元・白血病患者の日記
 

2002年10月27日(日) 誰がための七五三

 まるで七五三を祝うかのような晴天。昨日、雨の中をやってきたバアさんが来る前に、子供を着替えさせて準備完了。ちなみに嫁さんは小洒落た格好だが、自分はGパンに普段着。子供がブレザーでネクタイしてるのでギャップが…。

 「まるで会社の人みたいでしょ」とはしゃぐ子供に目を細めるバアさん。

 川崎大師へは2度乗り継ぎをしていく。蒲田にはいなかったが、川崎に到着すると綺麗な着物の子供が数人いた。大師線で電車に乗ると、揺れと陽気、そして薬の影響で子供が眠たくなる…。おい、こんな時に薬を飲ますなよ。

 朝も早いのでまだ大師通りの商店街には年寄りしかいない。結局ダウンしてしまい、ブレザーを着た5歳児を抱っこしたまま受け付けを目指す。相場もあるのだろうが…なんでもお布施として封筒に5000円から(上限無し?)を入れるそうで…気持ちじゃないのね、祭事事は。嫁さんが受け付けをしてる間に少しでも眠気を覚まそうと境内をウロウロするが、手洗い場では立ったっまま寝てしまった。大丈夫か?

 時間になり普段は入れない奥へと向かう。時間が早いので、4人だけだった。普段着はワシとバアさんの二人だけだった。ビデオ撮影してないのもワシらだけだった。

 薄暗い中、子供だけ前へと進み、経を受ける。もっと暴れたり、怖がるかと思ったが、いらん苦労だった。まぁ、大人しくしてたこと。他の子が子供らしく叫ぶ中、ジッとしてる。隣の三歳の子供なぞ、後ろの親を気にしてキョロキョロするわ、暇でスカート全開にするわ(正面の仏像にご開帳してどうするのか)で大騒ぎ。

 これにはバアさんも更に喜んで、川崎で食事をおごってもらう。綺麗な服を着てスパゲティを食べると汚しそうなものだが、これもいらん苦労で無難に食べる。しかも一皿をペロリと。ちょっと前まではワシらの皿から分け与えていたのに、もう一人前を食べるほどになったか…。今後のエンゲル係数は、考えないことにしておこう。

 我々はいつもの通り、玩具のウィンドウショッピングをしようとしたのだが、着いて来たバアさん(というか、一人で電車に乗れないので一緒じゃないと帰れない…)が「今日は七五三だから好きな玩具でも買ってあげようか」と。子供は「クリスマスまでダメなんだよ」というが、せっかくの気分を壊すのも何なのでお願いする。

 大きな玩具は絶対に買わないと言い聞かせてあるので「何でもいいんだよ」といったのに、子供が選んだのは『クラッシュギア』。モーターで走る車ね。\1250円…安い。こっちは超合金なんとか、合体なんたら、というものを考えていた(実は親が期待してた?)のだが。まぁ、孫の七五三に色々できたので、バアさんは満足だった。

 具合の悪い嫁さんとワシは部屋に戻るとグッタリしたが(ワシは布団を敷いてさっさと転がる)、バアさんと玩具をゲットした子供は元気。

 なんか世間一般のような普通の会話を交わし、バアさんの「これからの行事はなんだい?」という質問に、フト通ってるプールで(子供だけの)スキー教室とか色々あるという話になった。

「でも、子供だけでお泊りが出来ないと参加できないんだよね。いっそバアさんジイさんの所に泊まってみるか?」と聞けば、いつも「嫌だ!」しか言わない子供が「うん」と言った。

 バアさんの目が輝き、さっそく来週の土曜に…ということになった。展開が早い! こんなに快活なバアさんは35年ばかし息子をやってきたが見たことないゾ。大丈夫なのかな。一週間、子供の気分か変わらないことを願う…。喜ばせた分、ダメになった時のダメージは大きいはずだ。「子供の約束なんだから…」という理屈の通じない人なので、心配だ。

 貧血でヘロヘロながら、子供にクラッシュギアを作らせられる。よかったね、いい七五三で。バアさんと子供はニコニコのまま、こうして二回目の七五三は終わるのであった。


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