あたろーの日記
DiaryINDEXpastwill


2003年03月19日(水) アメリカ大使館に抗議に行きました。

 いかなる理由でも、戦争はしてはいけないのです。
 正義のための戦争など、ありえません。
 しょせん、戦争は殺し合いです。
 人が死にます。
 親を失う子供が増えます。
 子供を失う親が増えます。
 友を失う人が増えます。
 人種、民族、国、宗教、信条、主義主張などの違いは問題ではないのです。
 人の命はいかなる理由であれ、奪われてはならないのです。
 戦争によって多くの命が失われ、多くの子供達が飢餓に陥り、飢えてさらに命を落としていくのです。
 
 戦争によって人間以外のほかの多くの生物の命も奪われます。
 緑は色を失い、多くの生きもの達が行き場をなくします。
 大量の資源が破壊のために使われ、それが地球環境をさらに悪化させます。その後遺症は数年やそこいらで癒えるものではありません。
 
 報復は報復を生むだけです。
 憎しみは憎しみを引きつけます。
 戦争によって誰かが愛する人を失って悲しんでいるのなら、世界中のどこにも平和は存在しないことになります。
 人間の脳は、武器を作り人を殺すことを考えるために発達したのではありません。
 もっと他の方法を探すために大きくなったのです。

 
 いてもたってもいられなくて、仕事が終わったら会社からそのままアメリカ大使館に行きました。
 誰かしらいるだろうと思っていたら、やはり、最初は50人ほどでしたが、大使館の門の前、道路を挟んで反対側の歩道に人のかたまりができていました。あとで聞いたところによると、赤坂警察署が付近の道路を通行止めにして、他の歩行者の邪魔にならないという条件で協力してくださっていたそうです。
 白い紙コップの中につまようじを通し、そこに小さなローソクを刺したものを頂き、ローソクに火をつけてもらう。私もライターを借りて、他の人のにつけて回る。
 みんな思い思いのプラカードを掲げて、声を合わせて大使館の建物に向かって叫ぶ。「ノーウォー」「ストップウォー」「ウィーウォントピース!」
お経を唱える人もいる。歌う人もいる。躍っている人もいる。みんなそれぞれの抗議のかたち。想いのかたち。
 紙コップのローソクが消えて次のローソクをつまようじに刺したら、そばにいる見知らぬ仲間の紙コップから、火を分けてもらう。ローソクとローソクを重ね合わせて、新しい小さな火がともる。・・・こんな風に、平和を祈る気持ちもつながっていけばいいのに。。。
 ふと、後ろを振り返ったら、最初は50人足らずだった仲間が、200人以上に膨れあがっていました。みんな、仕事を終えてから駆けつけたようです。
 年齢、性別を問わず、いろんな人がいました。
 20代、30代と思われる人が比較的多かったけど、それ以上の年代の方々もとても多かったです。

 やがて、この集まりの中心になっている「WORLD PEACE NOW JAPAN」のメンバーの挨拶。一昨日の夜中から6人で始めて、今日はこの規模になったのだから、凄いなと思いました。
 これから「人間の楯」としてイラクに向けて出発する若い男性がマイクを持って挨拶しました。どこからか誰かが「みんな彼とひとりずつ握手しようよ」と叫んだ。
 私の冷たくなった手。それに比べてこれからイラクに行くという彼の手は、とても温かかったです。「人間の楯」としてイラクにいることが果たして効果があるのかいろいろ議論されているようです。大切な命を無駄にしてしまうのではないかという危惧を私も持っています。・・・けれども、それが彼のやり方だし、信念で決めたことなのだから、今はもう応援するしかないと思いました。
 あの彼の温かい手のぬくもりがこの先もずっと続くよう、彼が生きて日本に帰って来れるよう、私は私に出来る形で平和を求めて行こう・・・でも、イラク攻撃が避けられない情勢になってきたことを考えると、「気をつけてね」と彼に声をかけるだけで、もう何かが喉元までこみ上げてきて、それ以上何も言えませんでした。
 薬害エイズ訴訟原告の川田龍平さんも参加されてました。
 彼の挨拶。「同じ過ちを二度と繰り返さないために」という言葉が強く印象に残っています。薬害エイズ問題も、戦争も、政府や官僚が人の命の重さを顧みず、まるでチェスの駒でもあるかのように扱うことによって、多くの罪もない人々の上に悲劇が降りかかるのです。
 私は18時半頃から20時過ぎまでいましたが、まだまだ皆残っているようです。中心になっている人達は大使館の前で寝泊りしているそうです。
 ・・今夜の様子は写真日記に少しですが掲載しました。

 明日はイラク攻撃が始まってしまうかもしれない日。
 仕事を終えたら、またアメリカ大使館に行きます。
 ブッシュ大統領まで声が届かなくても、こうして戦争に反対する人間がいることを示すために。
 
 それぞれのやり方でいいと思います。
 署名に参加する、地域の集まりに出る、家族をはじめとする周りの人と戦争について話をする、ブッシュ大統領や他の国や団体の首脳にメッセージをメールで送る、反戦の意味が込められたアイテムを持つ、そして、祈る、等。
 祈ることは大切だと思います。
 祈りの及ぼす作用はあまりにも過小評価されているきらいがありますが、祈りの力はとても強いと思います。
 
 平和のために祈る人がひとりでも増えて欲しいです。。

 
 
 
 
 


あたろー |HomePage