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2003年06月07日(土) 男と女の事情

”遊んでいる”と思っていたが、実は遊ばれていたりする。

別れた女とは会わない方が身の為だと思ってはいたが、身体は正直になる。
少し時が過ぎるとそんなことも思わなくなってしまって、
−もしかしたら寄りを戻せるかも−
なんて思ってしまう。
まあ、こっちとしては実にラッキーなコトなのかもしれない。
恋人時代とは違う気持ちで身体を重ねることが出来るから。

が、しかし女はそんなこと一つも思っていなかった。
愛情なんか、もう感じることもない。欠片もない。
ただ、無言で訴えていた。
−早く私が貸したお金、返してよ!−

この男、かなりの額を借りていた。おまけに仕事もない。
バイトらしいこともしない。このことが別れの直接の原因ではないが、
引き金だったことは間違いない。
友人にも借金をしている。全てを足してみると10万は軽く越す。
返すアテもない金なのだ。

女は毎夜、この男に身体を預けていた、当然無賃で。
いつしかこの男が自分の思っていることを、心の中を知ってくれると信じて。
愛情はない、ただ身体を。

男は女の手の中で転がされていた。
そんなことも気付く分けない男は今日も女を抱く。
男が眠りにつくと、女は溜息をついて急いで部屋を出る。
「いい加減返してよ!」
と、捨て台詞を吐いて。
当然、男にはその声は聞こえない。
夢の中で違う女を抱いてたり・・・。


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