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2002年11月02日(土) 遅鍋(おそなべ)。。

今夜も冷える。
帰宅途中、車に付いている外気の温度計は、3℃であった。

寒い時は、鍋焼きうどんである。

大分前のことになるが、鍋焼きうどんを売り物にしている蕎麦屋があった。
今はもう、そこには違う業種の食べ物屋が建っている。

寒い冬のある日、仕事上がりに、その蕎麦屋に鍋焼きを食べに行った。
伊達巻のような感触の卵色の蒲鉾(オランダ焼)の薄切り、
大きな日の出蒲鉾、筍、極上の海老天が入っていて、とても美味しかった。

食べ終わった頃に、着物のお姐さん方が入ってきて、
「鍋焼き二つ。一つは遅鍋にして。」と言った。

一瞬、「遅鍋」の意味がわからなかったが、
多分、長めにたっぷりと火を通してくれ、という意味かとも思う。
気になって、色んな人に訊いてみたが、未だその本当の意味はわからずにいる。

今夜は、自分で多分これか、と解釈している「遅鍋」にしてみた。
うどんと餅、かき揚や葱を仕込んだ土鍋を、一度煮立ったら、
弱火で、ゆっくりぐつぐつと煮る。
最後に卵を落としいれて、ちょっとだけ火を通して、出来上がり。

うどんや餅、かき揚が、つゆをすっかり吸って、柔らかい。
鍋肌にうどんが焦げてくっついたのを、蓮華ではがしながら食べると、香ばしい。
半熟の卵をかき混ぜると、さながら、うどんのおじやのようである。

さて、「遅鍋」の本当の意味はわからずにいても、
この鍋焼きは、寒い夜に身体も気持ちも温まって、かなりいけたのであった。







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izumi [HOMEPAGE]

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