あたろーの日記
DiaryINDEXpastwill


2003年03月20日(木) 米国大使館前シュプレヒコール

 こんな風に自分のサイトに戦争反対の意見を何度も書いたり、デモに参加したりすることについて、なに馬鹿なことやってるんだろう、とお考えの方もいらっしゃると思います。
 けれどこれが私のやり方です。
 どうしても戦争は許せないのです。
 人が人を殺す、そのことが許せないのです。
 この地球が、この環境が、あたかも人間だけのものであるかのような考え方も、間違っていると思うのです。
 多くの方がいろんな方法で反戦の意思表示をされていると思います。
 私も、私にできるやり方で、とにかく行動していきたいのです。
 本当は、今日のこのイラク攻撃のニュースを知って、怒りではらわたが煮えくり返る思いなのです。世界全体にとって、あまりにも悲しい出来事です。胸が締め付けられるほど苦しいのです。
 でも、その原因を作ったブッシュやアメリカを憎んだり、暴力的な行動に出て自分の主張を押し通そうとしたら、それこそブッシュやアメリカと全く同じ行動をとっていることになります。そもそもそんなことをしても状況は悪くなるばかりで根本的な解決には何も至らない。
 だから私は、出来る限りの署名をしたり、デモに参加して多くの仲間と声を上げたり、こうして自分のサイトにみんなの反戦運動の様子を写真や言葉で掲載してサイトを見てくださる方に情報として知ってもらったり、さらには自分の想いを日記に綴ったりしたいのです。
 自分と同じことを他の方々にもしろとは言いません。人それぞれ考え方は異なるし、平和の訴え方も違うと思います。平和を願う行動は他にもいろいろあると思います。自分が偉い人間だとも、凄いことをやっているとも思っていません。もっともっと多くの大変な活動を長く続けている人達が沢山います。私は、今の今、自分がしたいことをしているだけです。本当にすべての人の命が尊重され、地球環境が守られ、生きとし生けるものが大切にされる、そんな世の中になって欲しいから、自分なりのやりかたで行動しているだけなのです。そして自分のやっていることを自分のサイトで表現することによって、興味を持って見てくださる方々の参考になったり、草の根の記録としてネット上に存在できれば、と願うのです。
 私のサイトを見て誰かがパソコンの前で共感してくださった時、目には見えないけれどもそこで平和を願うネットワークがちゃんとつながるもんだと思っています。目には見えなくても、何かが一歩前に進むのではないかと思うのです。。。

 今日も仕事を終えて赤坂のアメリカ大使館に向かいました。
 まさかとは思ったのですが、地下鉄の溜池山王駅から地上に出る出口は、アメリカ大使館に一番近い出口を念のため避けました。あとから知ったのですが、大使館そばの地下鉄の出口は封鎖されて大使館に向かう人達は、そこで足止めを食らっていたそうです。
 地上には簡単に出ることができましたが、その後が少し大変でした。
 アメリカ大使館に続く道という道にはすべて警察官と機動隊が立っていて、大使館に向かおうという人達はそこから先へ通してもらえないのです。地下鉄の駅に一番近い大使館への道の入り口に立っていた警察官は、にこやかに「大使館に行かれる方は遠回りですが溜池のほうから回ってください」と示してくれたのですが、その通りに遠回りしていくと、次の路地に待ち構えていた別の警察官には「この先は通せません」と完全にシャットアウトされます。何組かの市民グループが警察官と押し問答をしています。その時警察官の1人が「何言ってるんだよ、他の人達はみんなもう何時間も前から来て(抗議)活動してるんだよ、あんたたちは今頃になってのこのこやってきて通してくれなんて虫が良すぎるだろう」と私達に言いました。・・・それを聞いた市民グループの人達も呆れたようでしたが、私も言葉を失いました。まったく話になりません。この警察官には何を言ってもたぶん無駄でしょう。・・・他の人達が警官とやり取りしている間にもしかしたら先に歩いていけるかもしれない、と思った矢先、目の前に20人位の機動隊の人達がやってきて、一気に道を封鎖してしまいました。
 武器など持たず、仕事帰りに職場の仲間達と通勤バッグ抱えたまま大使館前に寄って抗議の声を上げてこよう、という感じの何組かの市民グループがそこで諦めて来た道を引き返していきました。機動隊のほうを見て、首をかしげて「話にならない、これは一体なんなんだ」と呟く人もいました。
 私はもう少し別の道があるかもと思い、さらに遠回りしてみました。
 やはりいくつもの抗議グループがあちこちで警察官と機動隊に止められています。激しいやり取りも見えます。
 こういうときは、いかにも抗議に来ました、という様子は見せないほうがいいようです。プラカードを手にしていたり、2人以上のグループでは通るのも難しいようです。
 私は1人で、ただの通行人を装い、携帯電話でメールを打ちながら(実際は写真日記の文字を打っていました)、警察官と目を合わせないようにして運良く最後一番駅から遠くて警備の手薄だった道から大使館前にたどり着くことができました。警察官が他のグループを止めている脇を通ったとき「抗議に来たの?だったらこの先は通せないよ」と言っているのが聞こえました。
 おかしいと思いませんか?
 日本では言論の自由は保障されているのではないのですか?
 昨日はデモのための場所を確保して通行止めまでしてくれた警察の方が、今日はデモに参加するためにやってきた人達を大使館前まで行かせないように周りの道を封鎖しているのです。少しは予想していたのですが、やはり驚きました。
 
 ようやくたどり着いたアメリカ大使館前。
 昨日と同じ場所に、今夜は昨夜よりさらに多い人達がすでに集まっています。400人以上はいるでしょうか?昼間からずっといる人も多いようです。休日前夜ということもあるのでしょうか、また場所柄もあるのでしょうか、昨夜より、コートを着てブリーフケースを抱えたサラリーマンも多いような気がします。私と同じ位の仕事帰りとおぼしき女性も多いです。私と同じ位かそれより上の世代の方たちが圧倒的に多いかもしれません。小学生や幼稚園児を連れた家族連れも混ざっています。過激な行動を取りそうな人はまったく見えませんし、実際昨日も今日もそんな人に私は遭遇しませんでした。でも、私達の前にも脇にも、警察官が間隔を置いて立ち並び、時々機動隊が前の道路を列をなして横切っていきます。機動隊が向かった先からは、大勢の怒号が聞こえてきます。あとで知ったのですが、運良く大使館前に来ることができたのは私を含めほんの一部だけで、他に数千人規模の人達がそれぞれのグループで大使館前に集まる予定だったのに、周囲の道で止められてしまい、大使館に近づくことができず、警察官と言い合いや小競り合いになったりしていたそうです。
 どうしてですか??
 皆、なにも、大使館の建物に危害を加えたり過激な行動をとろう、危険なことをしようなどと思ってないことなど、集まった人達のいでたちを見れば分かるはず。沢山集まると暴動になるとでもいうのでしょうか?確かに大勢集まると将棋倒しなど何かと危険な事態は起こりうるとは思うのですが、皆少なくともブッシュ大統領よりは理性があって、何より平和を訴えたくて大使館前に集まってきているのです。大使館前でなければどこに行けば直接アメリカの役人に声が届くというのでしょうか?その場で立ったまま「戦争反対」「ストップウォー」と叫ぶことのどこがいけないのでしょうか?
 暴動を起こそうと集まった人達ではないのです。大使館に抗議したい人すべてを通して、大使館を取り囲んで抗議の声を上げるのを見守ればよいのではないですか?皆、1人1人の力では限度があるけれど、それが大勢になれば有効な力になると思ったから集まったのです。それなのに、規制されてしまいすべての人達が集まれないというのはどうしてでしょうか?
 これは明らかに言論の自由を奪う行為ではないでしょうか。。。
 
 警察官も公務員の職務を遂行しようと一生懸命なのは分かります。
 ほんとうは一緒に抗議の輪に加わりたい人だっていると思う。だからあそこに立っていた警察官個人個人を非難しているわけではないのです。人にはそれぞれに立場というものがあるから。
 ただ、自分の意見を訴えるために集まる人達を排除するということを、一体誰が決めたんだろう、と思います。
 自分の言いたいことを言うのに窮屈感を感じた夜でした。
 
 今夜はノンフィクション作家の吉岡忍さんも参加されていました。
 
 

 
 
 

 


 


あたろー |HomePage