独白「文字式」

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2002年05月22日(水) 奇跡の瞬間の後(ぽえむばざーる編12)

昨日の日記は、要は、
「困っていたときに本を買ってくれて有難かった」
という話だったのだが、
なにがそんなに嬉しかったのか。

それは、
本(詩)をじっくり読んでくれた上で、
買っていただいた、ということである。

いままでHP上で詩を発表しており、
毎日数人の来訪者にお越しいただいているのだが、
(少なっ、てつっこみは甘んじて受ける)
詩を読んでいただいている、という実感があまり無かった。

今回本を買ってくださった方は、
一緒に「ぽえざる」に参加しているから、とか、
売りこみがしつこかったから、といった前提条件もなく、

ただ、詩を読んでいただき、
その結果、買ってくださったのだ。

(今、振り返ってみると、買っていただいた理由として、
「俺が美しすぎるからだぜ」、とか「百円玉が重かったから」等の
不毛な理由づけ(=妄想)も可能であるが)

で、その時、
お、イケルんじゃないか、という自信に加えて、
お客様に「買っていただく」の精神で臨むのではなく、
お客様に「読んでいただく」のが重要なのだ、という
気持ちになったのであり、

そして
お客様に読んでいただく。
そのためには、自分のブースに立ち寄っていただくよう努力する。
この結論を、呼び覚まされた商人の血が導き出したのである。

さて、お見送りモードでいた時に、
耳に入った、「この本、いくらですか」
不意をつかれ、あきらかに動揺した私は、
座ってた椅子から、がさっ、と立ちあがり
「ひゃ、百円です」ともごもごと価格を告げ、
はにかみつつもいそいそと本を手渡し、頭をぺこりと下げて
去って行く彼女を見送るしか出来なかった。

「何かおもろい詩がありましたか」とコミュニケートする事も無く
顔すらまともに見れず(そのためどんな方かはっきりしない)・・・。

馬鹿だな、自分。


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