元・白血病患者の日記
 

2003年06月17日(火) なんて我がままなジイさん…

 静岡に電話を入れて、バアさんの伝言の意味を確かめる。あいにく主治医の先生はいなかったので、担当看護婦さんが対応してくれた。見舞いに行った時に親切にしてくれた渡辺さんである。

 が、印象は優しい人だったのに、何か言葉がトゲトゲしている。どうも(東京から)向こうに(二度目の見舞いに)行くという情報があるのに、一向に来る気配がないから心配していたというのと、退院日が決まっているのに『実家の見取り図』が届かないから困っているのが理由みたいだった。

 とはいえ、何のことかわからないので聞いてみる。少し呆れ気味の渡辺さんの説明で、なんとなくジイさんの突然とも思える退院の意味がわかってきた。そもそも、入所当初の予定で2ヶ月となっていたが、回復の状況次第で前後するとあった。当然だろう。リハビリなんて個人差があるんだから。

 ここで悪い偶然があった。主治医になってくれた先生が、今は静岡にいるが後々、ジイさんの地元・東京の大森に戻るという。それが6月の末になったらしい。想像だけど、これを聞いてジイさんの想いだけは大森に行ってしまったんだろう。先生が戻るなら、俺も戻って、地元でリハビリしよう、と。

 …別にそれはいいんだけど、これまで世話をしてくれた看護婦さんからすれば「もうしばらく、こちらでリハビリを続けられた方が…」という感じだった。(実際、バアさんは「今の段階では80%の回復」と言っていたが、渡辺さんは「70%くらい。まだ回復の見込みはありますから、もう少し…」ということだった)せっかく治るのに、ただ帰りたいからという理由でいきなり退院を決めるとは。どこまで人騒がせなジイさんなのだろうか。本気で治す気あるのかよ! たかが一ヶ月程度のことで、これから先のことを決めていいのかよ。

 「先生が許可したっていうんだから」とバアさんは言うが、遅かれ早かれ大森で顔を会わせる患者に対して無碍にはできんわな、先生的には。この場合、患者に対する言葉は、先生の言葉よりも看護婦さんの言葉の方が重いはずだ。

 おかしいと思ったんだよ、ジイさんが自分から電話してきたってのは。既成事実を作っとこうというつもりだったんだろうかしら。

 で、そんな話になっているから、せめて自宅でのリハビリがどんな感じになるのか見取り図を送れと前に伝えていたと渡辺さんは言う。もちろん、バアさんや妹がそんな作業をしてるはずはない。電話を受けて伝言もまともに出きないのかよ。

 渡辺さんに謝って(なぜ俺が?)、至急、画像なり部屋の寸法なりを送る約束をする。

 しかし、本当にこんな早くに退院していいのか? 完治したわけじゃないんだぜジイさんよ。都会は静岡の人みたいに優しい人ばかりではないのだからね。

 「…頑張ったんだし、本人が飲みたいの取り上げるわけにはいかないだろ」と、バアさんは酒を飲ませるようなことを言ってるし。今度、転んでも誰も助けてはくれないだろう。


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