神様からプレゼントをもらいました。 神様ははっきりと言いました。 「逃げたら終わりだ!その言葉を言ったら負けだ」と。 ぼくにはその言葉の意味が分かりませんでした。 左手にしっかりプレゼントを抱えました。誰にも取られないように。そして二発だけ弾を入れました。最も二発しか神様は弾をくれなかったのですが・・・。
その次の日にぼくはビルの屋上に登りました。 その屋上は地球の人みんなを見渡せるコトのできるビルの屋上です。はっきりとは見えないので、ぼくは世界で一番よく見える望遠鏡を買いました。世界一だから当然高かったです。でも買いました。自分の力を誤魔化して買いました。 だから分かってました。ぼくはこの場所でみんなを殺してから、それから死ぬことを。最高の死に場所だと感じました。みんなの上に立って、一番高い所で死ぬことができるから。
望遠鏡を首に下げて、左手にはもう弾が入っていない神様からのプレゼントを持ちました。ゆっくりと照準を合わせました。それから打つマネを何回もしました。上から知らない人を何人も撃ち殺しました。ぼくはその時、神様になっていました。 他人の命を弄ぶ悪い神様になっていました。 それでも打つマネを止めませんでした。色んな人を眺めてはそれから狂った様に何発も打ち込みました。そのうち左手が疲れてきたのでプレゼントを置いて、望遠鏡で自分の家を見てみました。
誰もいませんでした。お父さんも、お母さんも。 いっぱい血が流れていました。誰に殺されたのか気になったけど、ぼくもどうせこの場所で死ぬのだからいいやと思って泣くことはしませんでした。きっと誰かに撃たれて、お金をたくさん奪われたのだろうなと思いました。
地面に向かってダイビングしてみました。 きっと痛かったんだろうな。 左手は神様からもらったプレゼントをしっかり握っていたのかな? ぼくは逃げたかな?
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