あたろーの日記
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2006年12月13日(水) まずは我が身。

 旧暦10月23日。 
 まだ風邪治らず。日記書いたらすぐに布団に潜ります。
 昨日は、会社の用事で1日お出かけ。部署で利用し始めた文書廃棄処理の会社を見学のため、埼玉へ。先方の営業さんと東京駅近くで朝待ち合わせして、用意して頂いたマイクロバスに、同じ部署のメンバー2人と共に乗り、他の会社から来た方々と一緒に案内してもらった。私はいつもデスクワークで、出張だとか客先訪問だとかいう外出の機会が滅多にないので、こういうのって、すごく嬉しくて、前日からもうわくわくしていた。課長からは「見学じゃなくって視察なんだからね、視察っていうより、査察のつもりで行きなさい。ちゃんと見てきなさい」と言われたのですが、どうも遠足気分(笑)

 行きは関越道で渋滞に遭う。上り車線でトラックと軽乗用車が衝突して2台とも炎上し、2名が亡くなった事故現場を通り過ぎる際に、下り車線の車がみなスピードを落とすため(事故現場を見るため)、下り車線が事故現場を過ぎるまで渋滞。上りは通行止めになっているので、事故関係車両しかいない。軽乗用車がトラックの前にのめり込むように横向きになっており、2台とも車内は燃えた痕で、窓ガラスも無く、特に軽のほうは骨組みだけのようにがらんとなっていた。こういうのを見ると、ほんとうに怖い。2人の方がどんな風に亡くなったのか考えると、気の毒になる。自動車は、なければないで生きていけるなら、それが一番だと、しみじみ思った。

 予定より少し遅れて、まずは顧客である企業から廃棄され、トラックで運び込まれた文書を、紙質によって分類、破砕し、再生紙の原料として製紙工場に出荷できる状態に作り替える工場へ案内してもらう。廃棄文書といえども、運搬から再生紙の原料に生まれ変わるまでは、1枚たりとも外部に流出してはならないものなので、どの行程においても、セキュリティは万全を期している。ヘルメットを被って、持ち物を預け、工場内を廻り、説明を受ける。と、こちらもいろいろ質問をする。
 お昼はレストランで海鮮炊き込みご飯や天ぷらなどのお膳。てっきり移動のバスの中で幕の内弁当かなー、と、それはそれで楽しみにしてたのですが、それ以上の御馳走でびっくり嬉しかった。
 午後はまた関越道で移動し、千葉県にある、同じ会社の、今度は文書を保管する倉庫へ。最近は文書を外部に委託して保存してもらう会社も増えたので、需要は結構あるらしい。こちらも当然、セキュリティは厳しく、建物も真新しい。完全に機械で制御された、最新式の文書倉庫。顧客がシステムの説明を受ける部屋はなんだかハリウッドの映画に出てくるような洒落た空間で、片側はガラス戸で仕切られた膨大な文書箱が縦横に連なる倉庫空間、片側は遊び心を活かして作られた斜度を持たせた天井の応接セット、真ん中に長細い会議テーブルで、説明員の方がリモコンをかざすと、ウイーン、と、天井からパネルが降りてきて、部屋が暗くなり、システムを説明するDVDが放映される。説明する方も、顧客を案内するのに慣れているようで、何もかもスムースで、さすがっ、と思いつづけていた。で、お客から預かった文書を如何に安全に運搬し、間違いなく保管し、要求があった際に間違いなく取り出して閲覧可能な状態にするか、等々、説明を聞き、こちらも質問。実は、午前中の工場でも、午後の倉庫でも、私の頭の中には、こういう場所を舞台にした、犯罪小説の粗筋がぼこぼこぼこぼこと湧き上がってきていて(爆)、えらくいっぱい、質問してしまった。「さすが、お客様の会社はセキュリティに厳しいお仕事だけあって、細かいところによくお気づきになります」と言われた・・・というか、内心呆れてらっしゃったかもしれないのですが(すいません)、実は、質問するこっちはもうわくわくしちゃって、面白くて、顧客会社のなりすまし社員が文書閲覧しようとしたら、とか、預かった文書箱に発火性のものが含まれていたら、とか、地震や停電の際は自家発電装置があるのかとか、そういった場合に外部からの侵入をどうしたら食い止めるのかとか、はたまた運搬途中のセキュリティとか、なんかいろいろ訊きまくってしまった。訊きながらも、私の頭の中では、犯罪組織のメンバー達が、輸送トラックをジャックしたり、深夜倉庫に忍び込んである企業をゆするだけの価値がある文書を盗み出したりといったストーリーの断片がぽこぽこ浮かんできて、面白くて仕方がない。ちょうど、朝から『単独密偵』(ロバート・ラドラム/新潮文庫)の上巻を読み始めたので、しかもそれもスパイ小説なので、ひじょうに単純な作りの脳味噌を持っている私は、完全にそっちの世界の住人になっているわけで。まったく、しょうもない。
 とにかく、面白かったです。
 帰りは、千葉のとある駅で解散し、同じ部署の人と3人、とぼとぼと電車を乗り継いで都内まで帰ってきて、私は自宅直帰。実は、風邪が治らないまま、バスで遠出し、工場や倉庫など寒いところを回っていたので、頭がガンガン。20時には布団に潜り込みました。
 が、布団の中で我慢しきれず、ラドラムの続きを読んでまたわくわくしていた単純者。
 
 しかし、あれだけよそ様の会社のセキュリティについて、しつこく質問攻めにした割には、会社の自分の机上は、無法地帯であるからして、今日、これはやばい、さすがに、まずい、と、ひどく反省した。机上のみならず、自分の関係している書類の整理、真剣にやらねば。白状すると、昨夜、職場で自分の文書保管について、遠回しに非難されてヒヤリとなって、慌てて書類整理する夢を見た。見学会の後にそういう夢だったから、顕在意識のみならず、潜在意識までも、私は追いつめられているのだと、今朝起きてはっきり認識した次第であります。
 風邪が治って体調が戻ったら、本気で文書整理します。
 


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