あたろーの日記
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種田山頭火(1882-1940)の句が好きだ。
捨てきれない荷物のおもさまへうしろ
どうしようもないわたしが歩いてゐる
いただいて足りて一人の箸をおく
ころり寝ころべば青空
草のそよげば何となく人を待つ
裕福な家に生まれるも、幼い頃、父が他の女性と旅行中に母が自殺、父の事業の失敗、自身の神経衰弱など様々な波乱を経て、やがて妻や子と別れて禅僧として放浪の旅に出、58歳で亡くなるまで、一人句を詠み、日々孤独と向き合い続けた山頭火。 比較にならないほど賑やかに人やモノに囲まれ、慌しい毎日を送っている私が、どうして山頭火の句に強く惹かれるのか、自分でもうまく説明できないのだけれど。
孤独って好きだ。 一人で考えてく時間の重なりって好きだ。
孤独にもいろいろあって、たとえ家族と一緒でも、誰かと暮らしていても、会社にいても、友人といても、心の中に寂寥感を感じることもあるかもしれない。大事な人と死別して、孤独を噛みしめながら生きている人もいるかもしれない。周囲と上手く調和できずに、一人ぼっちだと思いながら暮らしている人も多いかもしれない。 孤独の受け止め方は人それぞれかと思うけれど。
苦しいことかもしれないけれど、自分の孤独とちゃんと向き合って生きてきた人に強く惹かれる。 自分の中の孤独を飼い馴らして、大切にして、そこから何かを引き出していく人って好きだ。 自分の孤独を見つめることのできる人は、自分にとってほんとうに必要なものが何なのかが自ずと分かる人なんじゃないだろうか。 そういう人の行動は、まっすぐで、シンプルで、裏表がないんじゃないかって思う。 いつか、互いの孤独を持ち寄って、小さな屋根の下につつましく暮らしたい。
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