あたろーの日記
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旧暦9月13日。 車谷長吉『鹽壺の匙』(新潮文庫)を読む。 この人の私小説を読むと、夜、夢でうなされそうだ。しかし、それにしても、ぺっとりとした吸引力のある書きよう。 規則正しく起床し、ごみを出して、洗濯を済ませてから、電車に乗って東京駅まで。八重洲ブックセンターをうろついてから、「はなまるうどん」でうどんを食べて、京橋にある東京国立近代美術館 フィルムセンターにて、溝口健二監督『祇園の姉妹』(1936年)と『愛怨峡』(1937年)を観る。『祇園の姉妹』では、昭和10年代初頭の山田五十鈴にクラッとなる。『愛怨峡』は結構好きだ。昔どこだったかで観て寝ちゃったような気がするのだけど、今観ると引き込まれる。結末が特に好き。
映画を見終わってちょっと銀座を歩く。伊東屋に寄り、ノートを買う。それからまた歩き、教文堂書店に入ろうとして、ふと空を見上げると満月に近い月がぽっかりと、ビルの谷間の空に浮かんでいた。はあ、と見とれていると、携帯電話に友人からメールが入る。十三夜の月がとても綺麗だね、と。なんともいいタイミングで、笑ってしまう。書店に入ると閉店の音楽・・・が、蛍の光、テープがガタガタらしく、確かに蛍の光なんだけど、ぶちぶちっとキレまくり。また笑ってしまう。入ったと思ったらすぐに出てきたが、書店を飛び出したところで、同じ職場の人に、ばったり出くわす。目が合うも、最初、よく似た人が世の中にはいるもんだなあ、とそのまま行こうとして、ん?と振り返る、と、相手も同じようにおもったのか、あっ、という顔をした。 世の中ってホントに狭いのう。と、再び笑ってしまう。
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