あたろーの日記
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2003年05月31日(土) 一歩一歩

 昨日の金曜は、ごき騒動に始まり、月末業務でずっとどたばたしてましたが、まあ、どたばたするのも嫌いじゃないんですね、きっと私って。
 IT関係の会社で派遣社員として庶務や経理的な業務をしているのですが、仕事の内容は私に合うものじゃござあせん、まったく。威張れることじゃないのですが、事務的な仕事はまったくできません。毎日職場の人に迷惑かけまくりですね。そもそも、フロアを慌てて走り回ってること自体、迷惑行為だわね。すんませんな。
 ・・・そんな私を見て、職場の何人かの人が心配してくれます。とってもありがたい。その人達のほうこそ、ハードな仕事なのに。
 でも、今の職場も、これまでの職場も、不思議なことに、結構楽しんでる自分がいたりするのです。いろんな仕事した(アルバイトも含めて)けど、どれも、何かしら自分のためになってるような気がするし、毎日の通勤電車や職場、いろんなシチュエーションで自分が思うこと、考えること、見ること、すべてが今とこの先の自分を作り出す素になるから、どんな些細な経験も私にとっては大切。テレビすら見ないアナログ人間の私がIT業界にちょこんと居候させてもらってるのもミスマッチな構図だけど、私にとってぜんぜん無駄なこととは思えないです。生活費を稼ぐためと、普通の会社というものの世界を覗くために派遣社員になったけど、それだけでなく、いろんな意味で今の生活が将来私にもたらしてくれるものは大きいと思ってます。それこそ、地下鉄での通勤から、社員食堂のごはんの味や、職場の窓から見える風景、ちっちゃな瞬間のちっちゃな感覚を自分の中に噛みしめながら毎日大切に過ごしていけば、それが自分の生み出すものになにかしら影響を与えてくれるはず、と思っています。自分の生み出すもの・・・たとえそれが、誰かに送る葉書の片隅に描いた小さなイラストであっても、また、コーヒーを飲みながら書き留めた短い一編の詩であっても。
 それに、一口にIT業界といっても、いろんな人がいるんですよね。どんな職場でもそうですが、どの人もみんな個性的。人間ってみんなオリジナルなんですよね。不思議なくらいオリジナル。街を歩いていても、電車に乗っていても、会社に行っても、人って面白い。どの人も興味深い。人の数だけいろんな日常、いろんな人生があって、どんな人の毎日も同じくらい重みがあって、その一端を知るのが楽しいです。いろんな人との会話も、話を聞くのも。会社と飲み屋(特に焼き鳥屋)は、いろんな大勢の人を垣間見ることができるから、私にとってはとてもありがたい場所です。
 でもほんとは都会って自分には似合わない。やっぱりいつか、数年後には、自然の中に住みたいです。だからこそ、今東京にいるうちに、30代前半の今のうちに(あ、もう半ば??いや、まだ前半!)見て聞いて感じて読んで、できるだけ吸収しておきたいんですよね。

 昨日(金曜)は仕事を終えてから、新宿にある画材専門店の「世界堂」に寄って絵の具の欲しかった色をちょこっと買って、それから自宅の最寄り駅のそばの、いつもの焼き鳥屋さんへ。
 金曜にしては運良くカウンター席が空いていたので、そこに座ってポン酒を熱燗で頼んで、あとはいつもの好きな串物を。
 さすがに疲れてちょっと眠くて、今日は文庫本開く気力もないかもー。頬杖ついて、ぼけーっといろいろ考えてる。死なせちゃったごきのこと、買ってきた色をどう使おうか、とか、ホームページそろそろちゃんと手を加えないとなーとか(笑)。実は今ちょっと計画していることがあるのでその段取りとか・・・無理かなー、でもやってみないと分からないもんねーなんて思ってみたり。
 ひとしきり思い巡らせてから、葉書大の小さいスケッチブック取り出して、目の前の焼き鳥をスケッチし始めた。ええと、今日はつくね。まるまるまるぅ。まるがみっつ。でもつるつるの球体じゃないよ、つくねの質感。おこげ、おこげも。次に、しいたけを注文。え?もうないの?じゃあ、しし唐。しし唐描きたいから。。え?しし唐もないの??んー、じゃあしょうがない、また鴨ねぎ。
描いてるうちに食べたくなるので、先っちょのほうから描いていって、描いた部分から食べていく(笑)。
 鴨ねぎを描き終えてスケッチブックを閉じたら、隣の席のサラリーマン風のお兄さんが「いかがですか?」と言ってポン酒を注いできた。・・・はぁ、ありがたく頂く。感じの悪い人ではなさそうだし。なんでも、その、さっきからスケッチブックに焼き鳥描いてるのを不思議に思って観察してたらしいです。そりゃそうだわなー、自分でも変わってると自覚はしてます。でも、目の前にあると描きたくなるんだもんね。いちいち人目を気にしてたら人生勿体ないこと沢山逃しちゃうもんなんであるよ。
 私1人で飲みに行くときは誰にも邪魔されずに好き勝手やってるのが主義なので、最初はちょっとこっちも警戒してたんだけど、話してるうちにだんだん面白くなって、絵の話から映画や街並みの話とか、いろんな方向に話題が発展していって楽しくなった。焼き鳥屋を閉店で追い出されて(まただ)、もう1軒行って話を続けた。
 私の鞄も訳の分からないものごちゃごちゃと入ってる(ガラクタが多い)のですが、その人の鞄もぱんぱんで、本とか書類らしきものが沢山詰まってるなーと思ったら、どうりで、大学で建築関係のセンセだそうです。しかも、頂いた名刺見たら、私の母校でした(笑)。私も卒業して残って事務としてしばらく働いたこともあり、妙に話が通じるところがあって、ウケた。滅茶苦茶ウケました。
 ヘンなところで変わった友達ができましたです。相手もそう思ってるでしょうな。
 あとでネットでお名前検索したら、新進気鋭の研究者なんですね。気さくな方だったので、ちとびびりましたです。

 ☆☆☆
 
 私の大好きな方が、もうすぐ大事な「舞台」にあがるとのこと。その準備に励んでいらっしゃる。ほんとうに頭が下がります。その人が頑張っているから、私も頑張ろうという気になる。着々と、一歩一歩。
 頑張ってください。応援しています。
 


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