あたろーの日記
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2003年07月08日(火) 気づかせてくれてありがとう

 自分にとってはあたり前すぎるほどあたり前のことが、他の人からすれば手に入れたくても入らないとても羨ましいことであったのだと、あらためて気づかされた日。

 イランの頭部のつながった29歳の双子の女性姉妹。シンガポールでの分離手術の途中で亡くなった。周囲の反対を押し切り、困難を極める危険な手術に賭けた姉妹と周囲の人々、手術を担当した130人もの医療関係者の無念を思うと、胸が痛い。もちろん、インターネット上のニュースでしか彼女達を知らないけど、でも、あんな厳しい身体状況でどうしてあんなに明るいのだろうと思うくらいの笑顔。生前の写真を見ているからなおのこと、亡くなったというニュースに、胸が締め付けられる。
 分離手術が終わったら、1人は弁護士に、もう1人はジャーナリストにと、それぞれに夢を抱えていたそうだ。29歳、女性ならあたり前にしたいことができない辛さを考えると気の毒。でも、そういう状況を乗り越えてきてのあの強さ、笑顔だったんだなあと思う。
 
 髪を洗い、お化粧をし、着たい服を着て、食べたいものを食べ、行きたいところへ行き、読みたいものを読み、人と話し、パソコンをいじり、好きな時間に寝る。あたり前すぎる毎日が、ほんとうは人から見れば羨ましい、とてもありがたい毎日なのだということに気づかせてくれた姉妹。
 私ってなんていろんなものを持っているんだろう。手もある足もある目も口も耳も、自分だけの頭も。こうして自由にものを言い、好きな土地に住み、自分のために働ける。
 なんて幸せな毎日なんだろう。
 毎日の、あたり前の暮らしに、感謝したい。


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