街はまだ起きない。しっかりしないから、神様は怒って雨を降らせてしまった。 どうしようもなく憂鬱になってしまう。 目を覚ますと、同時に耳に入ってくる地面を叩く音が嫌で仕方ない。 時計に目をやれば10時過ぎ。何もやる気は起こらない。 とっくに1限は始まっている。むしろ終わりそうだ。
”今日は起きたくないや”火曜日の憂鬱。 また始まった。街が起きないから、僕も起きることができない。 でも時計を見てしまう自分にさっきから嫌気がしている。 −誰か僕の部屋のドアをノックしてくれないかな?− ・・・寝返りしてみる。これで3回目だ。 時計の針は右回りに律儀に動いている。長針も短針も秒針も。 地面を叩く音は弱まりそうにない。
−ティッシュを丸めたヤツを作って逆さに吊してやろうか?− 怒りにも似た感情が湧いてくる。時計の針は逆には回ってくれない。 秒針の音が『カチッカチッ』と部屋の中でゆっくりと、確実に時を刻んでいる。
憂鬱な火曜日、夕方頃雨が止むと自己嫌悪に陥る。 −今日をムダにしてしまった−という後悔だけが付きまとう。
時計に目をやると午後五時三十分で止まっていた。 −電池を買いに外へでるか−
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