独白「文字式」
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2003年10月07日(火) |
工程(天ぷらオフ会編その6) |
(前回までのあらすじ) 歩きつかれた入った喫茶店。なぜだか店の方がいなくなってしまい、取り残された我々であった。
誰もいない喫茶店(ですらどうか、水も出てきていなかったのでわからない)にたたずむ3人。骨董や面白い小物はあったので、それを見ながらゆっくりとくつろぐことにする。とりあえず私は出されたノートに記帳したのだが、いったいこれはなんなのだろうと、内心ビビりまくりであった。
そうこうしているうちに、買い物袋をさげた一人の女性がお店の中に入ってきた。お客さんか、いったいどうこの状況を説明すればいいんだ、と思ったが、店の奥に入ってお水を出してくれたので、ようやく喫茶店である、ということがわかったのである。
それにしても、謎なのは書くように促されたノートである。このままわからないのもなんなので、意を決して、「このノートに住所と名前を書くように言われたんですが」と聞いてみた。
返ってきた答えは 「ああ、資料館にきたお客さんが記帳するものなのよ。」 さらに質問をつづける我々 「なんの展示なんですか?」 そして返ってきた答え 「このお店の奥は刺青の資料館なのよ」
お茶しよう、と思って入ったところが刺青の資料館だったら、誰でもが驚くであろう。
せっかくなので、「誰でも閲覧できるのですか」と聞いてみたところ、ノートに記帳をすれば無料で見させていただける、とのことだったので、見ることにした。
まあ、いきなり見るのもなんなので、とりあえずはコーヒーなどを飲んで喉を潤す。美味しいコーヒーであった。静かな喫茶店の中、静かに雑談などしつついよいよ刺青資料館へ(といっても店の奥だが)
入ってみると、確かに刺青の写真がいっぱい飾っている。また、アートとして表彰された、といった新聞の切抜き等々を見て、さきほどお店にいたおじいさんが、彫氏をされていること、コーヒーを入れてくださった店主がその奥さんであること、等々が理解できた。
資料館では、刺青に関する資料が閲覧できるのだが、圧巻なのは、まさに身体に彫っているところを撮っている写真であった。背中の上の輪郭がどんどん色づいていく姿。3人、そのアーティスティックな部分のコメントをしながらも、(この色は綺麗、マリア様を彫ることもあるんだ、彫るんだったら和風のものがいいなあ等)その迫力に飲み込まれていった。(一番飲み込まれていたのは私であった気がする。)
私が、その写真に飲み込まれていった理由としては、見ていてすごく痛そうである、ということに起因するが、それに加えて、刺青をされる方が、痛さに加え、後戻りは聞かないにもかかわらず、刺青を入れようと決めた覚悟はどこから来るのだろう、ということを考え、その雰囲気に飲み込まれていったようにも思われるのである。
3人、一通り資料を見て、お店を後にした。貴重なものをみたなあ、という思いはあるものの、やっぱり足取りは重かった・・・・。
(なお、お店の看板をよく見たら、刺青の資料館である旨の記載もあった。喉が渇いていたので、喫茶店の部分に目が行って見落としたのであろう。もし喉がそんなに渇いていなかったら、刺青資料館であることに気がついてお店に入らなかったかもしれないので、偶然にて貴重な体験だったのである。また、実は「散歩○達人」のエリア版ムック(今回のネタ本)にも実は紹介されていたことも追記しておく。)
(つづく)
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