あたろーの日記
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2003年05月07日(水) とあるバーにて。。。

 和尚さん達に、大阪のとあるバーに連れて行っていただきました。
 アーリーアメリカンな雰囲気のこじんまりとしたバー。
 お客は私達3人のみ。その業界では知らない人はいないほどの超ベテランのマスターに、カウンターを挟んでお酒の世界の話をいろいろ聞かせていただきました。連れて行ってくださった和尚さん達の行きつけのお店で、和尚さん達も洋酒にはお詳しいので、ほとんど無知な私はどれを伺っても目から鱗状態。貴重なラム酒もいろいろ試させていただいて、滅多にない経験となりました。
 ひとしきり呑んで、心地よく酔いが回ってきたかなあ、という頃合に、和尚さんが「トイレが2階にあるけど、用がなくても行って来るといいよ」とおっしゃったので、これは何があるのだろう?と思いながら階段を上がってみました。
 木造の階段を上ってすぐの所にトイレはありました。その先は、以前はテーブル席があったのかな、というくらいのちょっとした部屋になっていて・・・。

 ・・・身体中のアルコールが、一気に血液から抜けていきました。

 部屋の片側の壁一面はガラス張りの陳列棚になっていて、そこにずらっと仏像が納まっていたのです。
 千手観音、不動明王、阿弥陀如来・・・十数躯の木彫りの、大人と等身大の仏様達が、目の前の私を見下ろしていたのです。
 素人の私にも、見事な腕の方が彫られ、そしてまた繊細な感覚の方が彩色されたのだということが分かりました。
 しばらく呆然と立ちすくみ、その場を離れることができませんでした。
 ・・・トイレに入ることも忘れるほどでした。

 階下に戻って聞いたところ、上の仏像はすべて目の前のマスターの手によるものと知って、再びびっくり。彫るのも彩色するのも、すべて仏像彫刻歴ウン十年カクテル歴ウン十年のマスターが1人で行われたそうです。
 同行の地元の和尚さんも、初めてそのお店にいらしてしこたま呑んで2階のトイレに行ったときは仰天なさって、身体中のアルコールがさあっと引いて阿弥陀様の前に棒立ちになり、「こりゃかなわん、ご本尊が寺で待っとる、今日はもう帰らなあかん」とそそくさとお寺にお帰りになったとか(笑)。
 ・・・バーに来て仏様に手を合わせる経験なんて、そう滅多にできるもんじゃあございません。。。
 
 バーのマスターって味と深みのある方が多いんだな、って思っていたのですが(そう沢山行ってないですが)、この意外性には心底驚きました。
 いろんな方がいるのですね。。。
 とってもディープな大阪を案内して頂きました。。

 


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