03月23日(日) 昨日名古屋オフ会を開催しました。(報告ミスはご容赦ください。) 名古屋駅のエスカレーターを上がったところで午後1時15分に待ち合わせでした。 1時過ぎにエスカレーターの下でみかんさんと出会い、上にあがると予定通りショートさんが赤の鞄を持ってられました。 その時に、MMさんが可愛いお子さんを連れられてすでに来てました。あとマサルさんも見えてられました(?)私も少し緊張気味だったのでちょっと記憶が定かではございません(お許しを!) はなさん、なおぞうさん(唯一の顔見知り)、けこたんさんとゾクゾク登場、最年少のブッチさんは近くでいたけど声をかけにくかった模様(あとのカラオケで大変身しますが・・・)、最後に仕事帰りのあさみさんが登場して全員集合、ホッとしました。 1次会はタワーズレストランの12Fのカッパで1時半から行いました。 開会のあいさつを行い(まだ緊張気味でした)そのあと各自お好きな料理(というか定食)を頼み、自己紹介を実施。少しづつ打ちとけあっていったように思えます。 私はなおぞうさんと同じく寿司を食べました。個人的に少しビールを飲んだのでリラックスしましたが、あんまりビールを飲まれる方がいらっしゃらなかったので少し残念な気もしました。 食事会のあとになおぞうさんのオフ会では恒例の(?)本の交換会を実施、はじめに私が持ってきた プレゼント本のプレゼントを実施しました。 タイトル名と誰に渡したかを記させていただきます。 ☆MMさん(犯人のいない殺人の夜、怪しい人々、エイジ) ☆ブッチさん(霞町物語、見知らぬ妻へ、夢にも思わない、今夜は眠れない) ☆ショートさん(Miss You、ななつのこ、魔法飛行、暗いところで待ち合わせ) ☆なおぞうさん(定年ゴジラ) ☆まさるさん(幻の声、紫紺のつばめ) ☆けこたんさん(深川恋物語、霧の橋) ☆みかんさん(あなたには帰る家がある) ☆はなさん(プラナリア、肩ごしの恋人、GO) 次にそれぞれの方が持ってきていただいた交換本をひとりずつ披露していただきました。 持ってきていただいたタイトル名と誰に渡ったかを記させていただきます。 ★トラキチ 唇のあとに続くすべてのこと(あさみさん) リレキショ(あさみさん) 今夜誰のとなりで眠る(みかんさん) 四日間の奇蹟(なおぞうさん) 深追い(あさみさん) ★ショートさん リズム(みかんさん) ゴールドフィッシュ(みかんさん) ウェディングドレス(みかんさん) いろはにこんぺいと(みかんさん) ★けこたんさん リアルワールド(ショートさん) 神田川見立て殺人(MMさん) ★あさみさん 少年たちの四季(トラキチ) トワイライト(MMさん) リスク(MMさん) 忘れ雪(なおぞうさん) ★みかんさん サーティーブルー(はなさん) 別ればなし(あさみさん) トワイライト(ブッチさん) 永遠の咎(あさみさん) スローグッドバイ(MMさん) 観覧車(けこたんさん) ★MMさん 新興宗教オモイデ教(はなさん) R.P.G(ブッチさん) ライフ・イズ・ビューティフル(ブッチさん) アウトブレイク(ショートさん) ★はなさん 光の帝国(ショートさん) 白河夜船(トラキチ) パン屋再襲撃(なおぞうさん) ★なおぞうさん 手紙(ショートさん) リトル・バイ・リトル(みかんさん) 陽気なギャングが地球を回す(ブッチさん) 研修医純情物語(トラキチ) ブレイブストーリー(けこたんさん) ★ブッチさん ファンレター(ショートさん) 海の挽歌(あさみさん) 風化のひと(ショートさん) 金田一耕助の帰還(はなさん) 結構、白熱した交換会となりました。 無事に終了した後、記念撮影会を実施しました。 HPお持ちの方、公開しないで下さいネ(爆笑) 時間が3時20分ぐらいになったので一次会はこれで終了、場所を変えてカラオケ大会を実施しました。 残念ながら、MMさんとけこたんさんは用事があるために一次会で帰られました。 寂しさと感謝の気持ちを交錯させてカラオケボックスに行きました。 道中、少し迷いましたが到着。 ここから、ブッチさんとマサルさんの独壇場となりました(笑) ブッチさんは18番のゆずとミスチルの歌を連発、マサルさんも負けじとイエモン(?)の歌を美声で応酬。 なおぞうさんも直立不動の姿勢で歌う得意のポーズを披露しました。 あと印象的なのは、はなさんの抜群の歌唱力、バンドをされてるらしいのでショートさんにボーカルですかと聞きましたが、どうやらベースらしいです。「エースをねらえ」はテレビの主題歌を聞いてるような気がしました。 ショートさんは魅惑的な歌声で奥村チヨの歌を熱唱。あと、あさみさんの唯一歌った山口百恵の低音も記憶に残りました。 みかんさんは、皆さんの応援団に徹してましたが、途中でチュウハイを注文して少しリラックス出来たんだなあと安心しました。 途中でまさるさんが用事の為に帰られました。 私は次の4曲を歌いました。『We’re All Alone』『嵐の金曜日』『恋』『大きな古時計』 トリはなおぞうさんの『I Love You』、オオトリはブッチさんの『抱きしめたい』で締めくくり! 時間は6時になってました。 少しおなかがすいてきたので、予定を変更して、はなさん以外ラーメンを食べに行こうということとなりました。ここではなさんとは残念ながらお別れしました。 ラーメン横丁(?)に行こうということになったのですが、ぼてぢゅうを私が見つけ急遽変更(結構、主体性がないんです)。 ぼてぢゅうでお好み焼きを食べ、本の話を熱く再開。 あっと言う間に8時前になりました。 普段、共通の趣味を持ってるにも関わらず会えない方とこういう機会を通して会う事によってより一層親密になれたと思ってます。 もちろん、ネット上だけでも楽しいのですが、会えばきっといい意味での意外な一面を見ることが出来ると思います。 それと、日本ってなんて平和で狭い国なんだろうということが、今こういう世界の情勢だからこそ強く実感できました。 大阪から名古屋まではとっても近いものです。本を100ページぐらい読んだらあっと言う間に着いちゃいます(笑) ご参加いただきましたみなさん、本当にありがとうございました。 共同開催していただいたショートさん、お疲れ様でした。 また、実施したく思いますのでよろしくお願いします。 あと、ご参加していただいた皆さん同士(私も含めて)、もっとお互い親密になれることを願ってやみません。 心が暖まって帰阪したトラキチでした。 ... 『手紙』 東野圭吾 毎日新聞社 - 2003年03月21日(金) 久々に東野さんの力作を堪能させていただきました。 区切りの50作目。社会派大作といったらいいのでしょうか。 《bk1へ》 《Amazonへ》 強盗殺人を犯して刑務所に入った兄を持つ弟の苦悩を描いた物語です。 とにかく、ストレート勝負で読者にグイグイと押し迫ってきます。 まるでノンフィクションを読んでいるようだ。 本当に起こり得そうな話を、いつもの読みやすい文体で一気に読ませてくれます。 小説の範疇を超越した小説!と言ったら言い過ぎでしょうか? 直喜と剛史はもちろんのこと、妻の由美子や社長の平野、登場人物すべての行動や考え、いずれも間違ってないという点にこの作品の力強さがあるような気がします。 一番描きたかったのは、身内に犯罪者を持つ人間に対する現実社会の厳しさもさることながら、尊大な究極の愛だったというのは読み終えた方なら理解して貰えるんじゃないかなあと思ってます。 この作品で描かれてる兄弟愛のみならず、実生活において読者の身近な人に対する接し方もっと言えば人生における価値観も改めて考えさせてくれる1冊です。 無駄のない文章と言う点も含めて、名作『白夜行』を超えた東野さんの代表作かなあと思いました。 とにかく読んで下さい。胸が張り裂けそうになる作品です。いつまでも読者の心に色褪せることなく残るでしょう。 『兄貴、俺たちはどうして生まれてきたんだろうな。』 評価10点。 超オススメ! ... 『リレキショ』 中村航 河出書房新社 - 2003年03月19日(水) 初読みの中村航さん、本作は文藝賞受賞作だがちょっと風変わりなテイストを持った小説といったらいいのかなあ。 深夜のガソリンスタンドで働く19才の良の胸キュンな青春物語ですが、ゆったりとした不思議な物語の展開ですが、読後感は結構爽やかです。 少し踏み込みが弱いかなあとも思いますが瑞々しいタッチは私の好みでもあります(褒めてるのかどうかわかりませんが) 特に食べ物のシーンは作者の表現力の確かさをアピールしてると思う。 「履歴書」じゃなくて「リレキショ」なのがキーポイントとなっている。カタカナに作者の自己主張を感じました。特に、主人公の良が姉と一緒に住みだしたいきさつ等を詳しく描写していないところがイメージを膨らませいいと思う。 あと、ウルシバラからもらう何通かの手紙。 読者にとってはいい夢物語となるでしょう。 読んだあとに体操をしたくなりました(笑)次作も期待したい。 評価7点 ... 名古屋親睦オフ会のご案内PART�� - 2003年03月16日(日) 詳しい詳細が決まりましたので、この場で簡単にご案内します。(詳細はご参加者にメールで送らせて頂きます。) ★ご参加者 トラキチ、ショートさん、なおぞうさん、みかんさん、あさみさん、MMさん、はなさん、まさるさん、ブッチさん、けこたんさん 以上10名です。 ★集合時間 3月22日(土)午後1時15分名古屋駅構内 ★1次会 午後1時30分〜午後3時30分(食事&本の交換&懇親) ★2次会 午後4時〜午後6時(カラオケ&懇親) お店の方はショートさんが苦労して取っていただきました。 奮闘記はこちらをどうぞ。 3月10〜11日の分を参照して下さい。 この場をお借りして感謝致します。 あと当日本の交換会を行います。 私の出品予定本を記しておきます。 ちょっとマイナーな作品としました。 ◎『唇のあとに続くすべてのこと』 永井するみ ◎『スパイク』 松尾由美 ◎『今夜 誰のとなりで眠る』 唯川恵 ◎『リレキショ』 中村航 ◎『いつでも夢を』 辻内聖貴 ◎『神田堀八つ下がり』 宇江佐真理 ... 『対話篇』 金城一紀 講談社 - 2003年03月15日(土) 無駄のない研ぎ澄まされた文章という表現がぴったりの金城さんの3編からなる短編集です。 3編とも孤独な状況に置かれた主人公が、他人との“対話”によって心の扉を開いていく過程を見事に描写しています。 いずれも死をテーマとしていて重く感じますが、普段我々が忘れている他人に対する思いやりや生きて行く勇気を与えてくれる。 中でも、最後の「花」は秀逸。感動的な物語と言えそうです。 最後に胸を締めつけられました。 読んだあとに“自分の人生と真っ直ぐに向かい合える手助けをしてくれる”1冊といえそうです。 真っ白な装丁の本に金城さんの強い自己主張を感じたのも私だけじゃないはずです。 人生って奇遇だなあと痛感しました(笑) 評価8点 ... 『螺旋階段のアリス』 加納朋子 文藝春秋 - 2003年03月14日(金) 子供の頃の夢を実現する為に30年勤めた会社を辞め、探偵事務所を開いた仁木順平、ある日、事務所でウトウトしている時に、ビルの非常口につながる螺旋階段からひとりの美少女が白い猫とともに登ってきた。彼女は「探偵の助手になりたい」と言うのであった・・・ 加納さん得意の日常のどこにでもありそうな事件を、サラッという文体で読ませてくれます。 ただ今回は、探偵事務所というシチュエーションの為に今までの作品とはちょっと違った感じとなっている。全7編からなるがほとんどが夫婦間の問題を題材としていて読者にそのあり方を投げかけてくれている感じがする。 なんと言っても、2人のアリスフリークである少しシャイな仁木と機転の利く安梨沙のコントラストがとってもよく、最終編での妻鞠子の登場も物語の謎を一気に解決してくれています。 各編ともにルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」内でのストーリーを取り上げていて、作品全体をより味わい深いものとしている。 個人的には「螺旋階段のアリス」と「最上階のアリス」が好きです。 安心して読める作品です。読んだあと優しい気持ちになれる1冊と言えそうです。 評価8点 ... 「幸福な朝食」 瀬尾まいこ 小説現代3月号掲載 - 2003年03月09日(日) 追いかけて行きたい作家の瀬尾まいこさん、雑誌掲載短編を読みました。 今回は家族4人が揃っているシチュエーションでの物語となっている(厳密に言えばそうではないのですが読んでのお楽しみという事で・・・) 相変わらず、ユーモアを交えたセンスあふれる文章は目を見張るものがあって、引き込まれます。 内容的には『卵の緒』の2編に比べたら感動的な物ではないが、家族のあり方という観点においてはこちらの方がインパクトが強い作品となっている。 主人公(中2の女の子)も含めた家族4人の描写がとっても秀逸。 途中でわかる5年前の出来事から、今の姿がとってもよくわかる様に描かれていて一気に感情移入することが出来ました。 瀬尾さんの表現力の確かさは例えば主人公と直との絶交のシーンで顕著に表れています。(これも読んでのお楽しみという事で・・・) 結局、この家族はみんな誰よりも純粋なんだと納得しました。 坂戸君とのお別れのシーンはじーんとくること間違いないでしょう。 家族のあり方を上手く描いた秀作といえると思う。 読んだあと幸福感がきっと得られると自信を持ってオススメできる作品です。 『もし、佐和子が蹴飛ばされたら相手がアントニオ猪木でも小公女セーラでも俺は絶対やっつけるよ」(中略)「佐和子のためならアントニオ猪木みたいに強くても勇敢に戦うし、セーラみたいにか弱くてかわいそうな相手でも同情せずにぶっ飛ばすってこと。』 評価9点 オススメ ... 『魔球』(再読) 東野圭吾 講談社文庫 - 2003年03月08日(土) こちらも続けて東野さん、再読しました。 青春ミステリーっと書いてますが、内容的にはかなり重いです。 話はとっても上手く作られてるのですが、果たして高校生がこんなことを考えるのかなあと読み終えた後強く感じました。 物悲しさを越えてやるせない作品かなあと思います。 人はその生まれ育った環境によってこんなに違ってくるのだろうかと、あらためて考えさせられる作品といえそうです。 ただ、ミステリーとしては犯人さがしに始まり、爆弾事件と殺人事件がどのように繋がっていくかとっても興味深く読めることも確かです。 本格推理好きな方には結構楽しめる作品かもしれませんね。 評価6点 ... 『むかし僕が死んだ家』(再読) 東野圭吾 講談社文庫 - 2003年03月06日(木) 数年ぶりに再読してみました。 東野さんお得意の伏線がいっぱい張られてる作品でサクサク読めます。 あらためて上手く作ってるなあと感心しました。 過去の記憶さがしのために昔の恋人沙也加と共に山中の別荘を訪れる主人公。登場人物はこの2人だけと言っていいだろう。物語のほとんどが別荘内で展開されてるので、まるで劇をみてるような錯覚に陥りました。 『悪意』と並ぶ隠れた名作かもしれませんね。 結構ミステリーとして楽しめる作品だと思う。 物語全体に流れるもの悲しいムードは最後にクライマックスを迎えます。 作品的には一行も無駄のない一気に読める作品と言えそうです。 沙也加さんとして精一杯生きていって欲しいと思い本を閉じました。 評価8点 ... 『PINK』 柴田よしき 双葉文庫 - 2003年03月01日(土) 会社の人に評判上々の柴田さん、またまた手に取りました。 阪神大震災によって婚約者を亡くしたメイがいろんな事件に巻き込まれるサスペンス&ミステリー。いつもどおりスイスイと読めます。 タイムリーな題材(メールや新興宗教など)を通して人の心を抉り出す技巧はさすがです。途中で刑事の三井さんのエピソードなんかを上手く織り交ぜてる点は、うまくスパイスを効かせてるなあと思いました。 少し中だるみ感があったのも否めないが、ラストが爽やかなのがとっても印象的です。由紀夫さんもきっとメイさんの幸せを祈ってくれてるでしょうね。 関西人が読んだら感動度が倍増するんじゃないかなあ・・・ きっと柴田さんは震災で心に傷を負った人へ前向きに生きようよという熱いメッセージを送ってくれたのでしょう。 女性が読まれたらきっと主人公のメイさんに共感できるものと確信しています。 文庫本の解説を担当している貴志祐介さんの名解説も見逃せません。 評価8点 ...
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