独白「文字式」
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2002年06月23日(日) |
先輩モード(後輩の演奏会を見に行く編4) |
(味が)想い出の喫茶店にて 腹ごなし、というには尋常じゃない量を食べおわり、 (サラダとチキングラタン、2100円、優に3人前はあった。) いよいよ演奏会に赴くこととなった。
道中、手土産(お菓子)を買い、 演奏会場の受付をしていた人に手渡す。 普通なら、手渡した段階で、 「どなたへのプレゼントかがわかるように、 こちらのシールに、お名前など書いて、貼り付けてください」 などと、声がかかるのだが、
なんだかはっきりとしない対応をされて、 「いまどきの若者は」と説教したくなる。
こんな瑣末なことで腹を立てるとは、 人間の小さいやつめ、と おっしゃる向きもあろうかと思うが、
もう演奏を聞く前段階で、すでに 「先輩モード」に入っているため、 必要以上に目を光らせて物事を見ているため、 つい、瑣末なことも気になってしまうのである。
ここで、「先輩モード」について説明しよう。 「先輩モード」とは、 過去に自分が経験してきた出来事と同様なことを、 現在実行しようとしている後輩に対して、 「自分のほうが既に経験を済ましている分、 後輩に教えられることがあるに違いない」 という強い思い込みのもと、 必要以上にあら捜しをしたり、ついには 説教をしたくなってしまう心の状態である。
この、「先輩モード」の際に発せられた言葉は、 主に、昔の経験則に基づくものであるため、 同じようなイベントでも、環境や状況が異なっていると 役に立たない意見だったりすることがままある。
しかし、後輩は、後輩であるがゆえに、 「先輩モード」トークをよく聞いてくれるため、 先輩は、しゃべればしゃべるほど、 「先輩モード」が増長していき、 完全に説教になってしまう、という厄介なものである。
ただし、時には、 古くからの経験則が、役に立ったりもするので、 「先輩モード」を完全に否定することはできないのだが。
(で、個人的には「先輩モード」に入りやすいので、 せめて、人への気遣いとユーモアだけは忘れないようにしよう、 と、自戒を込めて記しておく)
さて、 受付を済まし、開演のベルが鳴る。 楽器を片手に、しずしずと席につく 若きオルケスターのメンバー。
ううむ、美しい。
自分で弾いてる時はわからなかったが、 ひょっとしたら、とても美しいことをしていたのでは、 などど、ふと思ったのであった。
次回の日記は、開演時に感じたこの感覚について、 もすこし詳しく書きます。
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