独白「文字式」

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2003年10月04日(土) 歩みを止めたら(天ぷらオフ会編その5)

(前回までのあらすじ)
オフ会にもかかわらず、ふらっと入ったガラス屋さんで、静かなる消費者運動を一人繰り広げていた私なのであった。

ガラス屋さんを後にして、さらにふらふらと歩き出す。伝法院通りを抜け、六区ブロードウェイを北上。道中、ちんどん屋さんを眺めたり、焼肉横丁をのぞいたり。

北へ、北へ、と歩く一行。実は、個人的には焼肉横丁までは密かに「散○の達人」にて予習していたのだが(大変うまそうなので、焼肉に行く人募集中)、勢いでずんずんと歩いてしまい、もう、なにがあるのかが検討がつかなくなっていた。

で、なんでこんなにずんずんと歩いていたのかというと、ひとえに浅草の町の面白さからであり、どこが面白いのか、というと、歩いても歩いても商店街があるところなのである。お寺さんまでの道が賑やかなのに、そこを抜けてもなお、商店が軒をつらねている。しかも、そんだけ商店が集まりながらも、けして大きなビル群がない、のもまた魅力的に感じられる。その様子が楽しくて、ついずっと歩き続けてしまったのだ。

まあ、とどのつまりは、なんの脈絡も無く散歩を楽しんでいた私が、お二人をひきずりまわして、北へ北へと突き進んでいった、ということになろうが、天ぷらを食べて以来、ずっと座っていないのであり、さすがに疲労ムードも高まってきたので、「お茶でもしましょう」ということになったのである。(この時点で、汐見さんもやはり甘党だった、ということは把握できている。甘党を呼ぶホームページだな。)

「お茶する」と決めた時、引き返して「○歩の達人」に紹介されていた甘味処に行こうかなあ、とも思ったのだが、ひそかに歩き疲れていたし、すでに予習していた範疇からははみ出ていたので、どこか「よさげなサ店」でも、と思ってちょっと探してみると、「骨董喫茶」を発見。

「おもしろそう」ってなことで、店に入ってみると、中にはお客がどなたもいない。しばらくして、店の奥から、まったく「喫茶店のマスター」というムードを感じさせない迫力の、一人のおじいさんが出てきたのである。

ともかく、入ってしまったので(この段階で、すでに、気おされ中)無碍に出るわけにもいかず、「お店やっていますか」とおじいさんに聞いてみる。すると、彼は、店の奥からノートを提示して、記載を促しつつ、何かを言い残して(聞き取れなかった)店から立ち去ってしまったのである。

おーい、どこいくんだー・・・・・・・・・。

誰もいなくなってしまったお店に取り残される3人。「骨董喫茶」と書いてあったのに、「骨董」も、しかも「喫茶」すらすることなしに、めったに味わえない体験をすることが出来たのである。

で、この状況にてお店から出なかった我々の個性が、さらに我々に新しい世界をもたらしてくれたのであった。

(つづく)


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