あたろーの日記
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2003年03月15日(土) 書くということ。

 このサイトを作ったばかりの頃にもちらっと書いたのですが、実はプライベートで小説を書いてます。
 互いに切磋琢磨し合う仲間達や、作品を発表する場にも恵まれています。
 初めて物語らしきものを書いたのが小学4年生の時。それからずっと、程度の差はあれども、自分は一生書くという行為をやめないだろうと漠然とですが感じてきました。

 私はけっして饒舌ではありません。むしろその逆で、口下手なほう。・・・と言うと、普段私と接している人達は笑うかもしれません。どっちかというと社交的に思われるみたいだし、実際人前ではおしゃべりだし、誰とでも気軽に話すことができることはできるから。
 でも、ほんとは、話すのはあまり得意ではありません。口を動かしながら、頭の中では、自分が言いたいことが相手に上手く伝えられないことにいつも焦りを感じています。まず、言葉の順序が滅茶苦茶になってしまうし、主語と述語がよく逆になるし、ひとこと言ってから慌てて他の言葉を付け足すことも多いです。そういった単純な語順のミスもあるけど、基本的に考えるのがトロいので、ホントに言いたかったことは、会話がとうに終わった後で、1人になって考えてるときにようやく浮かんだりして、自己嫌悪に陥ることもしばしばです。くだらない駄洒落はぽんぽん飛び出すのにね(笑)。あ、駄洒落なんか考えてるから肝心なことが浮かんでこないのかな(^^)
 
 しばらくブランクがあってから、物語を書くということを再び始めた20代の中頃になって、やっと、自分には話すということよりも書くということのほうが性に合っているのではないかと気がつきました。
 目の前にはいないけれど、読んでくれる相手を想定しながら、ゆっくり考えながら、ひとつひとつ言葉を選んでいく。言葉のつながりが生み出す新たな文章が、本当に自分の言いたいことを表現しているか、じっくり読み直す。。。さらには、書いているうちに脳が活性化されるのか、書いたものが生き物のように呼吸を始めて、最初は想像していなかった話の展開がどんどん生まれていくこともあったりして。
 喋るということはとても大切なことだと思います。ただ、私の場合、書くことのほうが、自分自身に一番近い自分を出していける貴重な手段になっています。

 とても遅筆なので、ひとつの短編小説を書き上げるのにも結構時間を掛けるほうです。そのくせ、一作品完成すると、気が抜けたり、自信がなくなったりして、次の作品を書き始めるまでにさらに時間がかかります(笑)。
 これじゃいけないとは思うんですが。。
 前回短編・・というか掌編小説を書き上げたのがもう半年以上前になります。その後、自分で書いたものを読んで、ずいぶん落ち込んでしまいました。物語という形にしようとするあまり、本当に自分の表現したいことを綺麗に押入れに押し込めてしまったよう。見栄えにこだわるあまり、子供の足に合わないぎゅうぎゅうの靴を履かせてしまった母親のような気分でした。
 それから何度か、気を取り直して次の作品に取り掛かったのですが、やっぱり自信を失くしてしまい、書き出しては投げての連続。。。
 
 実を言うと、このホームページを作ったのは、そんな自分が、書き続けるという行為をやめないための隠れ処としてです。
 小説を書く仲間達は、私のこのホームページの存在を知りません。
 別に隠す必要はないのでしょうが、小説が書けない状態で、偉そうに毎日日記を書いている自分って、ほんとは好きではありません。
 でも、何かしら書き続けていないと、自分が自分でなくなっていくような大きな不安があるのです。それが、小説であっても、日記であっても。
 こうして、目に見えない読み手の方を想定して、毎日ワンテーマを決めて日記を書くという行為が、小説を書くことへのリハビリにもなっています。
 
 最近、ようやく、次の作品に本気で取り掛かる気持ちになってきました。
 なんて書くと、どんな凄い作品なんだろうって思う人もいるかもしれませんが、私のレベルはたいしたレベルではありません。
 でも、自分の中で、ひとつの作品を超える何かが次の作品に含まれていれば、自分の書く力は着実に進歩しているのだなと実感できます。残念ながら、そういう満足感はなかなか得られないのですが。たぶん、それは、作品を書いている最中の心の充実度と比例するのかもしれません。書くということに対する心構えとも関係しているのかもしれません。
 
 小説を再び書きたいという気持ちになった要因は、他にもあるのですが、やはりここに毎日こうして日記を書き続けてきたことも大きいと思います。
 目の前にはいないけれど、毎日読んでくださる方々がいるということが、ホームページを始めた当初は予想できなかったほど、自分にとって大きな励みになっています。
 プロの作家ではない私が小説を書くというのは、ごくごくプライベートな行為ですが、こういう半パブリックな場所が自分に与えられていることにとても感謝しています。
 毎日読んでくださって、ほんとうにありがとう。。


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