あたろーの日記
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2003年03月09日(日) ホリスティック医学

 「バイブレーショナル・メディスン」(リチャード・ガーバー著、上野圭一訳)教文社、という本を読んでいます。
 
 幼児の頃、予防接種を受けてショック状態になり、あの世に行きかけたそうです(両親談)。
 それが原因かどうかは分かりませんが、予防接種のたびに具合が悪くなってしまいます。学校でインフルエンザやツベルクリンの注射があるたびに人一倍落ち込んでました。具合悪くなる可能性が予め分かっているので、大抵最後に注射してもらったり、ベッドに横になって打ってもらったこともあります。今考えるとちょっと怖いことだけど、私の子供の頃はまだアレルギーを抱えてる子供に対しての理解が一般的でなかったような気がするし、1人だけ注射を受けないということに対する抵抗感もあったため、いつも不安を抱えながら予防接種の列に並んでいました。加えて何回も転校したため、校医さんや先生にそのたびに事情を説明しなければならず、話した内容の受け取り方も相手の認識もまちまちだったのでちょっと大変でした。校医さんに「大丈夫、たいして強くない注射だから」と言われ注射を打ってもらうと、数分後に真っ青な顔をして保健室のベッドに寝かせられていて、傍らでさっきの校医さんがこれまた青い顔をして私の腕にバンドを巻いて血圧を測っている、ということが何度もありました。
 きっかけは予防接種の薬物なのかもしれませんが、どうやら注射自体も身体が受け付けないらしく、歯科の麻酔も事情を話して量を加減して少しずつ打ってもらいます。麻酔事故があってはならないと先生も恐る恐るという感じなので、いつも申し訳ないと思ってしまいます。。
 さらには、血液検査の時の注射も駄目だったりして。情けない話なんですが、どうやら肌に針を刺すと反射的に具合が悪くなって貧血を起こしてしまうらしいです。
 そんなわけで、注射の時に具合が悪くなるのは精神的な問題だからどういう心構えでいたら倒れずに済むか、ということを真剣に考えたりしてました。翌日の楽しいイベントのことに頭を集中させたり、とにかく一生懸命空想の世界に飛んで行ったり(笑)、ほんと苦労しましたです。。
 でも、注射打たれたすぐ後に「今回は大丈夫だ」って確信しても、数分後にはやっぱりへなへなとなってしまう。
 そんな経緯から、いつしか、自分の身体と気持ちの密接なつながりに興味を持つようになりました。
 また、注射以外にも、抗生物質などの薬の中にも自分の身体に合わないものがあって、風邪薬で動悸が激しくなったりすることもあるので、現代医学を過信しないで自分の身体のことをある程度自分で守れるようにしないといけないなあ、なんて思うようになりました。
 
 「ホリスティック医学」という言葉があります。
 「ホリスティック」とは、ギリシア語から派生した言葉で、「全体の」とか「つながりのある」といった意味合いがあるそうです。
 「ホリスティック医学」というのは、簡単に言えば、単なる物質としての身体だけではなく、心、さらにはその人の霊性までをも含めて全体的に捉えていこうとする医学のことです。霊性というと心霊とか幽霊とかそういった方向に思われるかもしれませんが、そういう意味ではなく、人の存在の根源的なもの、と言ったらよいでしょうか、心の動きのように表面的にも自分で簡単に分かるものではなく、もっともっと深いところにあるものかと思います(私には上手く説明できないのですが)。現代医学だと、例えば病院でも内科、胃腸科、泌尿器科、眼科・・・等々、身体のパーツごとに診療科が分かれてますよね。さらには精神科、脳外科、心療内科も別個。それぞれにおいて精密機器による検査や治療。薬物投与。主に西洋医学に基盤を置いたやり方。
 もちろん、現代医学を否定するわけではありません。これはこれで大切だし、非常に有効な技術だと思います。ただ、「ホリスティック医学」というのはこういった西洋医学に根ざした現代医療とはちょっと違って、身体をパーツで捉えるのではなく、心や霊性といった一見目には見えないような部分とのつながりを含めて、また人間の自然治癒力をも重視しながらトータルに考えていこうとする立場にあります。
 身体中にある経絡を利用した鍼治療とか、インドのアーユルヴェーダ、今女性に人気の植物の精油を利用したアロマテラピー、リフレクソロジー、それから昔からある民間療法、また最近では「野口整体」も注目されてますよね。さらにはカウンセリングを中心に心理的な部分に不調の原因を探っていく心理療法とか、前世療法(これについては私は少し疑問があるのですが、一定の成果を上げていることは確かなようです)。クリスタルやフラワーレメディ(植物のエネルギーを水に転写したもの)やイルカなどによるいわゆるヒーリングと呼ばれるものもこのホリスティック医学に入ります。他にも沢山の治療法があるようです。。
 中には効果の怪しいものもあるだろうし、「プラシーボ効果」もあるようです。知識がないのに利用するとかえって危険なものもあると思います。一口に「ホリスティック医療」と言ってもとても沢山の種類が含まれます。
 なんかだらだらと書いてしまいましたが。。。
 
 自分の身体と心のつながりを考えているうちに、現代西洋医学と、伝統医学に根ざしたまたは影響を受けた「ホリスティック医学」の両方を、バランスよく組み合わせて利用したほうがいいかなあ、と思うようになりました。
 と言っても、現代西洋医学で自分に合わないものがあるのと同様に、ホリスティックな医療でも自分に合わないものもあるだろうし、手放しで受け入れるわけにはいかないものも多いと思います。飲み薬や病院を選ぶのと同様に、自分の目できちんと慎重に選んで利用しなければならないとも思います。人によって向き不向きもあるでしょうし。
 現代西洋医学では治らない、また原因不明といわれる身体の不調も、ホリスティック医学で解決できるケースも多いようです。当然逆もありますが。

 ホリスティック医学の入門的な著書としては、
 「癒す心、治る力」(アンドルー・ワイル著 上野圭一訳)角川書店
 「いのちの輝き」ロバート・C・フルフォード&ジーン・ストーン著 上野圭一訳)翔泳社
 が分かりやすくておすすめかと思います。
 
 冒頭に挙げた「バイブレーショナル・メディスン」は、情報量は多いのですが、その中のどれを肯定するかは読み手によってはっきり分かれるかも。


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