あたろーの日記
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旧暦12月22日。 日中は自宅にて本を読んだりちょこちょこ掃除してみたり。 机の前に丸まって本を読んでいると、時折、雪をジャッジャッと踏みしめて歩いていく音が聞こえてくる。それが心地よくて、余計静けさを感じて、で、安心する。そうか、田舎の冬の音なんだ、自分が子供の頃から聞き慣れた雪の音だからだ、と納得する。雪が沢山降り積もった翌日、青空の下を、長靴を膝まで埋まりながら、まだ誰も歩いてない雪の原に、自分の足跡をつける競争なんて、よくやったよなあ。 『小説の秘密をめぐる十二章』(河野多恵子・文春文庫)を読む。『文学界』に連載されていた当時、時々買って読んでいたけれど、文庫になったので再び読む。沢山線を引きながら読んだ。小説を書く人が心しておきたいことが書かれている。よくある、いかに受賞するか、という類の本ではなくて。特に面白くて示唆に富んでいたのは、小説の構造についての章。芥川龍之介と谷崎潤一郎がからんだ小説の筋についての論争。
それで、久しぶりに芥川龍之介の短編を読みたくなって、『羅生門・鼻』(芥川龍之介・新潮文庫)を読む。 当たり前だけど、十代、二十代、三十代で、同じ小説を読んでも、感じ方は全く異なる。今までに読んだことのない小説を読むのも楽しみだけど、かつて読んだものを再読するのもまた楽しいんだな、と思う。
夕方、深川江戸資料館小劇場にて、今年1回目の「さん喬を聴く会」。今日はいつもと違い、日曜の開催(いつもは土曜日なのだけど)なので、落語仲間でもある友人は来られず、近場に住む私だけ行ってきた。そうなんだよね、翌日仕事だと思うと、確かに日曜は帰宅が遅くなるのを躊躇してしまう。 しかし、会場に着くと、満席で、補助席も出る大盛況。若い人の姿がまた一段と増えた。すごいなあ、さすがさん喬師匠。 柳家さん弥「千早ふる」、柳家さん喬「うどん屋」、と続いて、林家正楽の紙切り、最後は再びさん喬師匠で「御神酒徳利」。さん喬師匠の噺は今回は泣かないで聴けた(笑)いつもジーンと泣かせる人情噺ですが、今日は「御神酒徳利」で、ちょいといたずら心で易者の真似事をした棒手振りの八百屋が、ほんものの易者と思い込まれた挙げ句、失せ物探しのためにお得意さんである旦那と三島まで出かけていく羽目になり、ハラハラ冷や汗かきながらなんとか切り抜けつつ・・・という爆笑もの。ほんとは易者でもないのに、失せ物探しのスペシャリストに祭り上げられてしまった八百屋の、慌てつつもやぶれかぶれの、それでいてどこか飄々として堂々とした占いっぷり、それも「そろばん占い」という訳の分からない占い方法に、みんながだまされてしまうさまが面白かった。 今回のゲストは紙切りの林家正楽。正楽さん大好き。三味線に合わせて体を左右に揺り動かしながら紙を切る。今回は普段の寄席より時間が長くて、お客さんのリクエスト含め、藤娘、お正月、梅に鶯、千秋楽、七福神・・・それから、これは初めて見た、こんなのが見られるなんて嬉しかった、というのが、最後、懐メロや美空ひばりのメドレーに合わせて、予め準備してきた沢山の紙切りの絵を、ステージのスクリーンに、正楽師匠自らが次々と映し出していく、影絵スライドショー。一番最後の、「川の流れのように」に合わせて、舟に乗った沢山の人々、キャラクター(サザエさん一家やアンパンマンや犬、それからさん喬師匠や正楽師匠ご自身まで)が画面を横切っていくのは、楽しくて、会場大爆笑。それでいて、何故か、ジーンと来て、たぶん、美空ひばりの歌声と、正楽師匠の一生懸命さに打たれてしまったんだと思うのですが、涙が出てしまった。なんつうか、私の言葉ではうまく言い表せないのですが、すごい芸術作品を見たような気分で、それがステージの上で這いつくばって懸命に紙を動かしている正楽師匠の姿と、スクリーンに映し出される見事な影絵とのコントラストなもんだから、笑いつつも泣いてしまうという・・・。ともかく、面白かったです。楽しかったです。
自宅近く、喫茶店の前に、大きな、私の肩くらいまである、白い犬と、子犬のペアが。雪でよくここまで作ったなあ、と感心してしまい、これまた感動してしまい、融けてしまうのが気の毒なので、その前に撮影。前足なんてほんとかわいくできてた。これまた芸術作品なのでした。
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